
オリジナル万年筆「コンチネンタルクラシックインスピレーション1985」(以下コンチネンタル1985)は、軸とペン先ユニットは別々に入荷します。
14金のペン先ユニットはペン先、ペン芯などもバラバラの状態で、ペン先は当店の基準に合うように研ぎ直し、ペン先とペン芯が密着するように調整しています。
一日中ペン先調整をしている日もありますが、調整したペンに喜びのお言葉をいただくと嬉しくて励みになります。私が当店を始めたきっかけはこういう生活がしたかったからなので、とても幸せなことだと思っています。
最近金属アレルギーになってしまい、メガネをかけてマスクをして調整するようになりましたが、それくらい何とも思いません。
オリジナル14金ペン先は、イリジウムの大きさが4種類入ってきて、その形をそのまま生かしたり、極端に細くして国産のF程度に研ぎ出しています。

FはパイロットのFのように細く丸いペンポイントに仕上げて、どの角度で書いても細く書けるようにしています。
イリジュウムの下の絞り込みが寝かせて書いても細く書けるポイントですが、海外の研ぎはたいていコレがありません。

海外のものは標準としたもので、立てないと細く書くことができませんが、書き味は良くなります。

三角研ぎは書いていて文字に変化が出るのでとても面白く、書くことを楽しむためのペン先だと思っています。普通の研ぎと筆記感、筆跡が違うと思っているので、F以上の字幅に三角研ぎも設定しました。
特に親指側(右利きの人は左側)にペン先をひねって書くと細い筆ペンのような文字を書くことができます。

ペン先の鳳凰の図案は、日本的なモチーフにしたかったのと、個人的に万年筆で最も大切なパーツであるペン先には神が宿るということをずっと信じているので、それもモチーフで表現したかった。
神が宿ると言っても特定の神様のことを言っているわけではなく、書き味の良いペン先には、日本人的な感覚の神様がいると思えるくらい他の万年筆とは違った書き味を持っているということを象徴的に表したいと思いました。
軸はレジンを扱うメーカーで廃番になっていたものを、この万年筆のために再生産してもらい製品化することができました。
今回の万年筆を吸入式にすることもできましたが、吸入式にすると軸が太くなりキャップの尻軸への入りも悪くなるので、コンバーター式にしました。
更に軸が透明の方が内部のインクを確認することができるため実用性が高いと思いました。琥珀模様の軸は透明でありながら質感の高さも併せ持ったものだと思います。
たくさんの字幅、ペンポイントの仕上げの違いがありますが、さらにスタブ加工や極細への研ぎ出しなど、オーダーも承ることもできますので(ご購入時のオーダー調整は無料です)、何かございましたらぜひお申し付け下さい。