オリジナル万年筆 「 Cigar 」

オリジナル万年筆 「 Cigar 」
オリジナル万年筆 「 Cigar 」

Pen and message.として何か商品を企画する時、そのものだけでなく、精神性のようなものをそのものに込めたいといつも思います。
それは私自身がそういうものに惹かれるからでもあります。

ただのモノならすでにたくさん世の中に出回っている。
この店でないと作れないもの、この店の想いが込められたものが、オリジナル商品の理想だと思っています。
どこからか無理やり引っ張ってきたコンセプトやテーマはあまり楽しくないし、マーケティング理論を駆使するつもりもない、企画者である私自身が心から欲しいと思う商品を作ることがこの店にしかできないことなのだと思います。

私は40歳を過ぎた辺りから黒に金の万年筆に惹かれるようになりました。
黒いボディに金の金具でもいいですが、黒いボディに金のキャップが最も魅力的に感じる組み合わせです。
30歳代のついこの前まで、金のものなんて考えられなかったのに、好みというのは齢によって劇的に変わるものなのだと思いました。
黒と金、そこに私は最近そうありたいと思う、最も男っぽいモノを見たのだと思います。

10数年前までのペンのカタログには黒に金のペンがたくさんあって、各メーカー必ず黒いボディに金のキャップの男っぽいものがありました。
しかし、最近ではそういったものが消えていて、色鮮やかなものが大多数を占めるようになり、男性のもの、女性のものという区別がなくなってきたと思っています。
それはペンだけに当てはまるのではなく、他の分野でも同じようにモノはだんだん中性的になっていったように感じます。

男っぽさなどの言葉は何か時代遅れの言葉になってしまったように、黒金の万年筆も時代遅れのものになってしまった感があります。

でも時代遅れだからこそ作りたいと思いました。
「Cigar」という言葉には、そんな時代遅れの男のモノという意味を込めています。

オマスの日本代理店インターコンチネンタル商事のK女史がオマスとの交渉役をして下さり、当店の希望から、以前にどこかの国のオリジナルで作ったことがあるスターリングシルバーのキャップに金張りをして、バーメイル仕様にしてもらえることになりました。

そういった経緯もあって、3本のキャップリング、控えめな大きさのクリップ、グレカパターン入りの首軸のリングなど、「Cigar」には、アルテイタリアーナリニューアル前の旧型のパーツが使われています。
ボディ裏側には「ペンは生き方を変える」という言葉をイタリア語で素彫りしています。

私自身がそうでしたが、万年筆を使うことで本当に人の生き方が良い方向に変わると思っています。
万年筆店を始めたのも、私のように万年筆によって人生が良い方向に変わる人を増やしたいと思ったからなので、この言葉を彫刻するのも当店らしいと思いました。

オマスには一昨年、ルボナーの松本さんと分度器ドットコムの谷本さんとボローニヤの本社を訪ねていて、特別な縁や親近感を感じていましたので、オリジナル万年筆をオマスに作ってもらいたいと思っていました。

オリジナル万年筆「Cigar」は3月に完成予定です。
ご予約をご希望してくださる」方は大変お手数ですが、メール(penandmessage@goo.jp)
にお願いいたします。

*画像は合成画像のため、まだ商品はございません。ご了承下さい。