シガーケース型ペンケースSOLO新作

シガーケース型ペンケースSOLO新作
シガーケース型ペンケースSOLO新作

1本差しのペンケースを突き詰めれば専用ケースということになるのだと思います。
それがペンを1本だけ収納するということであり、ペンケースがただペンを収納する入れ物ではなく、万年筆で書くということ、持つということを演出するものに昇華したひとつの形なのではないかと思いました。

シガーケース型ペンケースSOLOにアウロラオプティマやドルチェビータ専用のものを作ってはどうかというアイデアは、IL Quadrifoglio(イル・クアドリフォリオ)の久内淳史さんがSOLOでもっと遊んだらどうなるかという、WRITING LAB.の駒村さんからのお題で思い付いたアイデアでした。

久内さんは当店と関わる前からアウロラの万年筆を持っていたし、最近もデルタの美しい万年筆トスカーナを手に入れていて、実は万年筆にとても興味を持っています。
私のようにいつも万年筆で何かを書くことを考えているタイプとは違い、万年筆をいかにかっこよく演出できるかを考えるのに最適な人なのかもしれないと、イタリアでの修行で、靴作りの技術やセンスだけでなくイタリア人のライフスタイルも身に着けた彼を見ながら思います。

きっと万年筆を1本だけ入れるペンケースとはどういうことかを考えて、自分ならこういうものが欲しいというものを考えてくれたのだと思います。

アウロラの万年筆のプロポーションが私も以前からとても好きでした。
太さはペリカンM800やモンブラン146などのレギュラーサイズの万年筆くらいあるけれど、丈が短めになっている。
実際の寸法よりも太く見えるキャップを閉じた姿。
そういったプロポーションはモノとしてとても魅力があります。

愛らしいキャップを閉じた状態のアウロラですが、そのボディの短さのせいで、ペンケースに入れると全体が沈んでしまい、取り出しにくいと思った経験のある人はたくさんいると思いますし、球形のクリップが意外と膨らんだ突起のようになっていることにも思い当たる人は多いと思います。

それらのアウロラの特長的なサイズを収めることができるペンケースSOLOが、先日のイベントでお披露目となりました。

アウロラのマーブル模様を模したパティーヌ技法による色つけは、中に入っている万年筆を予感させるもので、面白いアイデアだと思いますし、出っ張ったクリップはクリップを通す切り込みで対応しています。

アウロラは昨年末、名作ダンテをカラーリングを変えて復刻させたダンテインフェルノや、久々に新色として使いされたオプティマブラックパールなど話題性もあり、面白いコラボレーションだと思いました。

同時にクリップの出っ張りが邪魔でSOLOに入らなかったドルチェ・ビータミディアム用や、パイソンやリザード革を使ったシリーズなどが生まれました。
シガーケース型ペンケースSOLOがシンプルな単色のモデルからイル・クアドリフォリオの特長がやセンスが表れたものへと発展し始めています。

*画像は久内氏製作のオーダー靴と、同革で作られたSOLO「タピーロ」です
⇒SOLOはこちらから

~古いデザインを現代のメカニズムで~ ペリカンM101Nリザード

~古いデザインを現代のメカニズムで~ ペリカンM101Nリザード
~古いデザインを現代のメカニズムで~ ペリカンM101Nリザード

様々なご意見、ご見解があると思いますが、ビンテージの万年筆には魅力を感じるけれど、安心して使うことができないと、どうしても思ってしまいます。

それは万年筆でなくても、例えばトヨタ2000GTがデザインそのままで、現代のエンジンなどのメカニズムで復刻したらとても人気が出ると思うように、古いデザインにはとても魅力を感じるけれど、それを道具として使いたいと思った時には、中身は新しい方が安心して使うことができるということになります。

そんなお客様が多くおられたのだと思いますし、ペリカン自身もその需要を確信したのでしょう、2000年頃の100シリーズの限定復刻からペリカンは自社の往年のモデルを限定品として復刻しています。
2000年に復刻された1931ホワイトゴールドには心奪われて手に入れて使っていますが、最もよく使う万年筆のひとつです。

