入荷時にチェック・調整した万年筆を座って試し書きしていただいて、選ばれたものをその方の書き方に合うようにペン先調整してお渡しする、ということが当店のスタンダードです。
創業以来そうしてきて、それが当たり前だと思ってきました。
でも中には人前で字を書くことが嫌な人がいるかもしれないし、調整済の万年筆は使ってみたいけれど気軽に買えないと思っている人もいるかもしれません。
6/4(土)に参加予定のNANIWA PEN SHOWでは、調整済の万年筆を気軽に買えるようにしようと思いました。
今回はツイスビーのECOとダイヤモンドクリア、新製品のダイヤモンドホワイトローズゴールドを調整してご用意しました。
ツイスビーはばらつきの少ない厳しい検品体制をとっていますが、メーカーでは許容範囲内として出荷されるペン先のわずかな食い違い、ペン先とペン芯の隙間などを細部まで調整して、一番良い状態にした万年筆を箱に入れたまま販売します。お客様はそれをレジに持って行くだけで、ご購入していただけるようにしています。
細部にこだわって調整したペンはやはり滑らかな書き味で、きっと喜んでいただけるだろうと思っています。
ペン先調整の需要の多さは日々感じています。それはペン先調整のために当店に送られてくる万年筆の数や、調整のお問い合わせの多さに表れていて、お客様方から求められていることだと思います。
ペンショーというたくさんの人が行き交う場所では、ゆっくり座って万年筆を試し書きをしていただくということに限界があると思っていました。そこでペンショーらしい万年筆の販売方法として、調整済み万年筆のつるし販売をしてみたいと思いました。
これによって、私は神戸で店をしながら、ペンショーで二人のスタッフだけでも当店らしく万年筆を販売できます。
ツイスビーは先日円安の影響による値上げがありましたが、そのコストパフォーマンスの高さはまだまだあります。
最も安価なECOは雑貨感覚で使える手軽な万年筆で、今までの豪華で重厚な万年筆の価値観とは違った軸にいる万年筆です。雑貨感覚とはいえ、日本語にも合っているペン先と思います。
これから万年筆は、こういう雑貨感覚なものと、ジュエリーのような装飾性やステイタスを追究したものとに二極化していくのかもしれません。
ダイヤモンドはバランスの良さと、柔らかい書き味の大きなペン先を持つ本格的な万年筆です。今の万年筆の価値観の中でツイスビーとして最良のものを目指したものがダイヤモンドだと私は思っています。
ペンショーでは使ってみたいと思われる万年筆を気軽に買っていただけたらと思います。
NANIWA PEN SHOWは当日準備して、オープンし、当日撤収するという各店舗体力勝負になりそうなタフなイベントで、当店も気を引き締めて臨もうとしています。