
昼間のラジオ局はたくさんの人が出入りして活気に溢れていました。
でも深夜とか早朝の放送では、もしかしたらアナウンサー1人、ディレクター1人で静かに放送されているのかもしれない。
そんな雰囲気もいいなあと、港を一望できる眺めのいいスタジオのコントロール室で、心に余裕のない中余計なことを考えながら、スタジオの中に招き入れられるのを待っていました。
そんな時、オリジナルシステム手帳リフィル筆文葉の水玉リフィルに書いた自分の文字が、できることはしたと、お守りのように緊張を紛らわせてくれました。
ラジオ番組の15分という短い時間だったけれど、自分の出番の進行表には質問される事が色々書いてありました。
それをひとつずつ水玉リフィルの一番上の段に書いて、目立つように周りを緑色の色鉛筆で縁取りしておき、下の水玉罫に答える内容を書く。
細かく箇条書きにしてもきっとそれを読み上げる余裕などないし、そのまま読み上げるてもおかしな感じになことは予想できました。
水玉罫ひとつずつに簡潔に書いておいた方が、素人なりにもその場の雰囲気に合わせて言い換えられると思いました。
質問されることは分かっていてもその場の空気感は分からないし、話の流れのようなものもあって、やはり用意した言葉をそのまま言うのはおかしかったと思います。
その場で微妙な言い回しを変えて答えるには、水玉リフィルは大いに役に立って、これがひとつの使い方なのだと思いました。
(ラジオに出る予定の方には水玉リフィルをぜひお勧めします。)
万年筆の魅力について聞かれた時に、あまり上手く言えなかったけれど、書き味が良いので、書くことが楽しくなるということを一番に挙げました。
そんな時に思い描いている万年筆は、万年筆を使い始めたばかりの時によく使っていた国産の万年筆で、安定供給がされていないのでホームページになかなか載せることができないけれど、セーラーのプロフィット21のようなベーシックでありながら、実用的に完璧な万年筆です。
あまり書くことをしていなかった20代の残念な私でも当時手帳は書いていて、プロフィット21で書くと手帳書きが楽しかった。
手帳書きが楽しいので、仕事にも前向きになれて、大げさに言うと毎日が明るくなりました。
もっと書きたいと思って言葉探しに本を読むようになったし、物事をよく考えるようになり、色々なことに興味を持つようになった。
当店のホームページに掲げている「万年筆は人の生き方を変える力がある」という言葉は私自身の経験から得たものでした。
プロフィット21は何の変哲もないプラスチックのボディで、他の国産万年筆と同じようなデザインの万年筆ですが、書き味がこのペンならではのものがありました。
万年筆を使い始めたばかりの人を悩ませるのは、この万年筆に存在するツボです。
プロフィット21は筆記角度50度から60度の間、ペン先の向きを紙に正対させて書かないと気持ちよく書けません。
そのように書くと気持ちよくヌルヌルと書けるけれど、そこから外れるとガリガリしたり、インクが出にくかったりします。
それはペンポイントの仕上げ方によるもので、平面を強めにした、五角形にペンポイントが研がれているからです。
使う人を正しい書き方に誘導してくれるようなところがこの万年筆にはあって、私はこれはセーラーからのメッセージだと思っています。
色々な書き方の人に対応できるようにペンを作ることもメーカーの技術力だと思うし、万年筆を使う人を増やすことにつながるのかもしれないけれど、正しい書き方を伝えることもまたとても大切なことだと思います。
ラジオの放送で、万年筆の魅力について考えて、自分が万年筆を使い始めたばかりのことを思い出し、セーラープロフィット21のメッセージを思い出しました。
万年筆の文化を伝える~モンテグラッパの万年筆~

万年筆は書くことを楽しくしてくれて、暮しの中で書くことが重要な位置を占めるという人を増やしてくれる役に立つものだと思って、万年筆店をしています。
実用一辺倒の国産万年筆から、ペリカン、アウロラなどのデザインにも主張のある万年筆、自身の美意識を表すファーバーカステルの筆記具へとステップアップして万年筆を楽しんでほしい。
価格は高くなるかもしれないけれど、その楽しみを理解する人も増えて欲しい、と思ってきました。
