「”&” in 横浜」とビスコンティフェア

今週末5/14(土)15(日)は横浜で590&Co.さんとの共同出張販売「“&” in 横浜」を開催しています。

出張販売には私が一人で行きますので、店は通常通り営業しています。店では5/14(土)~29(日)ビスコンティフェアを開催いたします。

フェアの内容は、ビスコンティヴァンゴッホ以上のペンをお買い上げの方にマイペンシステムでの天冠のオプションをサービスでお付けするというものです。

”マイペンシステム”というのは、天冠のロゴマークの部分に、イニシャルなどのアルファベットや宝石のようなレジンに付け替えて、オリジナル仕様にできるというものです。

ビスコンティが操業して40年が経ちました。

初期の限定万年筆の中には伝説の万年筆工房加藤製作所のものもありました。

加藤製作所は、古くから行われていたセルロイドを轆轤(ろくろ)でひくという製法で万年筆を作っていた、大阪市生野区の万年筆工房です。

若い頃、加藤製作所の加藤清さんを何度も訪ねてお話をうかがって、ビスコンティの話もうかがっていましたので、遠いイタリアの万年筆メーカーでありながら、勝手に親近感を持っていました。

世界で話題になって業界を驚かせたビスコンティの万年筆を、実は日本の大阪にある町工場で一人の職人さんが作っていたというのは痛快な話です。そんな職人さんたちとの交流で、色々な事を教わりました。そして今自分は万年筆の仕事をしています。

加藤清さんは、80年代に入って日本での万年筆需要が下火になった頃、中東での販売に切り替えるなど世界を視野に入れて活動されていました。その姿は今の自分の感覚からすると、かなり先に行っているパイオニアだと思います。

ビスコンティとは、海外での取引を求めて出品していた世界的なステーショナリーの展示会で出会ったそうです。

日本のセルロイド万年筆作りを採用していたビスコンティの万年筆作りは常に進化していると思って見てきました。

ペン先の素材の変遷がそれを象徴していて、最初は14金と18金のペン先でしたが、10年ほど前からより柔らかい書き味を求めて、パラジュウムを採用しています。

パラジュウムペン先はとても柔らかく、この書き味を好むお客様もたくさんおられましたが、近年また18金とステンレスに変わっています。デザインへのチャレンジが目立つビスコンティですが、書き味にもこだわって探究していることが分かります。

ビスコンティの万年筆を大きく3つのシリーズに分けてお話いたします。

ヴァンゴッホに代表される、ゴッホの絵画に着想を得て、カラフルなアクリルレジンをボディにしたシリーズ。

キャップがマグネットでロックするという斬新な構造になっていて、ペン先はステンレス製で手頃な値段になるように設定されています。そして絵画のように美しく、様々なバリエーションのボディカラーがあります。

ホモサンピエンスは、尻軸を引き上げて押し込むことで、一気に大量のインクを吸入するダブルタンクパワーフィラーの吸入方式を採用しています。古くからの万年筆好きにはとても魅力的に感じられるシリーズで、私は一番ビスコンティらしさを感じています。

キャップの開閉もネジをグルグル回す仕様ではなく、軽くひねるだけで開閉ができる画期的なキャップ構造になっていて、スマートに書き始めて書き終えることができます。

黄金比をデザインに取り入れた美しいディビーナシリーズは吸入ノブを引き出し、そのノブを回転させることで、インクを吸入する凝った作りになっています。

ビスコンティの万年筆もイタリアの美と遊びの追究を形にしたもので、オーソドックスな万年筆では物足りなくなった人にも、ぜひ使っていただきたいです。

*準備が出来次第、WEBでもご紹介予定です