ラミーサファリ フレンドシップペン

ラミーサファリ フレンドシップペン
ラミーサファリ フレンドシップペン

サファリを何度も使おうとしましたが、紛失したり、人にあげてしまったりして手元に居ついたことがなく、今1本も持っていません。
でもいつもなぜか気になって、使ってみたいと思わせる存在ではあるのです。
かなり厚いものでも挟むことができるクリップは厚手のコートのポケットにも挟むことができますし、キャップはパッチン式(勘合式)でちょっとメモしたりする時に便利です。
ABS樹脂のボディは軽くてあまり気を使わなくていい。
書き味も軽く、独特のものがある。
万年筆の中のサファリというよりも、サファリという筆記具が存在しているかのように思える。

万年筆というものはどんなものでもそれなりに雰囲気を持っていて、その物自体が何かを語ってくれる物だと思っています。

字を書かずとも、ただポケットに差しているだけでもその人が知的に見えたりする物。それが万年筆かもしれません。
でもサファリはそんなある種の誤魔化しは効かない。実際に使わなければいけない万年筆です。
そういった理由からか、サファリを使っている人はとてもクリエイティブに見えたりするものです。
サファリは何本も持っていたい万年筆でもあります。
定番のものを中に入れるインクの色によってボディカラーを変えて持つのもいいし、過去7色あった毎年発売される限定色を1本ずつ揃えていっても結構な本数になります。
もしご当地サファリなどがあれば、旅に行った時の記念になるかもしれないなどと想像したりします。

ラミーサファリフレンドシップペンが発売になりました。
これは毎年発売される限定色ではなく、日本とドイツの国交が始まって150年の記念に発売された特別企画のペンです。
万年筆を使っている人でドイツに親しみを持っている方は多いので、このペンは人気が出るだろうと思いましたし、私も欲しいと思いました。
私のようにサファリを持っていない人のサファリのきっかけとなるかもしれない特別なサファリの限定発売です。

アウロラ 大陸シリーズの魅力

アウロラ 大陸シリーズの魅力
アウロラ 大陸シリーズの魅力

石のついた指輪をする習慣がない。
それはお守りだったり、願いだったりと個人的な想いがこもったもので、それをする習慣のある人を少し羨ましく思うこともあります。

アウロラ大陸シリーズアメリカのキャップトップにつけられた石レッドジャスパーは、北米、中米、南米などで産出される貴石で、身を守ると言われている、いわゆるパワーストーンだとか。
指輪をしない代わりに、こういう石がついた万年筆をお守り代わりに身に付けるのも、万年筆のひとつのあり方だと思います。

アウロラ大陸シリーズ第4弾アメリカが発売になりました。

アフリカ、アジア、ヨーロッパと続いている人気シリーズだけに、次は何大陸をテーマにしたものを発売するのか憶測を呼んでいましたし、新作が出ても良さそうな日程を過ぎても発表されないことから、もう発売されないのではないかという心配する声も聞かれていました。
中にはこのアメリカ大陸を予想された方もおられたかもしれません。

過日私のブログで、これはアメリカ合衆国を中心とした北アメリカ大陸だと申し上げましたが、実は誤報で今回の大陸シリーズのテーマは南北アメリカ大陸でした。

実にいい加減な話になってしまいますが、そう言われてみればボディカラーは単純な赤と青ではなくもっと深みのある複雑な色合いで、そんなところが南米ぽいかな?と思わせますし、キャップリングのモチーフにはちゃんとコンドルやナスカの地上絵も刻印されています。

毎回大陸シリーズのリングが見所のひとつとなっていますが、このリングのフレームとなっている紋のような柄がとても良い雰囲気を出していると思いました。
私を含めてこのアメリカの写真だけを見た人は、数年前のペリカンの史跡シリーズピカデリーサーカスと似た色合いだと思われたかもしれません。
しかし現物を見てみると、全く異なる発色、柄の奥行きで、ペリカンを連想することのない、別の魅力のあるペンです。

ペン先もボディの基本的な形も同じで、ボディカラー、キャップリングなどを変更しただけのアウロラの限定品がなぜ皆さんの気持ちを動かすのか少し不思議な気がしますが、それは前作との変更点について冷静に分析すればこそ思うことで、アウロラの万年筆の良さを知る者として立場が変わった時、やはり前作のエウロパと近作のアメリカでは「全然違う」ということになります。

私は大陸シリーズに代表されるアウロラの作る限定万年筆はやり過ぎた所のない、安心して使えるところが魅力だと思っています。
面白みはあるけれど使い辛い仕様だったり、非常にアバンギャルドな設えだったりすると、コレクターズアイテムとしては面白いかもしれませんが、実用的には疑問が残ってしまう。
アウロラの限定品の魅力、それは「使う」ということが前提になっているというところです。