万年筆の文化とは書く楽しみもありながら、その書き味、ボディの設えからそれぞれのメーカーの哲学や芸術的な表現を感じて、それを自身のアイデンティティに取り込むことだと思っています。
言い換えると、自分の生き方を表現するものとしての万年筆を選ぶ。
書く道具である万年筆を自分の美意識を表現するものとしてまで昇華させて選ぶことが、万年筆の行き着くひとつの頂点だと思っています。
その頂点にある万年筆のひとつとして、当店はモンテグラッパを提案したいと思います。
このコーナー「店主のペン語り」は、当店が2年目を迎えた8年前に始めて、最初に取り上げた万年筆がモンテグラッパネロウーノでした。
他のメーカーにない特別感がモンテグラッパにはあって、それが当店が目指すものに近いと思って無視できない存在でした。
エキストラ1930はセルロイドの自然で滑らかな色合いのボディ、ボディサイズと不釣り合いなほど大きなペン先を持つ万年筆です。
書くために重要なパーツであるペン先を大きくしているところからも、このエキストラ1930は実用万年筆寄り、だと思っています。
セルロイドは万年筆のボディとして使用できるまでに、数年間寝かせて気化物を飛ばさなければ縮んでしまうし、作る時も1本ずつ削り出さなくてはなりません。
大量生産に向かない素材ですが、きらびやかな中にも落ち着きのある、セルロイドでしか表現できない質感があると思っています。
エキストラ1930には金属パーツが全て18金無垢というものがあって、シンプルに素材のみを金無垢にしたというところに粋を感じます。
さすがにここまで来ると実用品と言うのに無理があるかもしれませんが、金無垢のパワーを持ったエキストラ1930を日常使用に使いたいと思う人もいるかもしれません。
モンテグラッパは八角形にこだわっていて、今までも様々なものが八角形で作られてきました。
エキスオラオットーもモンテグラッパのラッキーナンバーである8をテーマにした万年筆です。専用のセルロイドを使用していて、八角形のボディになっています。
木目のような模様でありながらキラキラしたセルロイドは、断面のあるボディだからこそ良さが出る。
いつまで見ていても飽きない、数少ない万年筆だと思います。
これらのモンテグラッパの万年筆に私はただ書くだけでない芸術性も感じていて、見ているだけでも楽しめる。
筆記具と呼ぶにはあまりにも大きな存在であるこれらの万年筆は、万年筆の販売において一番難しいものだと思っています。
実用において何か理由があって値段の高いもの。例えばペリカンM800はプラチナセンチュリーと比較すれば高い理由・良さは一目瞭然だけど、モンテグラッパのこれらの万年筆は実用一辺倒に万年筆と比較するべきものではないと思っています。
他のどの万年筆とも比べようのない、筆記具と呼ぶにはあまりにも大きな存在の自身の美意識を表現するものだと思っています。
⇒モンテグラッパ セルロイドコレクション エキストラ1930 バンブーブラック
革質で選ぶペンケース

久し振りにル・ボナーのデブペンケースが入荷しました。
今回入荷したのは、発色の良さと、傷がつきにくく丈夫なシュランケンカーフのものです。この革は扱いやすくて、本当に良い革だと思っています。
使い込んだ時のエージングはほとんどないけれど、いつまでもきれいな状態で使うことができる。
デブペンケースの代表的な素材の、エージングが美しいブッテーロ革と対極にある革で、この辺りは好みの分かれるところかもしれませんが、傷を気にせずに使うことができることは大きなメリットだと思います。
柔らかいカーフの皮を薬品で縮れさせると80%くらいに縮み、使える面積は小さくなりますが、それだけ密度の高い丈夫な革になります。
厚みを感じるのにしなやかさがあるのは、そんな製法からきているのかもしれませんが、型押しでシボを作っている革との違いは歴然で、手触りが違う。
発色も自然で、美しい。色数も増えています。
手に入れることがなかなか難しい革で、誰もが使うことができる革ではありませんが、ル・ボナーさんはその革をかなりの量買い付け、鞄や今回のペンケースなど小物にも使っています。
