LAMYのボールペン

手前からペルソナ、ラミー2000ブラックウッド、ラミー2000タクサス

今はインポリウムという名前になっていますが、ラミーペルソナというボールペンを20数年前に購入しました。
誰かの餞別にあげてしまいましたが、万年筆も持っていました。

マリオ・ベリーニのデザインが気に入っていたのですが、ボールペンの書き味が私にはやや重く感じられて、いつの間にか使わなくなっていました。
当時S.T.デュポンディフィや三菱鉛筆ジェットストリームなど油性ボールペンの低粘度インクのものが登場して、ボールペン新時代の幕明けとなっていましたが、その流れにラミーは乗れていない感じでした。
ペリカンもファーバーカステルも同様でしたが、どちらの替芯もヨーロッパ標準とも言えるG2規格でしたので、ディフィ芯やジェットストリーム芯に交換すれば軽く滑らかに書けるようになります。
(話は逸れますが、最近ディフィ芯の口径に若干の仕様変更がされていて、S.Tデュポンのボールペン以外にディフィ芯が使えなくなっていました)
しかし、ラミーのボールペンは専用規格のボールペン芯を使用していますので、入れ替えて使うことができませんでした。

しかし、一昨年三菱鉛筆がラミーを買収して、ラミーのボールペンに使えるジェットストリーム芯が発売されて状況が変わりました。
書き味が万年筆のように軽く滑らかになったことでお客様にもお勧めしやすくなりましたし、個人的にはラミーペルソナの美しいボールペンを毎日の仕事で使っています。
ラミー2000のボールペンは自然で美しい形をしていて、多くのボールペンのお手本になっているのではないかと思っています。さらに書き味も良くなって、完璧なボールペンだと思います。

余談ですが、当店にドイツのラミー本社から視察の方が来られました。

当店のことを知っていただきながら、僭越ながらいくつか要望をお伝えしたのですが、私が言うまでもなくラミーでは日本の市場を研究されていました。これからのラミーの様々なプロジェクトが楽しみです。

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根付け作家の彫刻作品 オリジナル万年筆「自在龍」

当店でいつも満寿屋の原稿用紙を買って下さるお客様で画家のWAKKUNさんという方がおられます。

新聞や雑誌に寄稿される多くの著述家の方がPCデータでの入稿を求められるのに、WAKKUNさんは原稿用紙に万年筆で手書きしたもの出しておられて、手書き原稿が許されている数少ない方です。

アートの世界の人たちの間でもよく知られた存在で、WAKKUNさんに教えてもらったと言って来店される方も多く、とても有難い存在です。

現代根付け作家の川本泰さんもWAKKUNさんから当店のことをお聞きになられて来店されました。

店内をご覧いただいている時に、世間話をしていて根付けを作っておられるという話になりました。私の反応に、川本さんはそんなに興味を示すならと、とても気さくに作品の写真やスケッチブックに描かれたデザイン画を見せて下さいました。

私は当店のオリジナル万年筆に川本さんの作品のような彫刻が入っていたらとても素敵だと思いました。そこで探るように恐る恐る万年筆に彫刻をするということに興味がありますかと聞いてみました。

オリジナル万年筆をベースにしたアート作品のようなものを作っていただきたいと思っていましたので、川本さんとの出会いは本当にタイミングが良く、WAKKUNさんはこんな風に色々な所で人と人を繋いでこられたのだと思いました。

私の恩師の一人である、一昨年亡くなった狂言師の安東伸元先生によく言われていたのは、人とは本当に必要とした時に自然と出会うようになっているものだから探し回らなくてもいい。無理に探してもその関係は長く続かない、ということでした。実際に何度かそんな経験をして、その言葉は本当だと思っています。