ビンテージの万年筆の魅力に柔らかい書き味というものがありますが、復刻された1931ホワイトゴールドは硬めのペン先がついています。
これを嫌って、オリジナルのペン先と交換したりしている人もいますが、私はこの硬さの中にも素材の良さからくる味のようなものを感じて、書き味にも魅了されています。

古いデザインをそのままに現代のメカニズムで復刻する限定品のシリーズは、2003年の1931トレド以降途絶えていましたが、2011年にM101Nトータスシェルブラウンが発売されました。
コンパクトで紳士の小品的趣きのある100シリーズに対して、101N シリーズは1937年に100をさらに使いやすくするために大型化されたもので、さすがに握りやすく、軽く使いやすい万年筆だと思いました。

定番のスーベレーンとは違うペン先のフィーリングも柔らかめで、軽い101N のボディと合っています。

トータスシェルブラウンに続いて、今年M101Nリザードが発売されます。
キャップ、ボディ全面のリザード(トカゲ)柄は独特の存在感があります。
海外ではコブラ柄と言われることもあり、巳年にこの柄の万年筆が発売されるのは、偶然なのか、それとも蒔絵など東洋の美に理解のあるペリカンが意図して発売を今年に合わせたのか。

万年筆店店主の割には所有する万年筆が20本というのはあまり多い方ではないと思います。
それは私がコレクションとして、万年筆を所有しているのではなく、手紙やノート、手帳書き、原稿書きなどの用途があって、実用のものとして全てを使っているからなのだと自分で思っています。

万年筆を使い始めて20年くらい経って、気持ちが動いたもの、この万年筆ならどんなものが書けるのだろう。きっと自分の仕事を良くしてくれるだろうというように、新たな万年筆への好奇心が芽生えたものだけを手に入れてきたのが20本でした。
そんな20本の中にペリカンの万年筆が4本あります。
数ある万年筆メーカーの中で、これは比率的に多いと思いますが、それはペリカンが限定品であってもコレクションのためのものではなく、実用心を刺激する万年筆をいつも作っているからなのだと思います。

ペリカンは3月にM800茶縞を発売します。こちらのご予約は、メール penandmessage@goo.jpにてお申込みください。

IL Quadrifoglio のイベント開催(1月12日・13日)

IL Quadrifoglio のイベント開催(1月12日・13日)
IL Quadrifoglio のイベント開催(1月12日・13日)

独立して仕事をしようとしている人にとって、その人の成功を願って応援してくれる人の存在は必要不可欠です。
人脈を紹介してくれたり、商品を供給してくれたり、あるいは作っているものを扱ってくれたり。
私もそういう人に恵まれて、多岐に渡る分野の人を紹介してもらったし、商品を供給してもらいました。
その応援があったから店を始めることができたし、今もこうして続けていられる。店を始めて5年が経って、応援したいと思う人に出会うことが何度かありました。
それほど力にはなれていなけれど、心から応援したいと思い、ともに良くなっていけたらという想いで一緒に仕事をさせていただいています。

イル・クアドリフォリオの久内さん夫妻にも私は心から彼らの成功を祈って応援したいと僭越ながら思っています。
イル・クアドリフォリオの作品にももちろん魅力がありますが、いつも皆を楽しい気分にさせてくれる明るさ、人柄の良さに周りにいる人たちは楽しい気分にさせられる。

彼らは私が持っていないものを持っていて、とてもまぶしく感じるし、彼らが大好きな仕事でずっと生きていけたらと願っています。
それはWRITING LAB.を一緒に企画している駒村さんも同じ気持ちで、お二人に出会った時、何か一緒にやりたいと思ってWRITING LAB.として話し合って、アイデアを出し合ってできたのがシガーケース型ペンケースSOLOでした。

最近はあまり見なくなりましたが、以前は海外のメーカー数社からも発売されていたシガーケース型のペンケース。でもそれらとは少し雰囲気の違うものが出来上がりました。
幸いSOLOは多くの人に使っていただいていて、イル・クアドリフォリオの名前が万年筆の世界でも知られるきっかけになったと思います。

私も自分にとってとっておきのペンであるオリジナル万年筆「Cigar」を入れて、仕事の日も休みの日もサニーゴールド手帳のネタ帳とル・ボナー3本差しペンケースとともに、ル・ボナーのポーチピッコロに入れて持ち歩いています。