デブペンケースは、容量が大きいのでペン以外にも様々な小物を入れることができ、その中に万年筆を1本だけ同居させるときに、保護のためにもカンダミサコさんの1本用のペンシースが役立ちます。
カンダミサコペンシースも、シュランケンカーフを使用していますので、外側のデブペンケースと同色にしたり、コーディネートしたりする楽しみがあります。
ペンシースは革を円筒形にクルンと丸めて縫っただけのとてもシンプルな作りですが、素材としているシュランケンカーフの発色と、ステッチの色合わせ、革の丸みなどから、とてもかわいらしいものになっています。
ペリカンM800くらいが収まり、レギュラーサイズのペンなら多少の窮屈さがあったとしても収めることができます。
革の楽しみは、使い込んだり、手入れしたりして、艶が出たり、色が変化していくことに尽きると私は長い間思っていました。
しかし、そういった革には多少取り扱いに注意が必要で、手入れもしないといけません。それも革の楽しみではあるけれど、まず道具として使うことができて、いつまでもきれいな発色を保ってくれるシュランケンカーフも楽しい革だと思い始めています。
シュランケンカーフ、某ブランドも最高級品に使用している革だけのことはあって、モノに使われないスマートな使いこなしができる革だと思います。
手紙を書く道具

有り難いことに手紙を書く機会が多い。
最近ではライフの来富という便箋をよく使っています。
来富はバンクペーパーというかなりしっかりした上質な便箋に向いた紙を使用していて、にじみがほとんどないのと、ペン先を置いた時に感じる「サクッ」という感触がとても好きで、なかなか他のものに替える気になれなくなっています。
ある時から、インクのにじまない紙に惹かれるようになりました。以前は自分の悪筆を誤魔化してくれるような紙ばかりを好んで使っていたけれど、それはもしかしたら私にとって悪筆を助長させる行為だったのかもしれません。
バンクペーパーはにじみは少ないけれどインクが伸びないわけではなく、書き味も良く、気持ちよく手紙を書かせてくれます。
私の固い頭ではタテ書きの手紙は黒インクというイメージが強くて、ほとんどの場合黒インクを使っています。今ほとんどの万年筆には当店のオリジナルインク冬枯れが入っている。
黒インクでも赤が目立つものや、緑や青がベースにあるようなものが結構ありますが、冬枯れは黒とグレーの中間くらいのあまり濃い黒ではないけれど、他の色が混じっていない、黒だけでできているところが気に入っています。
乾くと紙にスッと沈むような、少し薄めの黒なので、濃淡が出やすく、拙い文字に何となく勢いというか、魂を込めてくれる。
ページ全体が黒々とならないので、冬枯れは手帳にも使っているけれど、手紙もあまり黒すぎると目にうるさく感じられてしまうかも知れない。特にペリカンなどインク出が多いペンには冬枯れくらいがちょうどいいと、引っ込み思案な私はいつも思っています。
いつからか手紙に使う万年筆というものが決まってきました。
それまでどの万年筆でも気にせずに使っていたけれど、軽い万年筆ではタテ書きの便箋に上手く書けなくなってしまった。
ヨコ書きやノートでは気にならないのに不思議ですが、ある程度重量があって、太い万年筆の方が大きめの文字を書くタテ書きの便箋には合っているのかもしれません。
ペリカンM800、M1000、アウロラ88、パイロットカスタム743、カスタム823、パイロットシルバーン、プラチナブライヤーなど書くことにのみ存在価値があると言うと語弊があるけれど、書くことで真価を発揮する万年筆はやはり手紙を書くことにも向いていると、頭の固い私は思っています。
いざ書こうと、大きめの万年筆を構えて、ペン先を紙に「サクッ」と置く感じが私は好きです。
万年筆を使う用途が手紙だという人はそれほど多くないかもしれないけれど、ライフの便箋来富と冬枯れのインク、そして細字から中字の大きな万年筆は手紙を書くための最高の組み合わせだとお勧めしたいし、一人でも多くの人に、この道具たちで手紙を書きたいと思っています。
辛口の紙に極細のペン

ホームページをリニューアルしました。
デザインは変わっていないけれど、構造が変わって今までと違うことができるようになりました。
