
万年筆の楽しさを知る前、子供の頃から書くことは好きでした。
けっして上手くはなかったけれど、作文だけは好きでした。
高いボールペンは買えなかったけれど、安くても書き味にこだわって選んでいましたし、小学校5年生の時にブルーのユニボールが発売されてその書き味の良さと大人っぽい筆跡に衝撃を受けました。
考えてみると、自分は筆記具というものが好きだったのかもしれないと思います。子供の頃の色々なことは忘れているけれど、昔から使ってきた数々のペンたちのことは今でも思い出すことができます。
筆記具に関わる仕事がしたいという意識もなくこの業界に入り、でも楽しく色々なペンを見ているうちに、気がついたら30年以上経っていました。私にとっては恵まれたことだと思っています。
ドイツのお店のデッドストックの、1990年代初頭~2000年代初頭頃のパーカーを仕入れて販売しています。(⇒デットストックパーカードイツ仕入れ)
パーカーの良いところのひとつに、軸のどこかに刻印されているアルファベットとローマ数字によって、製造年と製造シーズンが分かるということがあります。ペンの本質とは関係ないかもしれませんが、個人的に何年に作られたペンなのか知りたい方で、それによって様々な想いを抱きますので、古くなるほどそれはとても重要ことだと思っています。
ドイツ仕入れのパーカーデッドストック品、半分ほどは売れてしまいましたが、まだまだ魅力的なものはあります。
日本ではローラーボールというのはあまり人気がないようで、本国で発売されていても日本に輸入されていないことも多く、目にすることが少ないと思っています。
ローラーボールというのは水性ポールペンのことで、先はボールペンで、インクが水性なので書き味は滑らかで、筆跡は万年筆に近いというものです。
外出時などに本領を発揮しますので、外で書くことの多い手帳のペンホルダーに差しておいてもいいかもしれません。
ローラーボールはボールペンと違って、万年筆と同じキャップ式です。
ローラーボールの芯だけだとドライアップしやすいですが、軸にセットされた芯はドライアップしにくく、今回のデッドストック品のローラーボールでも製造時に装填されていた芯の多くが筆記可能でした。
ローラーボールに関して、私も個人的に興味を持っています。
仕事の移動時間、休みの日の外出先でもメモをすることがかなり多く、筆記具と手帳はいつも持っています。
たいていはシャープペンシルかボールペンを使うことが多いけれど、筆跡は万年筆のようであって欲しいので、ローラーボールペンがその役割をしてくれるかもしれないと思っています。
今回が今年最後のペン語りになります。皆様今年一年ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。
*次回は1月9日の投稿になります。