SOLOはCigarには少し大きく、ペリカンM1000やモンブラン149などがちょうど良く収まるサイズですが、そういうことはあまり関係なく、これだけのペンケースに合う万年筆はCigarしかない、あるいはこれだけの万年筆に合うペンケースはSOLOだけだと思っています。

最近、私の場合は書くということは欲望に近いのではないかと考えるようになりました。
書くことが好きという感じではなく、書くことは快感を得られるものだから、書きたくなる。
書くことは文化的な行為だからそれが好きな自分は文化的な人間かもしれないと少し思っていましたが、それは大きな間違いで、自分の書くという行為はとても本能的なものかもしれない。
そして、本能的であるからその行為に上手いも下手もなく、自分にとっての快感をひたすら追い求めて書き続ける。
書くという行為が人間の根源的な欲によるものであったなら、万年筆はその欲による行為をさらに気持ちよくしてくれる道具だということになり、それそれで辻褄が合っていると思いませんか?

欲望による行為である書くということをより気持ち良くしてくれるのが万年筆なら、ペンケースなどその関連するものはそれを演出する、よりムードを高めてくれるものに他ならない。
ただペンを収納するだけの革製の入れ物というだけでは寂しすぎる。

フィレンツェ伝統の絞り技法によるペンケースSOLOは1本しかペンを入れることができない贅沢な仕様で、日本の製品の中では異色な、欲望を美しく演出してくれる種類のものにひとつだと思っています。
もちろんSOLOに続くものも作っていかなければなりませんが、SOLOをベースとした遊びを久内さんたちは始めていて、1月12日、13日のイベントで発表してくれるようです。

2012年のペン語りはこれで最後になります。今年1年も私が欲のままに書いた文章をお読みいただいて、心から感謝しています。
来年は、もう少し読みやすく、良いものにしていきたいと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。

手入れのしやすさと丈夫さの魅力 ル・ボナーペンケース

手入れのしやすさと丈夫さの魅力 ル・ボナーペンケース
手入れのしやすさと丈夫さの魅力 ル・ボナーペンケース

革小物の手入れはなかなか疎かにしがちですが、してみると楽しいものだといつも思っています。
わりとすぐにきれいな艶を取り戻してくれるということも楽しい理由かもしれません。
特にブッテーロ革は、手入れをしているのとしていないのとではその様相は大きく違い、手入れをすることで非常に美しく仕上げることができます。

ル・ボナーの松本さんから教わりましたが、油分を多く含んでいるブッテーロ革にはオイルを加える必要はなく、ブラシ掛けか革用の布で磨く。あるいは傷が激しく目立ってきたら濡らした布を堅く絞って水拭きするというのが適したお手入れの仕方です。

私が最近気に入っているのは革用のブラシを掛けることで、ブラッシングすることで光を帯びたキラキラした粒が立ったような表面になりとてもきれいです。
ブラシ掛けでも布で磨いても傷が消える、あるいは目立たなくなるのもブッテーロの特長です。
ブッテーロの革質はコシがあって、張りが出るので厚く使えば丈夫な革製品を作ることができるというところもあり、その良さを生かしたもののひとつにル・ボナーの3本差しと1本差しのペンケースがあります。
万年筆が好きになったからこのペンケースを作ることができたのか、このペンケースを作りたいから万年筆に傾倒していったのか分らないけれど、万年筆好きの鞄職人として有名なル・ボナーの松本さんが鞄作りでも持ち続けているこだわりで作ったペンケースです。

全部分厚めのブッテーロ革を背中合わせに2枚重ねに貼り合せていますので、かなり硬く中のペンを保護してくれる頑丈な構造になっています。
フラップ部も最初は硬めで、馴染むのに少し時間がかかるけれど、それは頑丈さの表れだと私は好感を持っています。
ペンケースには様々なものがあって、ギュウギュウとたくさんの荷物がひしめく鞄の中に安心して放り込めるのはこのペンケースだけだと思っていて、持ち運び用のペンケースとして頑丈さと手入れのしやすさを持った安心して使うことができるものです。

