9月23日で当店は開業から丸6年が経ち7年目に入ります。
39歳で始めた仕事で、その時の自分を今から思うと考えの足りない若造だったと思いますが、例えば今から5年後に今の45歳の自分を振り返って、あの頃は本当に未熟だったと言えるようになっていたい。
少しずつでも成長していきたいとは、いつも思っています。
でも今から6年前の自分やこの店の状態などを振り返るとよく今まで続いてくることができたと思います。
それほど今から思うと、当時の自分も店も貧弱でした。
貧弱だというのは、品数が少ないということと少し違っていて、夢を追い求めて万年筆店を始めましたという気持ちだけで、お客様にこの商品を買ってもらいたいというメッセージがなかったということで、お客様に助けられたという以外の何ものでもありません。
さすがに6年経って何となく形のようなものができて、サマになったこともできてきたように思います。
全てがオリジナルとは言えないけれど、他所ではなかなか買うことができない腕の良い職人さんたちが作る革製品や、銘木にこだわった工房楔の木製品を一番多く揃えられるようになったのも、初めから意図していたわけではなく、たまたまの出会いがそのように導いてくれたと思うと、本当に恵まれていたと思うのです。
ノートやダイアリーのサイズもいろいろ試行錯誤してきました。
分度器ドットコムさん、大和出版印刷さんとともに企画したオリジナル正方形サイズのノート/ダイアリーは、独特の罫線レイアウトや万年筆で書きやすいリスシオ1紙の存在により、多くの人に愛用していただいてもらっています。
WRITING LAB.のノート/ダイアリーのサイズをB6と定めたのは、B6サイズが一番モノとして魅力のあるサイズだと思ったのと、開いて持っているところがとても美しく見えるサイズだと思ったからで、WRITING LAB.らしいサイズの決め方だと思っています。
B6サイズ用ノート/ダイアリーカバーテクチャーシリーズには、3種類の革があり、それらの革の違い質感で選んでいただくように黒のみで作ってみました。
ブライドルレザーは白いロウが表面に塗られていて、2か月も使い込むとロウが革に染み込んで艶が出る。もともと馬具に使われるような丈夫な素材です。
ベルーガはソファなどの家具によく使われる革です。手触りが良く、柔らかいのに強靭な性質で、いつまでもきれいな状態で使うことができるでしょう。
ナッパCBはイタリアの名タンナーバタラッシィがなめした革で、使い込んでいくと艶が出てくるエージングする革です。
規格のB6サイズに合わせていますので、B6サイズのノートやダイアリーなどのその選択はかなりあるだろうと思います。
更にA7サイズのメモ用ジョッターも付属しています。
WRITING LAB.のサマーオイルメモノートの紙を半分に2つ折りして使うこともできますし、A4サイズを8つ折りにしてA7になりますので、ミスコピーの裏をより活用することができます。
このカバーにはB6サイズの表紙幅を少し短くしたWRITING LAB.オリジナルノートも3冊付属しています。
横罫に2本のマージンを入れた独特の罫線をノートは、メインのノート、ダイアリーとともにカバーに差し込んで、サブノートとしてお使いいただけるようにしています。
カバーの製作は当店の近くにアトリエを構える革職人ベラゴの牛尾龍氏が製作していて、以前よりWRITING LAB.として牛尾氏と共同作業をしたいと思っていましたので、やっと実現することができました。
6周年を前にまた出会いを形にすることができました。