アウロラの万年筆を語る上で無視できない、オプティマ、88の定番の万年筆の書くことにこだわった良さがあるからこそ、アウロラは信用され、その限定品は多くの人の気にかかるのだと考えています。

M1005デモンストレーター オーバーサイズへの誘い

M1005デモンストレーター オーバーサイズへの誘い
M1005デモンストレーター オーバーサイズへの誘い

現在発売されている万年筆の中で最も柔らかいペン先で書き味の良い万年筆がペリカンM1000だということに賛同してくださる方は多いと思います。

大きなペン先は毛筆の穂先のようにしなやかに、筆記の方向にさからうことなくついてきてくれて、たくさんのインクを紙に送り出しながら良い感触を手に伝える。
でも、ペン先調整をする者にとって、M1000ほど不思議に思う万年筆はありません。

それはペン先とペン芯の関係が、他の万年筆の常識とあまりにもかけ離れている。
普通ペン先はペン芯にピッタリと密着していないと書いている途中でインクが途切れてしまうため、調整する時はペン先とペン芯が離れることのないように調整します。
これはイリジュウムを削るなどの加工以前の最も注意しなければいけないところですが、M1000の構造は違っています。

ペン芯はペン先の一部分にしか接していないし、書いている時には離れていることもあるのに、たくさんのインクをペン先に伝えて途切れることがない。
なぜかインクが流れてくれる。
でもペン芯の押し返しがないので、ペン先は柔らかく自由に動いてくれるのは事実で、M1000の書き味が非常に柔らかいのは、このペン先とペン芯の関係によるところが大きいと思っています。
しかし多くの人がM1000の書き味の良さを知りながらM1000に踏み切れない理由は、そのサイズにあるのだと思っています。

ペリカンにはM800という実用において完璧とも言える万年筆があります。
M800はM1000とは対照的で、非常に硬いペン先を持っています。そのためハードな筆記もペン先のことを気にせずに書き続けることができるヘビーユーザーのための万年筆となっています。そのボディサイズは万年筆のお手本とも言えるサイズなので、M800を使う人は多くてもM1000にたどり着く人は少ない、M1000は大きすぎると考える人が多いようです。

しかし、M1000のボディが完全に実用を無視しているかというとそうでもありません。
私は余分な力が入らずに一番きれいな文字を書くことができる筆記具はゼブラのハイ・マッキーだと常々思っています。
万年筆の話でいきなりマジックペンの話をして妙に思われるかもしれませんが、マッキー極太のボディを持った時の手の中での座りは、手があまり大きい方ではない私でも良い印象を持っているので、きっと他の方でも同様に感じていただけるのではないかと思います。
ハイマッキーの印象から、M1000のサイズもそれほど実用からかけ離れているサイズではないと最近は思うようになりました。

ペリカンは、ペリスケ、M205デモンストレーター、M205ブルー、M800デモンストレーターM205DUOなどのデモンストレーターモデルをここ10数年で5種類も発売していますが、デモンストレーターはそれらの過去の限定品とは迫力が違うオーバーサイズならではの魅力を備えています。
M1000のデモンストレーターモデルは金具をシルバー色にしてM1005としています。
キャップ内の処理、吸入機構周辺、ペン先ユニットのソケットまでも専用パーツとして、まるで医療機器か実験器具かのように見せていて、書き味同様にボディもまた、オーバーサイズでないとできない楽しむための仕掛けがされているのです。

オマス「マザーオブパールマルーン」 小豆色の復活

オマス「マザーオブパールマルーン」 小豆色の復活
オマス「マザーオブパールマルーン」 小豆色の復活

以前、老舗と言われる万年筆メーカーは黒の他に定番の色として小豆色のモデルを揃えていました。

万年筆の色のラインナップとして、黒が外せないように小豆色もまた外せない色だと思っていましたが、1990年代イタリアの新興万年筆メーカーが台頭してきて、気が付けば小豆色の万年筆がなくなっていました。

ペリカンも、最後の砦であったモンブランも、そしてこのオマスも。
そういえば、あまり売れないながらも国産の万年筆にはなぜか小豆色は残っています。ですがこれは世界的にカラフルな万年筆が増えるという流れに取り残されたままだからなのか。

黒いボディに金の金具の万年筆はあまりにも男臭く堂々とし過ぎていて、好みではないと思っている人の声はよく聞きます。
そういう男性のためにも小豆色はちょうどいい落ち着いた色だったのではないかと思います。

