先日中国に行ってきました。この度新たに製作していただいた当店オリジナルペン先と、今後発売予定のオリジナル万年筆がどんなところで作られているのか、上海の万年筆工場を視察するためでした。
上海の浦東空港まで代表のスーさんと工場長のシャーさん、通訳のTさんが迎えに来てくれました。
帰ってきて思うのは、単なる視察で終わらず、短期留学と言ってもいいような学び、気付きも得られたということでした。
仕事のことなど遠慮せずに何でも言ってくれるスーさんとシャーさんとの親交も温めることができました。
飾らない彼らの中国での日常にも触れることができましたし、心を込めてもてなしてくれながらもお客様扱いしすぎずに対応してくれ、居心地の良さを感じました。
代官山の出張販売から、綴り屋さんの漆黒の森と静謐万年筆には当店のオリジナルペン先を付けるようになりました。
世界の人たちがターゲットだと考えた時、やはり日本的なモチーフ、それも格調高い、良い軸に見合ったものが必要でした。万年筆という精神的な支柱にもなるものに相応しいペン先にしたいと思いました。
当店のオリジナルペン先の図案鳳凰はそんな想いを込めてデザインしたもので、良いものができたと思っています。
当店はやっと自分たちのものだと言える、自分たちの調整を象徴できるペン先を手に入れることができました。
エボナイトペン芯を装着したしっかりした書き味の14金のペン先は、初期状態で長刀研ぎに近い形状に研ぎ出されていて、漢字の国のペン先の研ぎになっています。私はこの研ぎの形状からアジアらしさを感じて、同じアジア人として嬉しくなりました。
研ぎの形状は当店でいくらでも変えることができますので、パイロット風に丸く研いだり、ヨーロッパ風に四角く研ぎ出すこともできます。
綴り屋さんの軸に当店オリジナルペン先をつけた姿は、別々の場所で作られたものとは思えないほど調和しています。
モノ作りにすでに国境はなくなっていて、多くのメーカーが他産地で作られたパーツを組み合わせて万年筆を作っています。それが現代のモノ作りのあり方で、中国はそれを黒子になって支えている。
当店のような後発の店にとって難しい日本でのモノ作りですが、若い人がこだわりなく付き合ってくれる海外の会社の存在はとても有り難い。
気が付いたら当店にも世界のモノ作りその流れが来ていました。今までできなかったことができるようになって、明るい気持ちで取り組んでいます。
綴り屋さんの作品販売会を8/24(土)、25(日)に590&Co.さん店内で開催します。
万年筆をお買い上げの場合、ペン先装着、調整は歩いて3分の当店内で承ります。
10時~15時は予約制ですが、15時以降はフリータイムとなりますので、ぜひこのタイミングで実物をご覧下さい。
↓590&Co.さんでご来場のご予約も承っています。ぜひご来場よろしくお願い致します。⇒予約サイト(590&Co.)
*オリジナルペン先を装着した受注生産万年筆朧月の受注締切は8/25(日)までになります。そちらもよろしくお願いいたします。