私たちがまだ使いこなせていないこともあり、さすがに値段は間違っていないけれど、不具合や整合性のとれていない場所もあり、順番に整理して熟成していきたいと思っています。
しばらくの間、お見苦しいところもあるかもしれませんがご容赦下さい。
ホームページリニューアルとともにメールアドレスを変更しました。
新しいメールアドレスは pen@p-n-m.net です。今後はこちらへご連絡下さい。
リニューアルに伴い、ペン先調整料金も改訂しています。
詳しくはこちらをご覧ください。 ⇒Pen and message.ホームページ ペン先調整についてmode=f4″ target=”_blank”>⇒Pen and message.ホームページ ペン先調整について
当店と金治智子さんとの共同企画のシステム手帳リフィルのブランド筆文葉のブログ「筆文葉のある生活」は、かなりユニークな罫線の筆文葉リフィルの使いこなしを説明していて、記事数も増やしています。リフィルの使いこなしだけでなく、読み物としても面白いものだと思いますので、システム手帳をお使いでない方もぜひご覧いただきたいと思います。
筆文葉リフィルは罫線も凝っていますが、その紙質もこだわって選んだものを使用しています。
手帳などの紙は、普通薄くて表面のツルツルした紙を選ぶことが多いようですが、筆文葉の紙は質感のある手応えのある書き味を狙いました。
無機質な書き味ではなく、自然な書き味で、私はこういう書き味の紙を辛口の紙と呼んでいます。
滑らかさを追求した引っ掛かりの全くない紙は甘口の紙で、私の感覚と独断によるものだけど、その表現で何となく伝わるのではないかと思っています。
色々なものを使ううちに、そういう辛口のものが良いと思えるようになってきました。
辛口の筆文葉の紙は、紙の質感を楽しむことができるし、インクの吸収が早く、にじまず素早くインクが乾きます。
厚みがあって、丈夫なしっかりした紙なので、繰り返しめくったりするシステム手帳には向いていて、保存性も高い。
筆文葉のリフィルを使うようになって、3mmの罫線に文字を収めるということをするようになりました。
1ぺージにできるだけたくさんの情報を書きたいと思って始めたことだけど、見開きでその月の全てを見ることができるメリットは大きく、何かを忘れることが少なくなりました。
今私が持っている万年筆の中で、3mm罫線にも書けるのは国産の細字が2本しかないけれど、手帳は万年筆でしか書かないので、細く書くことができる万年筆への興味が強くなっています。
3mm罫には国産細字でも書けなくはないけれど、画数の多い字でもなるべくクッキリと書きたいので極細に注目しています。
国産の極細について調べてみると、安定供給されているものは、定番のパイロットカスタム、セーラープロフィット、プラチナセンチュリーなどに絞られることが分かりました。
それではと、自分用にペリカンM400<EF>を極細研ぎ出しにして3mm罫に文字を収めるように書いています。
9mm横罫(3mm補助罫)リフィルに、自分でグレーのボールペンで罫線を引いたオリジナルダイアリーを作って今は使っています。今までで一番使いやすいものだと喜んで使っています。
カンダミサコ文庫サイズノートカバー

今年から日記をつけるようになりました。
今まで書いたものを仕事の記録以外で置いておくことは避けていました。
きっと振り返って読むことはないと思っていたし、そういうものに価値を感じなかったから。
でも自分が思ったこと、考えたことをブログに書いたこと以外にも残してみたいと今年は思うようになって、1日1ページの日記帳につらつらと書くようになりました。
日記を書こうと思った時に選んだのは文庫サイズの1日1ページの日記帳でした。
持ち歩くものではないけれど、A5やB5のものは自分には大きすぎる。文庫サイズくらいが丁度いいと思いました。
それはやはり正解で、1日を振り返ったり、その日自分の頭の中を占めていた考えを1日の終わりにタターッと書くのにピッタリの分量だと思っています。
カンダミサコさんが静かに作り続けている革製品に文庫サイズノートカバーがあります。