オマスがそういうところを狙って小豆色を復活させたのかどうかは不明ですが、「マザーオブパールマルーン」という新色を発売しました。
正確に言うと新色で、以前あった小豆色に輝きを加えた現代的なスパイスも入っています。

でも案内をいただいた時に、そうかこの色があったかと思い当たったくらいなので、小豆色の復活と言ってもそれほど外れていないと思います。
最近万年筆のカラーボディはオレンジ、真っ赤、真っ青などの非常に鮮やかな色が多く、これはデルタドルチェビータがヒットしてからの流れだと思うのですが、人知れず私は万年筆のカラフル化をドルチェビータショックと呼んでいます。

オマスはボディサイズをパラゴン、ミロードと用意しています。
パラゴンは大きなペン先と直径16mmの極太で大きなボディのオーバーサイズの万年筆です。
ボディが大きいので、首軸を金属にすることでバランスを取り、大型万年筆にありがちな後ろ重心を解決しています。
ミロードは直径14mmの標準サイズの万年筆で、ペリカンM800、モンブラン146、パーカーデュオフォールドなどとほぼ同じサイズです。
このアルテイタリアーナミロード万年筆を昨年のオマス社訪問の時にプレゼントされて使っています。

黒いボディにシルバーの金具のハイテクフィニッシュ(気持ちは分かりますがなぜハイテク?)の一番変哲のないモデルです。
このミロードハイテクにもオマスらしさが感じられ、使うのが楽しい万年筆です。
12面体のボディや特長的なリング、クリップなどにオマスらしい意匠は凝らされています。

しかし、私がいつもこだわっていて、喜びを感じるのは書いている時のフィーリング、書いている時に手に伝わる「らしさ」で、それを持っているところがとても気に入っています。

M800やデュオフォールドは、その実用性の追求から、非常にがっしりした硬い書き味を持っていて、それはそれで心地よい滑りの良さと頼もしさを感じますが、オマスには味わい深さを感じます。

テキパキと仕事をこなす感じではなく、ダラダラといつまでもその書き心地を確かめながら書いていたいような感じ。
それは同じイタリアの老舗アウロラにも感じていて、2つのブランドの共通点としてエボナイトのペン芯の存在に思い当たります。

オマスもアウロラもエボナイトのペン芯にこだわっています。
現代では主流になっているプラスチック製のペン芯の方が細かい細工が可能で、各社の研究によるノウハウを反映させることができます。
インクの違いによるインク出の差異がなく、インク選びにシビアにならなくてもいい。
使い出してすぐでもしっかりとインクが出てくれる。
ペリカン、パイロットなどのペン芯にはその良さがよく表れています。

それに対して、エボナイトのペン芯はインクが馴染むまでに2週間ほどの時間を要する。
使用するインクによって、出方がかなり違う、とプラスチック製とは正反対の特長(?)がありますが、長年使い込んだときのペン先に寄り添った馴染んだインクの出方はエボナイトならではだと思っています。

イタリアの万年筆がドルチェビータショックで、外装の美しさに注力していると思っていた中、アウロラ、そしてこのオマスの老舗は書き心地や使用感の「らしさ」も追求していたと思って嬉しくなりましたし、それらの長く使う前提の味わいには落ち着いたボディの小豆色も合っていると思います。


万年筆の書き味・1

万年筆の書き味・1
万年筆の書き味・1

万年筆の良い書き味を言い表す言葉、ヌルヌルヌラヌラ(以後ヌルヌラ)は太字の万年筆の醍醐味あるいは、太字のみの特権のように言われますが、それは細字の万年筆でも実現するものです。

ヌルヌラはペンポイントと紙の間にあるインクがクッションのような役割をすることによって起こります。
自動車教習所で習った、雨の日の高速道路で気をつけなければいけない「ハイドロプレーニング現象」のようなことがペン先に起きて、何の抵抗もないペン先の滑りが得られるのです。
太字の万年筆はペンポイントの平面が大きいので、ハイドロプレーニング現象が起こりやすく、ヌルヌラが得られます。
ペンポイントの平面をスイートスポットと言います。
ヌルヌラの抵抗のない、気持ち良い書き味で、クッキリした線を書くことができます。
スイートスポットを野球のバットに例えると、ピッチャーの球威をあまり感じずにボールを遠くまで飛ばすことができる芯にあたります。
バットの真芯でボールを捉えた感覚は本当に気持ちよく、フィーリングといいそれからもたらされる最大の効果といい、バットの芯とスイートスポットは私にとってほぼ同じものです。

