工房楔イベント 9月24日(土)25日(日)開催

工房楔イベント 9月24日(土)25日(日)開催
工房楔イベント 9月24日(土)25日(日)開催

年2回恒例の工房楔のイベントを9月24日(土)25日(日)11時から開催いたします。
通常当店で在庫していない、たくさんの木製品を工房楔永田さんが持ち込んでの開催となり、木目などもお好みのものをお選びいただけます。どうぞご来店下さい。

当店は9月23日(金)で開店9周年を迎えます。大きな後ろ盾もなく、組織にも属していない当店でも今まで何とかやってくることができたのは、当店の力になってあげたいと思って下さったお客様方のおかげです。
そして、当店と同じように自分の道を自ら切り拓いてきた独立系の職人さんたちが商品を供給してくれているからだと思っています。

世の中の構造や慣習などからは一線を引いて、自分たちのポリシーで物づくりをしていく独立系の生き方は誰からも干渉されないけれど、守られていないということにもなります。
約束された仕事があるわけでもないし、大きな販売ネットワークもない。
その代わり自分の仕事を始めるのも終わらせるのも、何もかも自分の意思で決めることができる。
そんな独立系の生き方を仕事のやり方として選んだ職人さんたちの作品は、当店においてそれぞれ品揃えの柱のようになっていて、それによって店も締まるし、売上においても大きな力になっています。

工房楔も書くことを楽しむというテーマを掲げる当店の中において、それに添いながら、銘木やその杢を楽しむという楔のテーマを満たしたものを供給してくれています。
工房楔の商品は本当にたくさんの種類があるけれど、発売当初より大変人気なのは「ジェットストリーム用銘木カスタムグリップ」で、私も気に入って使っています。
混んだ電車の中など、万年筆よりもボールペンで書いた方がいいと思う時はブラックウッドのグリップをつけた3機能のジェットストリームボールペンを使います。
傍目から見ると普通の事務用3色ボールペンですが、手に当たる部分は銘木の滑らかな手触りで、自分にしか分からない上質さを感じながらガシャガシャとノックするのは何とも気分の良いものです。
500円くらいのボールペンに4000円のグリップをつけて、これは安いと思っているのはもしかしたら普通の感覚ではないのかもしれない。
でもこれが工房楔の木製品に惹かれる人たちの感覚なのだと思います。

全く同じ形のパトリオットボールペンの価格が5500円から3万円近くまであって、値段の違いがボディの材質の違いで、機能的には全く関係がないというのもまた文房具的ではなく、工房楔の感覚なのだと思っています。
永田氏は今回のイベントに向けて、暑い中毎日作品作りのために工房にこもってくれています。
今回は新しいネタがないと言うけれど、コンプロット1もイベントでしか販売することができていないし、新型のクローズドエンド万年筆もまだわずかしか製作していない。
こしらえの真鍮パーツ仕様もまだ目新しいし、ジェットストリーム用グリップもまだまだ人気があると思うので強迫観念に迫られて新作を作らなくてもいいのではないかと思っています。

仮に用途が同じでも、材質や杢が違えばそれはまた違うものであるという感覚が、銘木のステーショナリーを楽しむということで、今回のイベントもまた違う素材、美しい杢との出会いがあると思います。