3本差しならペリカンM800やモンブラン146などのレギュラーサイズのものまで、1本差しにはドルチェビータピストンフィリング、モンブラン149、ペリカンM1000などのオーバーサイズのものまで収納することができます。
このペンケースが発売されて5年が経ち、それは当店が開店した年月と重なります。
開店したばかりで、オリジナル商品や特徴に乏しかった当店において、このペンケースは六甲アイランドのル・ボナーさんか当店にしか置いていない言わばオリジナル商品で、このペンケースを目指して当店に来られたお客様も少なくありませんでした。
ル・ボナーさんにとってこのペンケースはなくても困らないものだったけれど、当店にとってはこれがない状態は考えられないものだった。
開発にお金や労力もかなりかかっているし、希少な絞り技法を有する職人さんも探さなければいけなかったはずだけど、松本さんはそんなことを何も言わずただ嬉しそうにこのペンケースを紹介してくれて、全色1つずつ貸してくれました。

当店はこのペンケースと共に歩んで来たところがあり、個人的にもとても思い入れのあるもので、それらのことを私は忘れてはいけないといつも思っています。

⇒ル・ボナーステーショナリートップgid=2125743″ target=”_blank”>⇒ル・ボナーステーショナリートップ

寒さに強い万年筆

寒さに強い万年筆
寒さに強い万年筆

若い頃、家の中がなぜかいつも寒かった記憶があります。
ファンヒーターやエアコンなど便利に使える暖房器具がなく、暖をとるものはコタツが中心だったからなのか、石油ストーブがいつも空だったのか、忘れてしまったけれど。
その反動からか、暖房が必要以上に、あるいは暑いくらいに焚かれていないと心細くなるという性質になってしまいました。
暖房をつけない家では風邪をひきにくい体が丈夫な子供になるかもしれませんが、変なところにその反動がくるのだと自分で分析しています。
寒さが苦手なのは私だけでなく万年筆もですが、寒さに強い万年筆の話です。

万年筆で一番やっかいで、ほとんど唯一のトラブルとも言えるものが、インク漏れです。
最近ではペン芯やボディの構造がしっかり設計されたものが多くなっていますので、書いていて自然にポタリとインクが落ちる、夏目漱石が癇癪を起こしたと言われているようなことは起こりにくくなっています。
しかし、冬にはまた違う理由でインクが漏れる状態に近いことが起こります。
開けるたびにキャップの中にインクが付いているとか、ペン先の根元辺りにたくさんのインクが滲んでいるというようなご相談を集中して受けるのが、冬の間や冬が終わったばかりの時です。

万年筆のインクタンク内がインクで満たされていれば問題ありませんが、インクが減っていて、インクタンクの中にインクと空気両方が入っている場合、冷たい外気に冷やされたタンク内の空気が暖房と手の温もりによって温められて膨張して、インクを押し出します。
これはどの万年筆でも起こりうることですが、ペン芯の設計が新しいと起こりにくいし、ボディが比較的太めのものでは起こらないことが多いと言われています。
どんな万年筆でも、冬場に万年筆を持ち運ぶ時はなるべくペン先が上に向くように固定して、ちょっとしたショックでペン先やペン先の根元に滲んでいるインクが落ちないようにする工夫はされた方がいいと思います。

素材から見た場合、冬でもインク漏れがしにくい万年筆は、ボディが木製やエボナイト製の万年筆です。
それらは温度の伝わり方が緩やかなので、インクタンクの中が急に冷えたり、温まったりしにくい。外気温を内部に伝えにくいので、万年筆内部の温度がある程度安定していると言われていて、同じサイズのボディで木製とエボナイト両方の素材を揃えた2本の万年筆をご紹介します。

パイロットカスタム845はエボナイト素材に漆塗りのボディの万年筆です。
上記の理由で万年筆のボディに適した素材であるエボナイトですが、紫外線や熱、乾燥の影響で変色しやすいという欠点があります。
これを解消したのが、エボナイトに独自の仕上げをして漆を塗るという技術です。
パイロットはこれを80年以上前に確立していて、万年筆に使ってきました。
エボナイトのボディに漆を塗った延長線に蒔絵の万年筆があったと思うと、その発明が日本の万年筆を世界に知らしめたのだと言えます。