話が少しくどくなりましたが、元に戻すと細字の万年筆の書き味にもヌルヌラ存在します。
それは長年使い込んでいくと使う人の角度に合ってペンポイントに平面ができ、そこにもやはりハイドロプレーニング現象が働くからです。
その平面のつき方は使う人それぞれで違っていますので、平面がある万年筆ほど違う人が書くと引っ掛かりが出たり、インク出があまり良くなかったりします。

この平面を人工的にペン先調整で作り出すことができます。
使われる方の筆記角度、ペン先の向きに合わせて平面を作ります。

使い込むこと、あるいは調整によって細字の万年筆であっても、ヌルヌラは実現するものであるということを知らない人も多く、ぜひ知っておいて頂きたいと思いました。

ペンレスト兼用万年筆ケース3本用完成

ペンレスト兼用万年筆ケース3本用完成
ペンレスト兼用万年筆ケース3本用完成

シンプルなものほど工夫が必要で、形になるまで時間がかかるものだと思いました。
出来上がりはスマートでシンプルなものだけど、その見た目とは違って、当店と製作者のカンダミサコさんの工夫が詰まった、思い入れのあるものになりました。
このペンケースが形になるまでにカンダさんに何度も試作を作ってもらい、少しずつ修正していきました。

最近ペンケースにシンプルなものがたくさん出てきました。
フラップなどがついておらず、ペンを差し入れるだけのものですが、こういったものは意外と実用性が高く、私も使ってみましたが机に置いておいてペンを取り出すときにこれほど便利なものはないと思いました。

ズボラ(標準語では面倒臭がり)な性格で時々ペンケースのフラップを開けることさえ面倒なときがあるからですが、私のようにズボラでなくても、忙しい時などフラップを開けずにペンを取り出せたら便利だと思いますので、こういったものの需要はあると思いました。

しかし、そういったペンケースは取り出しやすい反面、持ち運びの時少し不安があります。
誤ってペンケースを逆さまにしてしまった時にペンが脱落する危険性があって、そそっかしい私は何度かペンを落としてしまいました。
取り出しやすい利便性とペンの脱落を防ぐ機能を併せ持たせることができたら。
それがこのペンレスト兼用万年筆ケースの始まりでした。
ふた部分を枕のように使えるように、そして中のペンを取り出しやすいようなデザインはイメージしていましたが、実際の革でそれを実現するのは数ミリ単位での調整が必要で、試作は大変だったと思います。

使い方は、持ち運び時にはふたを閉めて万年筆の脱落防止と保護の役に立つクローズ状態。机などに置いて使っている時は、ふたを枕のようにペンの背後に入れ込んだオープン状態にしていただくと出し入れがしやすくなっています。

モンブラン146、ペリカンM800などのレギュラーサイズの万年筆を標準としていますが、モンブラン149のようなオーバーサイズの万年筆も入ります。

使い始めた時、少しピッタリとしていますが、素材であるシュランケンカーフは柔軟で中身に合ってくるようなところがありますので、使っているうちに出し入れしやすくなります。
シックな黒はお仕事などのフォーマルな時、スーツによく合うと思います。
アイリスはカジュアルな服装の時にも合うし、パッとした気分が晴れやかになる色だと思います。

出来る限りシンプルなデザインでありながら、必要な機能性を持たせたペンケースに仕上がっています。

⇒Pen and message.オリジナルペンレスト兼用万年筆ケース(3本差し)gid=2127777⇒Pen and message.オリジナルペンレスト兼用万年筆ケース(3本差し)page=3″ target=”_blank”>⇒Pen and message.オリジナルペンレスト兼用万年筆ケース(3本差し)

工房楔 コンプロット4ミニ完成

工房楔 コンプロット4ミニ完成
工房楔 コンプロット4ミニ完成

欲しいと思っていた万年筆がある程度揃ったら、次はそれらの万年筆をコーディネートして楽しんでいただきたいと思います。
ペンケースにその日の仕事をいかに楽しくできるかを考えた機能重視の組み合わせの万年筆を揃えて持ち出すのは、朝の楽しい儀式になるのではないかと思います。
コーディネートしようとしているうちに欲しい万年筆が浮かんできたりすることもあるかもしれませんが・・・。

万年筆のコーディネートを必ず楽しくしてくれるペンケースが工房楔の新作コンプロット4ミニです。

コンプロット4ミニは、従来作で大型のペンを納めることができる10本入れのコンプロット10をレギュラーサイズピッタリに縮小して、4本だけ納めるようにした携帯版とも言えるもので、美しく納めたコンプロット10は、とても魅力的だけど、書斎だけで見ているのはつまらない、携帯して持ち歩きたいと思っていた方には待望とも言えるコンプロット4ミニの完成だと思っています。