文庫サイズのノートを収めることができて、かなり太軸のペン(直径16ミリ程度)まで収められるペンホルダーがついています。
このペンホルダーは左右両方についていて、カバーを閉じて左右両方のペンホルダーにペンを通すとカンヌキのようにノートが開かないようになります。
かなり厚めの1日1ページのダイアリーも収めることができて、当店にもある枻出版社の文庫サイズの1日1ページのダイアリー(厚さ19ミリ)も収めることができました。
ただかなり厚めのこのダイアリーを収めてペンホルダーのカンヌキ構造を生かすには細めのペンをいれないといけません。
オーバーサイズのペンを収納してペンホルダーのカンヌキ構造を利かせるには、ライフのホワイトビンテージくらいの厚めのノート(厚さ11ミリ)が合うようでした。
カンヌキ構造を気にしなければペンホルダーのサイズに余裕がありますので、どんなペンも収めることができます。
使用している革はカンダミサコが最も得意とするシュランケンカーフです。
シュランケンカーフは、傷にも水にも強く大変扱いやすい革で、質感を感じる手触りも兼ね備えています。
使い込むとシボが少し平らになって、さらに手触りが滑らかになるというこの革ならではのエージングをして、愛着も増してきます。
コンパクトに、個人的なことを書くのに文庫サイズの日記帳はちょうど良く、毎日のその作業に少し、楽しみをもたらしてくれるものが、カンダミサコ文庫ノートカバーだと思っています。
アウロラシガロ~大人の男性の書斎に~

まだBのペン先のものしか入ってきていませんが、アウロラの限定品シガロが入荷しました。
鮮やかな色のアクリルレジンとスターリグシルバーの組み合わせが近年のアウロラの限定品の特長になっていますが、このシガロは葉巻をイメージさせる枯れた感じのブラウンのボディにゴールドの金具で、最近では珍しい男性的なものになっています。
本や趣味のものに囲まれた男性の書斎でのひと時を演出する万年筆をテーマに作られたシガロの最大の特長は真鍮ボディにラッカー塗装をしていることで、アウロラとしては珍しい構造です。
真鍮ボディなので重量が重めの44g、アウロラの代表的な万年筆オプティマの倍の重量になっていて、18金ペン先の弾力がより感じやすくなっています。
私はこういう万年筆の登場を待っていました。
カラフルで明るい色使いのおしゃれなものもいいけれど、こういう男性的なもの。それはゴールドキャップにブラックボディのアウロラ88クラシックに惹かれるのと同じようにただの好みでしかないけれど。
最近の万年筆はファッションの影響からか、明るい色で女性を意識したものが多く、男性的なものは時代遅れになってしまったことを実感していました。
それは万年筆が男性の趣味のものという存在からか、女性のユーザーも意識したものに変化したという時代の流れを反映していて、万年筆により多様性を求められていることを意味しているのかもしれません。
そんな時代遅れな存在とも言えるアウロラシガロを、アウロラがなぜ今発売したのか。その理由は分からないけれど、良き時代だった90年代初め頃の万年筆の雰囲気を再現したいという意図があったのかもしれないと私は解釈しています。
このアウロラシガロをより大切に、自分の宝物として使っていただけるものとして、シガロ専用のペンケースSOLOが1月末に出来上がってきます。
外装はマローネという焦げ茶色で、クリップが通る切り込みをシガロのサイズにピッタリと合わせています。
シガロを初めて見た時、葉巻入れをルーツとするこのSOLOのペンケースがピッタリ合うと思いました。
アウロラシガロは480本の限定生産で、渋いものがお好きな方にぜひ手に入れていただきたいとものだと思っています。
大人の手帳リフィル 筆文葉リフィルの紙質

カンダミサコバイブルサイズシステム手帳は、8ミリ径という細いリングを採用することで、綴じ手帳と変わらない携帯性と左ページに書く場合でもリングが邪魔になりにくく(右利きの場合)なっています。
リングが細いということは、そういうメリットがありますが、紙をたくさん挟むことができないというデメリットがあり、内容を常に整理することを使い手に要求するものでもあります。
