工房楔の遊び心

工房楔の遊び心
工房楔の遊び心

工房楔のイベントが終わって、しばらく経ちます。
いつも何かニュースを用意してくる永田さんの探求心と創造性に感心しています。
イベント後に仕入れたたくさんの商品を見ながら、触りながら、お客様とゆっくりその魅力を味わっています。
永田さんの木製品を大きく2つに分類すると、工房楔を始めた時から追究している杢を表現するものと、独自のアイデアを込めた遊び心のあるオリジナリティのあるものとに分けられると思っています。
杢を表現するものとしては、パトリオットボールペン、当店とのオリジナル企画である万年筆用ボディこしらえ、万年筆ケースコンプロットなどが挙げられます。
それらのものは工房楔の永田さんにとってステーショナリーの形をした、杢を表現するためのキャンバスであると私は思っています。
杢の美しさ、面白さを手軽に知ってもらうために、永田さんはペンを銘木で作ることを始めて、それは今でも工房楔の代表的なものになっています。

もうひとつ遊び心のあるステーショナリーは、永田さんの発想力とそれを実現する行動力によって生み出されています。
それはカッターナイフであり、鉛筆を長いままで使うことができるペンシルエクステンダー、トゥラフォーロ、トンボノック消しゴムのカスタム軸で、今回新たに2㎜芯ホルダーと三菱3機能ジェットストリーム用銘木グリップが加わりました。
銘木グリップは、普段の仕事でも使う機会の多いプラスチックの3機能ペン(3色ボールペンまたは2色ボールペン+シャープペンシル)に装着できるものです。
この楽しさは使ってみるとすぐに分かり、普通のボールペンを全く違うものにしてくれます。
アルミ削り出しのパーツのしっかりとした質感と木の手触りが感じられて、これほどまでの変わるものかと不思議な気持ちになりますが、侮れない小品だと思います。

2㎜芯ホルダーは、遊び心という言葉だけでは片付けられない本格的な作り込みを感じます。
ステンレス削り出しパーツはノックバーまでにも及び、普及品の芯ホルダーと変わらない形のクリップまでも流用ではなくオリジナルパーツにしています。
ストレートな端正な姿、2パーツに分かれた木部は同じ材から取って木目を合わせてあり、相当なこだわりが貫かれています。
機構は最もシンプルでスタンダードなドロップ式になっていて、芯の出方を好みの長さにすることができます。
ドロップ式の特長は他にあり、芯詰まりがしにくい点で故障の起こりにくい最も信頼できる機構だと思います。
しかし、そんな実用的なメリットよりも、しっかりと作り込まれたこだわりを追究した2㎜芯ホルダーは永田氏の本気の遊び心が込められています。