カスタム845の大型の18金のペン先は、バネのような弾力があって、高い筆圧でハードに書かれる方でも安心して使うことができるもので、この万年筆が趣味の道具だけではない酷使にも耐える実用の道具であるということ物語っています。

同じペン先を備えた万年筆にカスタム一位があります。
カスタム845と同じプロポーションの万年筆ですが、こちらはイチイの木を圧縮して、目の詰まったものにしており、強度の確保と、手触り良くし、汚れが染み込みにくくしています。
表面加工をしていない自然の木の触感のままなので、使い込んだり、磨いたりして艶を出していく、育てるような楽しみも併せ持ったものになっています。

万年筆には厳しい季節である冬を難なく乗り越えることができる、おそらく実用的には国産最高峰の実力を備えたカスタム845とカスタム一位。
国産ということは、品質的には世界に通用することを誰もが確信していて、国産の万年筆について、特にパイロットについては私たちは顧みないといけないと思うようになりました。

冬だけでなく、1年中愛用していただきたい2本の万年筆からは、メイドインジャパンの誇りが感じられます。

⇒パイロット カスタム845

考えの断面を記す「サニーゴールド手帳」

考えの断面を記す「サニーゴールド手帳」
考えの断面を記す「サニーゴールド手帳」

手帳には黄金バランスがあって、縦:横が2:1になっているものがそれだと思っています。
そのサイズ感から考えるとAやBの規格のサイズは少し横幅が広すぎる。あるいは縦が短すぎる。
片手で持って、立ったまま書くことができる、手の平に収まる横幅でないといけないので、あまり大きすぎないものがいい。
横幅10cmくらいのものが理想で、縦は20cmということになります。
最近そんな手帳の黄金バランスを持った手帳が少なくなっているような、あったとしてもあまり顧みられていないような気がしています。

例えば文庫本サイズのノートが非常に多くなっていますが、これは縦横比が2:1ではありませんので、手帳というよりも小型のノートということに(私に言わせれば)なります。
他にも惹かれる理由はありますが、理想的な手帳の黄金バランスを持っているということで、ライフのサニーゴールド手帳はずっと気になっていました。

ライフのハードカバーノートや手帳、日記帳の装丁の強さ、平らに開く機能にも絶対的な信頼を寄せています。
そういった基本的な仕様を持った量産品でライフに勝るものはないと思っているほどです。

お客様の大和座狂言事務所のK女史の3年連用日記を見せていただいて、ライフの製本の強さに驚きました。
3年連用日記を3年間毎日欠かさずつけられて、たくさんの切り抜きなどを貼って倍以上の厚さに膨らんでいるにも関わらず、製本にまったく乱れが生じていませんでした。
これなら3年どころか、5年でも、もしかしたら10年でも使うことができるかもしれないと思いました。
合成皮革の表紙も、安い革を使うくらいなら合皮の方が丈夫で良いものを作ることができる、というライフのポリシーがあって使われていることを聞いたことがあります。

誰かから聞いたり、本などを読んだりして感じ入った話、あるいは突然頭の中に浮かんだ考えの芽などを今までダイアリーの片隅に書いていました。
それは時系列で並んでいて、後から探すことも可能ですが、時間の経過とともにダイアリーの中に埋もれてしまうような気がしてもったいないと思っていました。
そういった何かのヒントになる、自分にとってとても大切な言葉や考えの断片を書く専用の手帳、ネタ帳のようなものを作ろうと思った時にサニーゴールド手帳を使いたいと思いました。

1ページが30行になっていて、5行ごとに太い罫線が引かれている、1ページが6つに分割されている独特の罫線は、フリーダイアリーとしても使うことができるように工夫された罫線ですが、ちょっとした考えの断片を書くのにちょうどいい間隔でした。
紙質もとても良く、にじみや裏抜けがまったくありません。
今この手帳の罫線を少しずつ埋めていくことが楽しくて仕方なく、一冊埋めつくしたら、自分にとってとても大切なものになるだろうと思います。
でも44年も生きてきたのだから、もっと早く始めたらよかったのにとも思うけれど。

⇒ライフ「サニーゴールド手帳」

カンダミサコA5ノートカバー(Pen and message.オリジナル仕様)

