注文していたウォールエバーシャープが入荷しました。
普通にオーダーをメールで送って、それが一週間くらいで納品される他の商品と違って、やり取りする書類もあるし、何もできず待っている期間も長い。
100年近い歴史を持つウォールエバーシャープ社ですが、今は社長が奥さんと二人で数人の職人さんを使って切り盛りする小さな会社です。
オーダーを受けてからペンを作り始めるという、日本と比べるとスローな仕事振りで、当店の規模とペースには合っているのかもしれないけれど、予約して下さっているお客様にはお待たせして本当に申し訳なく思っています。
今回も余裕を持たせて納期を設定していましたが、結局遅れてしまった。
次はもっと余裕を持たなくてはと思っています。
私たちが慣れていないからかもしれないけれど、他の輸入をしている人からも「聞いたことがない」と言われることが時々起こります。
今回は、今まで18金だったペン先が突然、ファーストモデルと同じ14金になってきました。
当店の輸入を請け負ってくれているアジアンロードの岩田さんが、現在休暇中のウォールエバーシャープのCEOに連絡を取って、事情を聞いてくれました。
説明によると、18金だと柔らかすぎて、すぐに開いてしまったりヘタってしまう可能性があるという意見が顧客から寄せられたので、それを受け入れて仕様変更したとのことでした。
私たちはコストダウンを謀ったのだと最初非難したけれど、メールのやり取りやフェイスブックでの自然な発言を見ているだけでも、万年筆を愛していて、商売的に器用に駆け引きのできる人でないことはわかっていました。
彼の言葉を信じて、改めて14金のニブの書き味と向き合ってみました。
もともと硬めのゴールドフレックスニブにおいてはほとんど変わりがありません。怖いくらいに柔らかかったスーパーフレックスニブは硬くなっていましたが、その代わり扱いやすくなっていました。
今までのとろけるような柔らかさがなくなったのは残念ですが、筆圧で強弱をつけて書いた時に、ある程度粘りがあった方が開いた後の戻りが早くて、適しているという話は聞いたことがあります。
それはまさにウォールエバーシャープが目指していることでした。
ウォールエバーシャープデコバンドは、ただ文字を書くための普通の万年筆ではないと思っています。
この万年筆なら、筆圧で強弱をつけて、メリハリのある文字が書ける。
同じインクを入れるなら、他のものと同じ仕様ではなく、少しコツもあったりするけれど、楽しみながらインクを入れることができる仕様にしよう。
そんな一つ一つの行為を楽しむことができる、そして持っていることが楽しい、趣味のための万年筆がウォールエバーシャープデコバンドだと私は思っています。
*WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)商品ページcbid=2557105*WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)商品ページcsid=1″ target=”_blank”>*WAHL-EVERSHARP(ウォール・エバーシャープ)商品ページ