当店でシステム手帳リフィル筆文葉のデザインをしてくれていた、かなじともこさんが独立し、メーカーとして筆文葉を販売していくことになりました。
ロゴは当店のものから、かなじともこさんのものに替わっていますが、内容は変わらずに作り続けていきますし、当店でも扱い続けますのでご安心下さい。
当店としては、かなじともこさんを囲い続けて、筆文葉を当店だけのオリジナル商品として販売し続けた方が目先のメリットはあったかもしれませんが、かなじさんの才能を当店のオリジナル商品のデザイナーにだけしておくのはもったいない。筆文葉も当店のオリジナル商品とだけしておくのはもったいないと思い、独立を勧めました。
メーカーとして独り立ちした筆文葉はもちろん、筆文葉という今まで力を入れて販売してきたオリジナル商品を失った当店もそれに代わる取り組みをしなければいけないので、お互いに正念場を迎えています。
独立の発表とともにかなじともこさんが筆文葉の新作を発表しました。
フレックスダイアリーはフォーマットがキッチリと決まった今までのダイアリーとは違う、自由に使いこなせる可能性を持ったダイアリーです。
このダイアリーをどうやって使いこなすのかは、デザイナーから出題されたパズルを解くような感覚で、それは筆文葉リフィル全てに言えることかもしれない。
自由度の高いフォーマットに自分なりの使い方が見えたら、他に代わるものがないと思います。
同じく新作の万年筆ジャーナルは、筆文葉の中でも異色かもしれません。枠がキッチリと決まっていて、その中に情報を落とし込んでいく。
自分の持っている万年筆について万年筆ジャーナルに書き込んでいく作業はなかなか楽しいと思います。
万年筆ジャーナルに書き込むネタの提供というのも何ですが、ペリカンからM800ベースの限定万年筆ストーンガーデンが発売されました。
M800は力強い万年筆です。繊細なタッチとか微妙なインクの濃淡、書ける線の美しさはこのペンの担当ではなく、いつ書いても、どのインクを入れても同じように書けるタフさがこのペンの特長です。
それは私たちが道具としての万年筆に求める性能の一番はじめに求める要素なのではないかと思います。
自然に握って楽にて書けるバランスの良さもM800の良いところですが、実は万年筆を使い始めたばかりの頃、M800の書き方がよく分からなかった。
キャップを尻軸に差して書くのが正解だと言われているけれど、当時の私にはどう握っても、どうしてもキャップの方が重く感じられました。
結局キャップを外して書くことでM800を愛用することができるようになりましたが、いつの間にはキャップをつけたバランスの方が書きやすく感じるようになりました。
自然に握ったときこれ以上ない良いバランスに感じられるペリカンM800ですが、そうなるのに少々慣れがいることは身をもって経験しているので、根拠なく最も優れたバランスの万年筆だと言っているわけではありません。
ペリカンは今年、創業180周年を迎えていて限定品の発売も多く、様々なものが発売されています。
今月はこのストーンガーデン、来月はM600ヴァイブラントオレンジの発売が予定されています。
どちらの万年筆も万年筆ジャーナルにご記入いただいて、購入店として当店の名前が記されたらいいなと思っています。