カンダミサコA5ノートカバー(Pen and message.オリジナル仕様)
カンダミサコA5ノートカバー(Pen and message.オリジナル仕様)

本当に良いノートカバーができたと思いました。
表はシボのあるシュランケンカーフ、内側は手触りの良いブッテーロ革で、とことんこだわった妥協のないものになっていて、皆様にお伝えでき喜びを感じています。
ただノートをカバーするだけのものだけど、素材にこだわって、丁寧に作られたものがこんなに美しいカーブを持ち、程よい重みと張りによる使う喜びを演出してくれるものかと、気付かされた一品です。

シュランケンカーフは、キメが細かく柔らかいカーフを薬品で縮れさせることで、緊密なシボのある硬めの傷に強い革に加工したもので、長く美しく使うことができながら、その使用に馴染んでくれる素材です。
内側のブッテーロは返しをサイズいっぱいにとって、前後ろの両表紙をしっかりさせる下敷き的な役割を持たせて筆記しやすくしています。

このしっかりした表紙の恩恵は思った以上に大きく、立ったままなど不安定な状態はもちろん効果を発揮しますが、机に向かっている時でも書きやすさを感じていただけると思います。
ペンホルダーやベルトなど、カバーを作る時に装備したくなる特長となるものを排したことで、そのカバーして書くという基本性能の高さとそのものの良さが強調されています。
良いものはやはり、シンプルであるということが絶対的な条件なのだと思いました。

このA5サイズノートカバーはカンダミサコさんがもともと作っていたものですが、その形をシュランケンカーフにした当店オリジナル仕様になっています。

厚手のノート、ライフのノーブルノートを収めるために作られたものですが、エイ出版が理想のノートを追究したSOLAシリーズの紙表紙のノートとダイアリーも収納することができます。
こういった革製品はバラバラの色や素材で持つよりも、トータルで揃えたものを持ちたい。少しずつ揃えていく喜びがある方が楽しいと私は思っているので、当店オリジナルペンレスト兼用万年筆ケース、A7メモカバーと同色、同素材にしています。

ペンレスト兼用万年筆ケースは、当店スタッフ久保が手製で作って自分で使っていたものがそのまま形で商品化したものですが、本当に多くの方に愛用していただいています。
机上で使う時は、フタをペンの枕のようにしてすぐ取り出せる状態にでき、持ち運ぶ時はフタを閉じてペンを保護しながら脱落も防止できるという二通りの使い方ができます。
万年筆を使われている方々の実際の使用に合った便利なものということで、ご愛用いただいているのだと思っています。

A7メモカバーは、多くがちょっとした言葉の断片だったり、一言だけだったりするアイデアの素であるメモをスマートにとれる、ポケットにコンパクトに収めることができるもので、コクヨなどのA7サイズのメモ帳を収めることができます。
発色の良い色もラインナップに加えていますが、あえて黒にこだわって革の表情を唯一の模様としたところに、このシリーズの実用を追究したものの、誇りある選択を感じていただければ嬉しく思います。

*初回発注数があまりにも少なかったため、受注製作ということになり、カンダさんの製作日程との都合でお渡しが2月以降になっています。
誠に申し訳ないのですが、ご予約で承りますのでメールでお申し付け下さい。
どうぞよろしくお願い致します。


⇒A7メモカバー(Pen and message.オリジナル仕様)
⇒ペンレスト兼用万年筆ケース

WRITING LAB.革製インクケース「CADDY(キャディ)」発売

WRITING LAB.革製インクケース「CADDY(キャディ)」発売
WRITING LAB.革製インクケース「CADDY(キャディ)」発売

こういうものを作ってみたいと思っていました。

ライティングラボで、イル・クアドリフォリオに依頼していたインクケースが出来上がりました。
昨年末のシガーケース型ペンケースSOLOについてライティングラボとイル・クアドリフォリオの久内さんご夫妻と話し始めた時には、インクケースのアイデアは生まれていたので、何度か奥様の夕夏さんが試作品を作ってくれていました。

このインクケース作り込みの途中で、久内さんご夫妻はボローニャに革の買い付けに行かれたのですが、そのイタリア行きが、インクケースの完成においてとても重要だったことが、お二人の話から分かりました。