細いリング径のシステム手帳でいかに紙を少なく使うかを考えた時に、なるべく文字を小さくして1ページの情報量を多くするということは、単純ですが効果があります。
私の場合3ミリ罫に文字を入れるというもので、細く書ける万年筆ではみ出さないように書くには相当小さな文字を書かないといけませんが、国産の極細ならそれができる。
小さな文字を書いても、文字がつぶれたりせず、クッキリと楽に読むことができます。
当店と金治智子さん共同企画のオリジナルブランド筆文葉(ふでもよう)に使っている紙は厚めなので、細いリング径のシステム手帳にはより紙の節約を要求するけれど、丈夫でインクの吸収が早く、私たちが考えるシステム手帳用紙として理想的なものでした。
最近の手帳用紙は、表面がツルツルしていて、書き心地もひっかかりがなく、薄くても裏抜けしないというものが多く、それがトレンドになっています。
でもそういうものばりでは面白くない、と考えました。
筆文葉の用紙はにじみや裏抜けはないけれど、書くと心地よい手応えがあって、その紙自体に存在感がある。この紙は書く楽しみを味わっていただけると思っています。
筆文葉リフィルの売れ筋は3ミリ横罫で、9ミリごとに濃い罫線になっていて9ミリ罫としても使うことができるというもので、他にはないことが売れ筋の理由だと思っています。
売れ筋2番手は水玉罫で、これはどのように使うか考えながら、試行錯誤を要しますが、他にないということは3ミリ横罫と共通しています。
横罫などに箇条書きするとつまらなく見えてしまうものが、水玉罫に書き込むことで、ワクワクすることのできる紙面になり、楽しみながら書くことの役に立つと思っています。
もちろんそれぞれの用途で、好きに使ってもらうことが一番良いけれど、それぞれのリフィルの使い方の提案を金治智子さんが新しく開設したブログ「筆文葉のある生活」(https://fedemoyou.wordpress.com)で提案しています。
筆文葉から3つ折りで、左右で1年を見開くことができるカレンダーも発売していて、それは1月から6月は初年度だからついている今年だけのボーナスパックで、本来は7月始まりで、表面に7月から12月、裏面に1月から6月が載っていて、来年以降も同様のものを発売していきます。
要するにカレンダーは発売しているけれど、もう年が始まってしまっていると心配されている方に、そんなことはないですよと申し上げたかったのです。
3つ折りカレンダーは、とてもシンプルでコンパクトな仕様で、なるべく文字数を少なく明確に書くことを要求されますが、同じものが3枚入っているなど、今までのものと明らかに使い方が違うカレンダーレフィルです。
このあたりの使いこなしもブログで提案していきたい。
筆文葉リフィルでの金治智子さんのアイデアはまだまだ尽きることなく、いくらでも出てきて、ブログも充実していく予定です。
当店もシステム手帳をもっと盛んにしたいという情熱に燃えている。
筆文葉。ユニークで、大人が楽しめるシステム手帳リフィルのブランドにしていきたいと思っています。
文集「雑記から3」原稿募集のご案内

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
毎年が特別な年だと思っていますが、今年は当店にとってより特別な年になります。
今年当店は創業10周年となり、ひとつの節目を迎えます。
当店創業の志は、万年筆を使う人を増やすというものでした。
万年筆を使うと、書くことが楽しくなります。書くことが楽しくなり、書きたいと思う生活は前向きな気持ちになれて、仕事や家事が楽しくなることにつながると信じています。
何かを書こうと思うとニュースなどの見方も違ってくるし、本も読もうと思う。
万年筆を使う人を増やすということは、書くことのある生活の効能によって、幸せになれる人を増やすことになり、世の中が良くなることにつながると考えています。自分のやりたいことが世の中のためになると思えることは、恵まれていると思います。
創業3周年の時も、7周年の時も、節目だと思った時には文集を作り、とても良いものができましたので、10周年の今年も文集「雑記から」を作りたいと思いました。
テーマは「記念の万年筆」です。
