綴り屋万年筆とオリジナルペン先

先週、590&Co.さんのイベントスペースで綴り屋作品即売会を開催しました。

昨年まで、万年筆をお買い上げいただきましたお客様には、当店まで移動していただいてペン先調整をしていました。

でもいくら近いとはいえ不便だし、この暑さは大変だと思い、590&Co.さんに私も同席して万年筆のペン先調整をさせていただきました。

私が調整テーブルを構えていることで会場が狭くなってしまったので、どちらがお客様にとってよかったのか分からないけれど、私は小ぢんまりとしてそれぞれの話が聞こえる、一体感のあるいいイベントだったと思いました。

考えてみると日常的に出入りしているのに、590&Co.さんで調整などの仕事をしたことがありませんでした。でも初めての試みとは思えないくらい自然に、もともとの居場所のようにいることができました。

アーチザンショートなどのスモールサイズの万年筆以外の、アーチザンや静謐(せいひつ)、漆黒の森などは当店オリジナル14金ペン先をセットして販売しています。

オリジナル14金ペン先で今ご要望が多いのは「上弦の三角研ぎ」です。

これは今までの「三角研ぎ」の角を落として、筆記面も滑らかな弧を描くように仕上げたペン先です。

三角研ぎは筆記角度によって線の太さの差が大きく、メリハリが出てとても実用性の高いものですが、上弦の三角研ぎは角度やペン先の向きを気にせずに滑らかな書き味が得られるという特長があります。

その形状通りの滑らかな書き味が得られるペンポイントの研ぎだということが、お客様の感想をお聞きして改めて確認できました。

今回は、イベントに合わせて新たに14金ペン先が入荷しましたので、未研磨のイリジュウムの玉がついた、ペンポイントが大きなペン先もご用意できました。

真ん丸の大きな玉がついていますので、どんなふうにでもできますし、使っているペンに大きなイリジュウムがついているのを見るのも嬉しいものです。

初期状態の真ん丸のイリジュウムのまま(実際は引っかかりが出ないように面取りのようなことはしています)しばらく使ってから、三角研ぎや研ぎ出しなどの何らかの研ぎを依頼されてもいいと思います。当店でお買い上げいただきました万年筆で、1万円以上の新品の万年筆は1年間再調整無料の調整保証書をおつけしていますので、何らかの研ぎをお申し付けいただいても1年以内でしたら料金はかかりません。

そして綴り屋さんのイベント後に仕入れたものが少しあります。

アーチザンコレクションと静謐です。静謐は綴り屋さんを代表する存在のペンで、完成度の高さを感じます。

アーチザンコレクションブライヤーは、ブライヤーの皮の部分を残した仕様で、よく考えつかれたと思います。野生味がありながら、静謐のような造り込みも感じられる、とても独創的な万年筆です。

イベントにはまだ決まった形というものが見つかっていないけれど、お客様に楽しんでいただけるものにしたいと思っています。

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