たまに更新される久内さんたちのフェイスブックやブログ
http://ilquadrifoglio.blog53.fc2.com/ では、カフェでポーズを決める、私は外見も中身もほとんどイタリア人だと思う久内さんの様子ばかりを見ていましたが、実はしっかりフィレンツェの師匠の元もお二人は訪ねていて、夕夏さんはペンケースSOLOやインクケースの試作を見てもらって、アドバイスを受けて来られたのです。

そして、お二人がイタリアから帰ってくると、最終の試作から飛躍的な進歩をとげた完成度の高いインクケースが出来上がっていました。
なくても全く困らないものだからこそ、完成度を追究して、美しいものを作って欲しいと思っていました。
爆発的に売れるものではないかもしれないけれど、これは自信を持ってお勧めできるものだと誇らしく思っています。
中に入れるインクは、当店オリジナルインクやWRITING LAB.オリジナルインク クアドリフォリオなどです。

クアドリフォリオのインクの名前を決めた時は、その場に久内さんたちもおられて、お二人を含めた全員一致でこの名前に決まりました。
イタリア行きで久内さんたちは、仕事の意欲をさらに高めてきたようで、作ってみたいと思うものもたくさんイメージすることができたそうです。

資金がなくなるまで革や金具、道具を買い込むことができたイタリア旅行は、久内さんご夫妻とベラゴの牛尾さん、有名靴職人のSさんという4人での旅で、かなりハードスケジュールだったそうです。

2年前にル・ボナーの松本さん、分度器ドットコムの谷本さんとともに行ったヨーロッパ旅行のように、疲れても楽しい旅行だったと想像しています。

知り合って1年になり、久内さんたちのことが少しは理解できてきた、久内さんと夕夏さんの面白さがやっと分かってきたような気がしています。

久内さんはずっと何か気の利いたことを話していて、頭がいつもフルパワーで回転している。それに対して、夕夏さんはとても無口で、何か内に秘めているようなミステリアスな印象を受けます。
でも実はそれほどシリアスなことを考えている訳ではない息抜きの名人で、私と同じ人種。
そんなお二人の作る物をまだまだ揃えたいと思っています。

私が久内さんにオーダーした靴も仕上がってきて、これから履き込んで久内さんに報告して、靴作りに役立てていただきたいし、私の2足目を作っていただけることがあればそれにも役立ててより完璧なものを目指したい。
お二人と当店、そしてWRITING LAB.とのお付き合いはまだまだ続きます。

⇒WRITING LAB.革製インクケース「CADDY」

大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売

大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売
大和出版印刷「orissi (オリッシィ)」 発売

ドップリとその世界の中にいると、一方向からしか物事を見なくなってしまい固定観念に囚われてしまうことは、今まで何度も経験してきました。

でも意識的に見方を変えるようにしても、それにはなかなか訓練が必要なことだと常々思っています。
私たちに与えられた材料は限られていて、それを同じ切り口から切っているとマンネリ化してくる。
でも同じ素材でも切り口を変えると新しいものになる、それが今回新しく大和出版印刷が神戸派計画というブランド名で発売したメモ帳「orissi」(オリッシィ)を見て改めて思いました。

orissiは買い物メモに特化したメモ帳です。
その特長は見てお分かりいただけるようにページ左側のギザギザです。
このギザギザは罫線の高さと合わせてあって、書いたリストのものを買い物カゴに入れたら(購入したら)、ペンで消しこんでいくのではなく、左の山を折っていく。
出先でペンを持っていなくても、印をつけることができるという、たいていはペンを持っている私たちには思いつかないアイデアが込められています。

万年筆店を営む者として、いかに多くの人に万年筆を使っていただこうかと日頃考えていますので、こういうペンがないことが前提のものは絶対に思いつきません。
でも実際、買い物に出た時にペンを持っていることはもしかしたら少ないのかもしれません。
メモ帳を仕事で使うことばかり考えてきましたが、もっと日常に使えるものも必要だと思います。また、万年筆を愛用されている旦那さんがペンに興味のない奥様にお土産で買って帰っていただけるものが当店にあってもいいと思っていましたので、当店のお客様とはターゲットが全く違うけれど、この orissi とても面白い思っています。

