オリジナル万年筆のスチールペン先仕様追加

様々なモノの美しさがありますが、私はオリエンタルなものに惹かれます。

その中でもシルクロードや西域という所が特に気になるのは、好きで読んでいる小説の影響が大きいのかもしれません。そもそもそういうものに惹かれるようになったのは、子供の頃、両親と観たNHK特集シルクロードの影響なのかもしれません。

5月初旬に、期間限定で公開されている薬師寺玄奘三蔵院の大唐西域壁画を観てきました。
何年も観たいと思っていて、やっと念願が叶いました。

中国からインドまでのシルクロードの旅を描いた壁画を見るには、東京スカイツリーの展望台の入場料くらいの金額を払わないといけないので、余程好きな人でないと見に来ないし、余程好きな人は公開が始まってすぐに観に来るのか、期間末に私が行った時には他に誰もいなくて、ゆっくり観ることができました。

平山郁夫氏による玄奘三蔵のインドへの旅を描いた壁画は、その地の風景の中にいるような、自然と一体になる強烈な色彩を持つ東洋の風景が描かれていました。

当店オリジナル万年筆「コンチネンタルクラシックインスピレーション1985」(以後コンチネンタルクラシック)も、そんな東洋への憧れが形になった万年筆です。

キャップは一見黒に見えますがエボナイト製で、微妙に違う味わい深い色合いになっています。琥珀柄の軸は、素材メーカーで廃番になっていたのですが、どうしてもこだわりたくてこの万年筆のために再生産してもらいました。

オリエンタルなものを万年筆で表現しようと思った時に、鳳凰のペン先とともに琥珀色の軸はどうしても譲れないところでした。

今年から発売開始しているコンチネンタルクラシックに、この度ゴールドプレートペン先(スチールペン先)モデルも加わりました。
このボディの企画を決めた時にはすでに、ゴールドプレートペン先仕様の製作も決まっていましたが、完成が遅れていました。

14金ペン先モデルは55000円(税込)なのに対して、ゴールドプレート先モデルは22000円(税込)で、違いはペン先の素材だけになり、ペン先のデザインも同じになりますのでいかにゴールドプレートペン先モデルのコストパフォーマンスが高いかお分かりいただけると思います。

色々なものの値段が上がって、国産の万年筆が倍近い値段になってしまっている今、一軒の店がこだわって作った万年筆をなるべく安い値段で販売したいと思いました。

いつまでこの値段でできるか分からないですが、こんなご時世だからこそ意味がある価格設定だと思っています。

ゴールドプレートペン先の書き味は、けっしてガチガチに硬いものではなく、滑らかで心地良さのある使いやすいペン先で、自信を持ってお勧めできます。

字幅がEFとFの2種類で、手帳やノートに使いやすい字幅です。

当店のペン習字教室を開催して下さっている堀谷龍玄先生は、柔らかく強弱がつけられるペン先だと言って下さいました。

14金のペン先は、かなり大きいペンポイントがついた状態で入荷しましたので、当店で研ぎ直して調整しています。そのため字幅の種類が豊富で、研ぎの種類もお選びいただけるようになっています。

研ぎの種類についてそれぞれご説明いたします。

〇国産細字・国産中細・・・筆記角度により字幅が変わらない丸研ぎにして、ノート、手帳などに使いやすく仕上げました。

〇三角研ぎ・・・寝かせて書いた時と立てて書いた時の字幅の差が大きく、筆ペンで書いたようなキレのある文字、トメハネハライが表現しやすい研ぎです。

〇上弦の三角研ぎ・・・なだらかに弧を描く筆記面を持ち、筆記角度による字幅の変化は三角研ぎより少なくなっています。

〇標準・・・なるべく大きめのペンポイントをそのまま活かして、滑らかな書き味を追究しています。

〇丸研ぎ・・・筆記角度、ペン先の向きを気にせずに滑らかに書けます。字幅はBに設定しています。

コンチネンタルクラシックの14金ペン先モデルでは、ペン先調整をする店として様々なペン先の仕上げ方を示して、当店が目指す万年筆の楽しみ方を表現したいと思いました。

そのためにはオリジナルペン先を持つオリジナル万年筆でないとどうしてもいけなかった。

同モデルのゴールドプレートペン先では、こだわって作った万年筆をより多くのお客様に使っていただけるようにしたいと思いました。

オリジナル万年筆コンチネンタルクラシック1985は、5月31日(土)に開催されるNANIWA PEN SHOW 2025にもお持ちいたしますし、各出張販売にもお持ちいたします。

オリジナル万年筆コンチネンタルクラシックインスピレーション1985 14金ペン先仕様⇒

オリジナル万年筆コンチネンタルクラシックインスピレーション1985 ゴールドプレートペン先仕様⇒