机上、あるいは自宅でのペンの保管庫的な要素が強く、その重量ゆえに持ち運びには不向きだったコンプロット10でしたが、常にインクを入れていつでも使える状態にしたものを選んで納めておいて、開いて見とれたり、どれを使うか迷ったり、楽しみを提供してくれるものでした。

でもコンプロット10はペンを10本納めることができるただの収納ケースではなく、納めたペンをより美しく見せてくれる演出的な効果もあります。
保管庫としてのコンプロット10ですが、コンプロット4ミニはコンパクトでその日使うだけのペンを収納して持ち歩く、夢の小箱のような存在だと思っています。
木目の美しい木の宝石とも言える銘木をくり貫きという最もプリミティブな方法で美しさを残して、機能を付け加える。
工房楔の作品は全てがやりすぎないように銘木を生かすように作られていますが、コンプロット10もコンプロット4ミニも工房楔の良さが最も表れている作品だと思います。

*コンプロット4ミニは、花梨、ウォールナット、楓ちぢみ杢の3種類でのラインナップで、今の所ウォールナットはご予約をいただいてから1ヶ月後のお渡しになります。

⇒コンプロットサイトページへgid=2125800″ target=”_blank”>⇒コンプロットサイトページへ

中屋万年筆のオーダーの仕方

中屋万年筆のオーダーの仕方
中屋万年筆のオーダーの仕方

手作りオーダーの「中屋万年筆」のホームページを見ながら、無数にある組み合わせの中から自分好みの組み合わせを考えたり、試作品や特注で作られた過去の作品を見て自分ならどうするかなどと考えるのは本当に楽しい時間です。
時にはお客様からのご注文で、仕事としてそれができることは本当に恵まれていると思います。

先日、お客様からの依頼で、お持ちの濃紺のズボンのベルト(オーダー品)の色を、中屋の漆で再現してボディカラーにするということをしました。

出来上がってきた黒と見紛うばかり(光に照らしたり、黒と比べると分かるくらいの)の濃紺の中屋は、極太軸という、ホームページにはあまり表面的に出ていない直径17mmのボディで、迫力のある仕上がりとなりました。

極太軸は、碧溜め色のものを店でも作ってみました。
中屋万年筆の母体となっているプラチナが得意とする細字をその万年筆には装着しています。
いつも店でオーダーする黄金のコンビネーションとしては、濃茶のブライヤーにシルバーの金具を合わせるというもので、豊かで柔らかい木の手触りを持っていながら、凛とした締まった感じのものになります。

中屋万年筆の注文は、難しいと言われることが多く、その無限の組み合わせがお客様からすると難しく感じられるのだと思います。
中屋万年筆をオーダーをするにあたって、これだけの情報があれば作ることができる、というものを以下に挙げておきます。

(1)ボディのデザインあるいは素材を選ぶ⇒中屋HPサイト
(2)色を選ぶ:漆 11色・ブライヤー 2色・セルロイド 3柄 *あるいは特注色
(3)ペン先のサイズを選ぶ

カタログモデルとは違い、多くのバリエーションがありますのでお好きなサイズを選ぶことができます。

(4)ペン先の色(デザイン)選ぶ
金色そのままか、ピンクゴールド、ロジウム、ルテニウムあるいは金とロジウムの染め分けか、ボディの色、雰囲気を合わせて選ぶことができます。

(5)金具の色を選ぶ
クリップのついているものならクリップの色を選ぶことができます。リングもついていればリングの色も合わせましょう。

(6)オプションをどうするか
漆塗りのモデルでしたら、グリップに象嵌を埋め込むことが可能です。
その他小物もお選びいただけます。

(7)書き方(癖)を指定する
筆記角度(紙面とペンの角度)
ペン先の向き 親指側にひねるか、小指側にひねるか 真直ぐか
筆圧の強さ(弱い、普通、強い)
運筆の速さ(早い、普通、遅い)
書く文字の大きさ(大きい、普通、小さい)

非常に多くの選択肢があり、難しく、悩み多いものですが、考える楽しみ、悩む楽しみがあるものだと思います。

中屋万年筆は、最も日本的で美しいデザインを持った万年筆で、多くの人に使っていただきたいと思っています。筆記角度など、ご自分での判断が難しい場合は、当店でもご相談に乗りながら決めていただけます。
ぜひ中屋万年筆のオーダーにチャレンジして下さい。

*画像手前が碧溜塗りの極太軸の中屋万年筆です。

⇒Pen and message.オリジナル長寸用万年筆ケース