万年筆でとても書きやすいリスシオ・ワン紙を使用した製品を発売して、紙製品メーカーとして名前が知れ渡り始めた大和出版印刷が、メーカーとしてさらなる魅力作りを図ってデザイナー菅原仁氏に協力を仰ぎ、生まれたのが「神戸派計画」というブランドです。

先に発売されたリスシオ・ワン紙を使用した実験的な試みの白罫線のノート「CIRO」に続いて発売されたのが、これも実験的な試みだと思うけれど、ペンを持ち歩かない人がターゲットになっている「orissi」。

常に前に進むことを考える大和出版印刷の姿勢が現れている企画で、私個人としては、切り口を変えて考えることを改めて思い出させてくるれものだと思いました。

⇒神戸派計画「折ってチェックするメモorissi(オリッシィ)」

River Mail マンスリーダイアリーカバー ~ISHIBE KOJI~

River Mail マンスリーダイアリーカバー ~ISHIBE KOJI~
River Mail マンスリーダイアリーカバー ~ISHIBE KOJI~

仕事の方法を選択する時に、感覚的に好きな方を選びたいけれどそれはあくまでも感覚的なものだから、それを選択する理由を人に上手に説明できない。
理論的だったり、数字の裏付けがあったりの常識的な正論に対して、こちらの方が好きだからということを言い出せずにいました。

それはあまりにも子供っぽい、幼稚な思考だと自分の中の常識的な部分がブレーキをかけていたのだと思います。
でも中年と言われる年齢になって、面の皮が厚くなったのかもしれないけれど、好きだからという感覚的決断でも堂々としていようと思えるようになりました。
理論的に正しかったり、数字的な裏付けがあったとしても、そんな選択は誰もがすることだし、そのロジックが自分たちに当てはまるとは限らない。
それなら自分の感覚で判断した方が、失敗しても後悔しないのではないかと思います。

京都山科のRiver Mailの駒村氏と一緒にWRITING LAB.を始めたのもそんなただ一緒に何かしたいと思ったからという、まるで友達付き合いの始まりのような感じでした。
二人が組む理由を営業的なメリットやインディアンジュエリーとステーショナリーの融合などと説明をつけようと一応は努力はしたけれど、何か白々しい感じがする。
何せ始まりは「何となく合いそうだった」というものだったので。
今はそれも堂々と言えるけれど、始めたばかりの頃は何かお客様に説明しないといけないのではないかと思ったりしていたのです。

駒村氏は、当店、分度器ドットコム、大和出版印刷が共同で企画したオリジナルリスシオワンマンスリーダイアリーをWRITING LAB.の革封筒の中に薄いダイアリーを書類と一緒に入れたり、ベルルッティのブリーフケースに入れたり、ボロボロの手提げ紙袋に入れて使っています。

本当はウィークリーダイアリーやデイリーダイアリー、全てを使っていただきたいけれど、マンスリーダイアリーだけを愛用されている方は、多いと思っています。
あの薄さは荷物にならなくてとてもいいし、紙面のサイズはそれなりに大きく、薄さに対しての情報量が多いのです。
予定をチェックする時に見開き1か月のカレンダータイプはとても便利だと思います。
マンスリーダイアリーの愛用者の駒村氏が、自分が使いたいという理由でベラゴの牛尾さんに依頼して完成したのが、リスシオワンマンスリーダイアリー専用カバー ISHIBE KOJI です。

石塀小路は、京都高台寺近くのとてもきれいに整えられた雰囲気のある小道で、この京都らしい家並み、石畳の石塀小路はとても京都らしい場所だと思います。

ベラゴ牛尾さんがとても手間がかかると嫌がったダブルステッチ、薄く表情が出る程度に留められたパティーヌ技法による色付けなど、とても上品なものに仕上がっていて、アパレルの業界に身を置いてきた駒村氏のセンスと、もともと繊細で美しい作品を作ってきた牛尾さんの技術が融合した、ぜひ使ってみたいと思わせてくれるものになっています。

マンスリーダイアリーを愛用してくださっている方のためのカバー ISHIBE KOJI、私の企画ではないけれど私も誇りに思っているカバーに仕上がっています。