休みの日やちょっと出掛けたりする時の男の持ち物はそんなに多くない。
カフェでの時間があったり、電車の中で時間を持て余して、何か書き物をするかもしれないと思って大判のノートを持ち歩いたり、読むかもしれない単行本を持ち歩くというイレギュラーはあっても、決まって持って出るのは財布、携帯、手帳、万年筆の4点セットだと思います。
ル・ボナーのポーチピッコロに財布、携帯、手帳とともにSOLOに万年筆を1本入れて持ち歩くようになりました。
1本だけ、たとえ使わなくても自分を象徴するような、自分の代表的な万年筆を持って出るということが潔いのかもしれないと思うようになりました。
使う予定のない万年筆は持って出ない方がカッコいい。
このペンケースSOLOは、兵庫区和田岬の工房“IL Quadrifoglio(イル・クアドリフォリオ)”の久内ご夫妻が作っています。
フィレンツェでご主人の淳史さんは靴工房で、奥様の夕夏さんはフィレンツェ伝統のしぼり技法の革小物工房でそれぞれ修行されましたが、夕夏さんが修行していた工房ではシガーケースも作っていました。
昨年ベラゴの牛尾さんに久内さんご夫妻を紹介していただいて、当店でお会いした時に万年筆に関連したものを作ろうという話になり、シガーケース型のペンケースを作ることになりました。
そこから試行錯誤が始まり、久内さんは2度程試作品を作って下さいました。
シガーも万年筆もそれほど変わらず、コロナサイズのシガーなどは大きめの万年筆(例えばペリカンM1000など)とほぼ同じサイズですが、最大の違いはその重さでした。
シガーを入れても問題なくても、万年筆を入れると自然と胴が下がって抜けてしまう。
蓋と胴の合いの強さをコントロールする精度がお二人の仕事に要求されましたが、木型を修正して、勝手に抜けることなく、手で引っ張ると良い具合に抜けるように仕上げて下さいました。
ペンケースSOLOの最大の特長は、ムラ感のある色気のある色合いだと思っています。
ナチュラル色の革に顔料で色を重ねていくフィレンツェ伝統のパティーヌ技法によってそれは仕上げられています。
定番色は5色ありますが、今後この色で様々なものを企画していきたいと思っています。
SOLOペンケースに入る万年筆は、ペリカンM1000、モンブラン146、ペリカンM800よりも細いものです。アウロラ88、オプティマなどは、クリップの出っ張りが大きく少しきつい感じです。
受注生産で納期は3週間いただいていますが、先日のイベント用に作成して頂いたものが少量ありますので、「要在庫確認」となっているものはすぐにお送りできます。ぜひご覧下さい。