手を加えることを拒むモノ~SkyWind exhibition vol.2と神戸派計画新プロジェクトKoNCREAT

手を加えることを拒むモノ~SkyWind exhibition vol.2と神戸派計画新プロジェクトKoNCREAT
手を加えることを拒むモノ~SkyWind exhibition vol.2と神戸派計画新プロジェクトKoNCREAT

SkyWindさんのイベントが昨日から始まり、11月10日(木)まで開催しています。
普段SkyWindさんの作品として、写真のポストカードやコラージュのミツロウ引きブックカバーを販売していますが、イベントでは額装した大判の写真作品とコラージュ作品の販売もしています。

心を動かされた風景を他の人にも見てもらいたい、自分が美しいと思ったこの色を気付いてもらいたいと思ってSkyWindさんが撮った写真作品をポストカードなどの用途のある製品として販売していますが、それらはSkyWindさんのそれぞれの被写体への想いが込められている「作品」だと思っています。
それらはそれで完成されていて、私たちが後から手を加えることを許さない威厳を持ち合わせている。
私たちはSkyWindさんの世界観に共感して、彼女がファインダー越しに見た風景を手に入れたいと思う。

大和出版印刷さんのステーショナリーブランド神戸派計画の新しい試み、神戸にゆかりのあるクリエーターをデザイナーに採用したKoNCREAT(コンクリート)も手を加えることを許さない作品をステーショナリーに仕立てています。
第1弾は文庫サイズノートで、表表紙、裏表紙全体に描かれている作品が不動の威厳をもって存在している、力強さを感じるノートになっています。
中身は全て5mm方眼罫になっていて、万年筆でも書き味の良い紙をさりげなく使用しているシンプルな仕様です。
それぞれの作品は特徴的で、各クリエーターの持ち味、世界観を発揮したものになっています。

八木保氏は色や視覚だけのデザインではなく、モノに触れて得た感覚を大切にしてきた世界で活躍するアートディレクターです。このノートでもそんな八木氏のリアリティを大切にする方針が表れていて、そこに存在するかのような高精細な写真を使用したものになっています。
青木亨氏のメッセージは力強く、このノートをただのノートとは思わせないものにしています。プライドが言った「無理、不可能」、経験が言った「リスクが高すぎる」、理性が言った「やっても意味がない」、心が小さく囁いた「やってみよう」。
チャレンジする背中を押してくれるメッセージが大きく書かれた、心の支えとなるノートになっています。
写真家丸山貴央氏は、透明な空気の中に力強く存在する花を真正面から捉え、独特な彩色を施した作品になっている、ファッショナブルで、インテリアの一部として机上を彩ることを意識したようなノートに仕上げています。
サトウヒロシ氏は、万年筆インクの柔らかな発色を活かした心癒される花の作品を描いています。
私たちは万年筆で、こんなにも美しい色を使っていたのだと気付かせてくれる、万年筆愛用者としては無視することのできないノートです。

菅原仁氏は、神戸派計画のデザイナーでもありますが、神戸派計画のシンプルで冷静さを追究した製品とは違い、自然から得たインスピレーションをエネルギーに情熱をほとばしらせたものになっています。個人的な内面を表現したものとして、このノートが一番絵画に近いのかもしれません。

どの作品も力のあるメッセージを持ったものになっていて、各クリエーターが力を注いで1冊のノートをデザインしたことが分かります。
手を加えることを拒んでいる完成されたもの。

SkyWindさんの作品とKoNCREATのプロダクツ、どちらもそんな言葉が浮かんできて、一緒に紹介したいと思いました。

⇒SkyWind ポストカード
⇒SkyWind ミツロウブックカバー