身の回りの書類はほとんどがA4サイズなので、ファイルなど紙を収納するものは、A4サイズだけあればいいと思っていました。
しかし持ち運んで使う紙類、ノートや原稿用紙、レポート用紙などにはB5サイズがまだまだありますし、携帯性と筆記スペースの確保などのバランスを考えるとB5サイズを見直すべきだと思うこともあります。
当店で万年筆を試し書きしていただく、専用の試筆紙があります。
これには万年筆本来の書き味を確かめていただけるように、自然な質感を持った紙を選んでいます。
大きすぎず、でも筆記面をしっかりと確保したB5サイズで、長辺に天のり加工をして、横型で使っていただけるようになっています。
1冊300円という価格もあって、これをメモ用紙代わりに持ち歩いている方が結構おられることは以前から知っていました。そこで、表紙のない試筆紙をきれいな状態で持ち歩くためのものがあればいいなと思っていました。
京都山科のインディアンジュエリーショップ、リバーメールの駒村氏との昨夏から始めた企画WRITING LAB.の活動(異業種でアイデアを出し合いながら、少しずつそれらを商品化する)の中で試筆紙や原稿用紙を収めて携帯することのできる革封筒が出来上がりました。
上質な色気のある革ヴォーノアニリン革をなるべくシンプルに仕立てて、先に商品化しているサマーオイルメモノートと同じ世界観を持たせることが出来たのでとても気に入っています。
革を切り放して貼りあわせただけに見える革封筒ですが、素材、シンプルに見せる作りなどにこだわっています。
手触りの良いものを使いたいけれど、それだけではなくしっかりとした素材でないと口の部分がかっこ悪く広がってしまう。
ステッチを使って縫ってしまうと奥まで紙が入りにくくなってしまう。
シンプルな封筒形状は実用的にもとてもメリットのあることだと思っています。
私は最近、なるべく原稿用紙を使いたいと思っていて、綴じられていない原稿用紙を保管したり、持ち運ぶものに苦慮していました。
しかし、この革封筒ならB5サイズのバラ原稿用紙をスマートに持ち運ぶこともできますし、大学ノートなら3冊くらいならまとめて入れておくことができる。
紙の封筒ならたくさんありますし、PP製の袋状のファイルも市販されています。
そういったものの代わりになるものを上質な革で作ってしまうのがWRITING LAB.の考え方です。
個人的な活動である思考を豊かにしてくれるものであるけれど、他人から見た時のイメージを大切にしたい。
そしてそのものについて語り合えるものを作りたいと思っています。