原稿は1200文字程度にまとめていただき、メール(penandmessage@goo.jp)でお送り下さい。締め切りは3月31日(金)です。
完成は5月頃を予定しています。
文集に表記するお名前は実名でもペンネームでも構いませんが、当店には実名とご住所、お電話番号をお知らせ下さい。
皆様のそれぞれの記念に思う万年筆のお話をぜひお送り下さい。
私は仕事でそれをしていてとても恵まれていると思っているけれど、自分の好きな万年筆について書くことはとても楽しい作業です。
どの万年筆を選んでどんなことをどんな風に書こうかと、移動中の電車の中や、家で風呂に入ったりしながら、ペンを取らずに考えている時間が、私は書くことの中で一番楽しい時間だと思っているけれど、皆さんはどの作業が楽しいと思うだろう。
万年筆を使っている人の多くは書くことが好きだと思っていて、好きな万年筆について書くことを無条件に楽しんでいただけると私は信じています。
当店創業10周年の文集「雑記から3」にぜひ、原稿をお寄せ下さい。
ペリカンM405ブラックストライプ~旅に持って出たい万年筆~

ペリカンM400の金具がシルバーになっているM405に、ブラックストライプが発売されました。
金色の金具のM400とはまた違った、シャープでスッキリした印象のM405にブラックストライプはとても合っていると思います。
以前、M400とM405のペン先は共通で、金銀二色のものでしたが今はM405、M805は銀色一色のペン先になっています。
ペリカンの万年筆の中で、M800は硬くタフなペン先と直径13mmという適度な太さ、30gの適度な重さのボディで、最も楽に書くことができる万年筆だということは揺るぎないものだと思います。
ペンの重さに任せて力を抜いて書くことができたらM800ほど楽に書くことができる万年筆はないと思いますが、M400・M405はM800の安価タイプというわけではなくしっかりと存在意義のある万年筆で、それに合った用途、使い方があると思っています。
机に向かって長時間書き続けるような用途はM800に任せるとして、M400はメモ書きや手帳書きなど、そのボディの軽さ、小ささに向いた用途があります。
その使用感はペンの重みで書くM800に対して、手でコントロールして書く感じ。
外出先でメモをとったり、手帳に小さな文字を少し書くような用途にM400は向いているし、持ち運んで使うにも邪魔になりません。
極細でも太いと言われているM400のEF(極細)を、国産細字くらい細い字を書けるようにした「細字研ぎ出し仕様」を当店では販売しているけれど、それはM400の特性をより生かしたものになっていて、やはりそういう需要があったのか、多くの方がこの仕様を注文して下さっている。
金ペン先に全面ロジウム仕上げしたM405に細字研ぎ出し加工をすると、ペン先側面にわずかな金色の露出が見られるけれど、了承して下さればM405 でも細字研ぎ出し加工をしています。
M400とM800の吸入できるインク量は実は同じで、ボディの小さなM400がいかに効率良くインクをそのボディに貯蔵するかを表しています。
コレクションしたり、見て楽しむことが万年筆の楽しみの中心とみなされている現代において、万年筆は大きなものばかりになってきました。
万年筆が書くための道具の中心だった時代、M400のような小さくて軽い万年筆がたくさんありましたが、その役割はボールペンや他の筆記具に代わられてしまい、多くのものは姿を消してしまった。しかし、M400は残っている。
多くの人は外出時に使い勝手の良いM400のような小さな万年筆を使わなくなってしまいましたが、完全に使われなくなったわけではなく、やはり書くなら万年筆で書きたいと考える人のためにM400はまだ存在しているのだと思っています。
ペリカンの万年筆の特長には、それはM400も例外ではないけれど、インクを入れたまま長期間放置してもペン先が乾かないことや、インク漏れがないという基本構造における信頼性の高さがあります。
道具として安心して使える万年筆の筆頭に、ペリカンの万年筆を挙げられると思います。
旅に1本だけ万年筆を持って行くならどれがいいかと聞かれたら、私はM400・M405をお勧めしたいと思います。