WRITING LAB.オリジナルインク2013“ビンテージデニム”

WRITING LAB.オリジナルインク2013“ビンテージデニム”
WRITING LAB.オリジナルインク2013“ビンテージデニム”

万年筆のインクの色はその人の美学というか、標榜する世界観のようなものが表れるものだと思っています。

そこまで大袈裟でなくても、選択できる範囲の中で自分が良いと思うものを選んでいるわけなので、やはりそういうことなのだと思います。
インクの色には本当に人それぞれ好みがあって、こればかりが売れるというものは非常に少なく、ペリカンロイヤルブルー、モンブランロイヤルブルーなどの超定番のものくらいです。

それだけそれぞれの人がご自分の個性を反映した色を選ばれているということの裏付けになっています。
インクの色はお店にとっても、自分たちの世界観を表現するにもとても都合の良いもので、多くのお店から本当にたくさんのオリジナルインクが発売されています。
何が都合が良いのかというと、インクの色、名前、ラベルに自分たちのセンスのようなものを込めることができるからで、それぞれのお店のコンセプトに賛同して下さるお客様がそのインクを使われる。
他のお店のオリジナルインクや万年筆メーカーのオリジナルインクではなく、当店のオリジナルインクを使っていると言われると、無条件に嬉しくなります。

昨年からWRITING LAB.でもオリジナルインクを企画しました。
昨年の色“クアドリフォリオ”は革小物、オーダー靴工房IL Quadrifoglio(イル・クアドリフォリオ)の久内さんたちとWRITING LAB.の出会いを記念したような四つ葉のクローバー色のインクでした。

結果的に明るすぎず暗すぎない緑色で、そういう色を探されていたお客様が多く、多くの方の賛同を得られました。
2012年の色としたにも関わらず、いまだに製作リピートを繰り返すことができています。
今年は、ビンテージのリーバイスとオールデンの靴をメインのワードローブにするRIVER MAILの駒村氏の提案でビンテージリーバイスの色をインクで表現したものを作りました。

デニムと万年筆のインクというあまり組み合わされることのないものですが、万年筆をカジュアルにスマートに使いたいと願うWRITING LAB.らしさが表現できていると思っています。
ビンテージデニムのように濃い藍色でありながら、ムラ感もある。
そんなことがインクで表現できるのかと、製作依頼をしながらも思っていましたが、インクブレンダーの石丸治さんは、濃い藍色なのに濃淡が出るものを本当に作ってくれました。まさにデニムの感じをインクの色で表現されています。
デニムと万年筆とは違う世界のもののように思われますが、万年筆をさりげなくかっこよく使うことを提案したいと思っているWRITING LAB.の目指すものを分りやすく表していると思っています。

ビンテージデニムと例えばオールデンのコードバンの靴がとても良い相性で、行き着く所まで行ったかっこよさなのと同じように、万年筆とデニムの組み合わせにこだわらないこだわりのかっこよさを感じます。

⇒WRITING LAB.オリジナルインク「ビンテージ・デニム」