宮城県の支局で新聞記者をしている従弟が結婚することを知り、何かお祝いを父と一緒に贈ろうということになりました。
その従弟とは歳が離れているので、一緒に遊んだりした記憶があまりありませんでしたが、佐久市の薪ストーブのある家彼の家から元気に小学校に通う姿はよく覚えています。
伯母の葬儀で昨年川上村に帰った時、久し振りに会いました。
スカッとした、とても感じのよい大人になっていて、清清しいものを感じました。
とても忙しい毎日を送っているようで、めったに佐久市の実家にも帰っていないようでしたし、通夜の時も大きな部屋の片隅でパソコンを開いて仕事をしている姿を見ました。
そんな彼の結婚の記念に万年筆を贈りたいということは、父から言い出しました。
そういえばその従弟が新聞社への就職が決まった時、父はラミー2000ブラックウッドのボールペンを贈っていて、新聞記者には筆記具を贈るのが新聞記者を兄に持つ父の流儀のようでした。
万年筆選びを任された私はペリカンM420が頭に浮かびました。
葬儀の時、村から1時間も走らないといけない火葬場へ、彼のビュンビュン飛ばす運転のBMWで行き、その印象もあってドイツ製のものにしたいと思いました。
新聞記者は万年筆で原稿を書いている余裕などなく、パソコンのキーボードに向かっていることの方が多いと思いますが、書くことの象徴である万年筆を贈ることはとても相応しいと思えましたし、やはりM420が彼にとても似合うと思いました。
M420はスターリングシルバーのキャップと尻軸、プレキシグラスの黒ボディで、合わせるとしたら黒いスーツに合う、シャープな印象で、茶系のスーツに合うと思われるキャップ、尻軸がバーメイル、ボディが黄色っぽいトートイス柄のM450の外観とは対照的な印象になっていますが、書き味、バランスなど実用的には同じ仕様になっています。
M800やM1000ではなく、少し小振りだけどアクセサリー的な要素もあるM420を選んだのは、従弟にあると思われる洒落っ気から、真面目なM800よりもM420の方を好むと思ったからでした。
万年筆はその実用性だけでも特別なものに感じますが、それは文房具であると思っています。
しかし、M420のように、キャップがスターリングシルバーになっているようなデラックス版は選ばれる時点で違う、特別感の強いものであると思っています。