ただそういう人と出会った時に見逃さないよう、自分の感性を磨いておかなければいけません。

感性を磨くためには普段から美しいものを見て、本を読んで色々な人の生き方を知らなければいけないと私は思っています。

そうやって普段から自分に合った人に気付く感性を磨いておくことは、当店のような個人同士の繋がりが大切な小さな店にとってとても大切なことだと思っています。

そうやって知り合った川本泰さんに作品をお願いして数ヶ月後、この怪しくも愛嬌を感じる龍の彫刻が入った万年筆が出来上がりました。

龍はすごむわけでもなく、そのキャップの中に棲みついているような感じがします。目立たないように外の様子を伺っているように目だけがギョロっと光っている。万年筆として、ユニークで存在感のあるものができたと思っています。

龍が紙の上を自由自在に泳ぐように、この万年筆が自由に紙に文字や絵を描くものになる、という想いで自在龍(じざいりゅう)という銘を付けて下さいました。

こういう万年筆を実際に使うのかどうかは分からないけれど、ペン先は14金で未研磨のペン先もありいますので、研ぎに凝ることもできます。三角研ぎ、上弦の三角研ぎ、細字研ぎ出し、下弦半月など何でもできますが、龍の玉のように、球のままの大きなイリジウムで書くのも嬉しいものです。

私も未研磨に近い状態で使っているものがあって、真横にしても書くことができるほど角度が広い。押して書く左利きの方にも良いと思います。単純にペンポイントに存在感があり、それを見ているだけでも書くことが楽しくなります。

現代根付けという、アートと工芸どちらの世界でも知られている根付け作家川本泰さんによる彫刻が施されたオリジナル万年筆「自在龍」、一点もので販売しています。

⇒Pen and message.オリジナル万年筆 根付作家川本泰(かわもとたい)作「自在龍」

自分の名品

それほど高級品でもない、名品と言われるものでもない、普通のものが自分の日常にフィットしてとても重宝する愛用品となることがあります。

基本的な作りがしっかりとしていて、丈夫で実用性が伴っているものでないとそうならないかもしれませんが、価格に関係なくそういうものはあるのかもしれません。

私もそういう愛用品をいくつか持っていますが、もっと「自分の名品」を見つけたいと思っています。世間や他の誰かが決めた銘品、逸品、名作に自分も従う必要はありません。

本が好きで時間があると読んでいたいと思う方ですが、私の場合名作と言われているものに限って何の感銘も受けないことが多いのです。むしろ本好きの人が個人的に教えてくれた本の方がすごく面白いと思うのは、本好きな人が私の好きそうなものを選んでくれるからです。

モノの良し悪しは自分にあっているかどうかで、本当は全ての人にとっての銘品、名作というものは存在しないのだと思います。

銘品とはそのモノが自分に合っているということで、全てのモノが「自分の名品」になり得るのだと思います。だからこそそれを見出す楽しみがあります。

世の中には色々なブランドや高級品があるけれど、もっと気負わず自然体で大切なペンを使っていただきたいと思って、レザーケースS、M、Lを作っています。

とてもシンプルな形ですが、ペンを自然にホールドするので抜け落ちず、ペンシースの側面を軽く押さえると簡単に取り出せる絶妙な形です。シンプルでデザインも使い勝手も良いペンシースというのは意外に少ないのではと思っています。

これは当店で用意したスケッチから、フリースピレッツ、レンマなどのブランドのデザイナー兼職人で、個人のブランド「シンレザー」も立ち上げている藤原進ニさんが仕上げてくれたものでした。

金属軸のペンを変色させる心配のないクロムなめしのドーフィン革を使用していますので、安心してペンを入れておくことができます。

使い方のイメージは、デブペンケースのような大容量ペンケースにペンを入れて持ち運ぶ時や、上着のポケットに入れる時など、日常的でカジュアルな使い方をイメージしています。

ちなみにこのレザーケースは、当店が33000円以上のペン(委託品は除く)をお買い上げ時にお付けしているサービスペンケースと同じデザインだと言われることがありますが、実は違います。

私はこのレザーケースが、気軽にペンを使う人の密かな愛用品になると思っています。

⇒レザーペンケース(1本用ペンケースTOP)