
4月下旬に仙台でのイベント「文具事変in仙台」に参加しました。590&Co.の谷本さんが知人の文具店や作り手さんに声を掛けて集めた10店舗による小規模なイベントでしたが、たくさんのお客様が来場されて驚きました。
天気にも恵まれたし、近くでクラフトフェアも行われていましたので、日程もよかった。そして何より参加者の皆さんが文具事変の告知の努力をしてくれていたからなのだと思いました。
イベントが終わって後片付けを終えたら、最終の飛行機には間に合いませんので、翌日の夕方に仙台を発つ便を取りました。半日ほどの時間、当店の森脇、590&Co.の谷本さん、590&Co.の手伝いをしていた作家のHさんとの4人で、参加者さんたちの荷物を送りだした後、仙台の文具店を見て回りました。
仙台の文具店は、数は多くはないけれどそれぞれの店が充実していて、見応えがありました。
Googlemapで表示された文具店を巡っていると、ドイツで文具店を巡った時のような懐かしい気持ちになりました。
仙台駅から少し離れた町にも文具店がありました。ドイツではわざわざまわり道して行ったのに空振りということがよくありましたが、空振り覚悟で思い切って行ってみました。
店内に入って筆記具のウインドーを見ると、思いがけないものを見つけてしまいました。
S.T.デュポンのディフィというペンが好きで、ボールペンをいつも使っています。
ディフィにはボールペンとシャープペンシルを装備したマルチファンクションペンというものが短期間だけ存在していましたが、気付いた時には廃番になっていました。
もともと複合筆記具(業界ではそう呼びます)が好きで、好きなデザインのディフィで複合筆記具なんて惹かれないはずがありません。
廃番なので難しいとは思いながらもデュポンジャパンさんから在庫リストが届くたびに確認していましたが、在庫が戻ることはありませんでしたし、昨年ル・ボナーの松本さんと谷本さんとドイツに行った時もお店に入るたびに見ていましたが、どこにもありませんでした。
ドイツの店にもなかったフランスのペンが、仙台にあるとは思ってもいなくて、他のものを見るのも忘れてすぐにディフィマルチファンクションペンを購入しました。
愛用している正方形のダイアリーの革カバーにはペンホルダーがあって、いつもS.T.デュポンディフィのボールペンを差しています。
ダイアリーに細々と書き込むのは万年筆で書き込みますが、ToDoを忘れないうちに書いたり、仕事中に急いで書く時はペンホルダーに差したディフィで書きます。
ダイアリーのペンホルダーに差して持ち運ぶというのは、私にとって最も華やかな役割です。当然、最も好きなデザインのペンがそこにあって欲しいので、最近はずっとディフィのボールペンがセットされています。
正方形のダイアリーはしっかりした紙質なので、ボールペンで書いても筆圧が軽ければ大丈夫ですが、強く書くと跡が残ってしまいます。
Teriw The Matt(テリューザマット)さんとコラボして作った正方形のテリューザマットをいつも正方形のダイアリーに挟んでいて、ボールペンで書く時は硬い面を上にして書くようにしています。
ひっくり返すと柔らかい面があって、そちらは万年筆筆記の時に使っています。
ディフィも正方形のテリューザマットも、私にとって気に入って使っている一番華やかな存在です。
デフィのマルチファンクションペンを手に入れて思いましたが、探し求めていたペンは100本のペンでもその存在にはかなわないものだと思いました。
次回の「ペン語り」は5/23(金)の更新になります。