~ペンのアクセサリーという考え方~ ペンクリップ発売

~ペンのアクセサリーという考え方~ ペンクリップ発売
~ペンのアクセサリーという考え方~ ペンクリップ発売

店を始めたばかりの頃、あるお客様からペンを自分仕様にカスタマイズすることのできるものがあったらいいのにと言われたことがありました。
その言葉がずっと気になっていて、ことあるごとに頭の中でイメージするようになっていました。
車やバイク、ギターなどでも、愛用しているものをパーツを交換して自分だけの仕様にしたいと思うもので、様々な趣味の製品にはそういったものが発売されています。
これらと同じような考え方のものがペンにもあれば面白いとは私も思いました。

数年前、ラミーがアクセントというペンで、交換用のグリップを発売しましたが、これもペンのグリップを交換して自分だけのオリジナル仕様にするというもので、商業的に成功したかどうかは分かりませんが、実験的な試みで共感を持ちました。
ペンでアクセサリー的な要素の高いパーツと言えば、クリップであると多くの方が思われていると思いますし、クリップはペンの顔だと私も思っています。
クリップには「ポケットに挟む」「転がり防止」という必要な機能がありますが、全体のバランスを崩さないことも重要です。
そのためデザインに凝ったものは少ないようですが、その小さな部品の中に各メーカーのこだわりが形となって表れています。

クリップの機能とそれを形にしたシンプルなデザインのファーバーカステルや、控えめでありながらエレガントなデザインで、断裂などの事故を嫌い、一枚の板から形作ることにこだわったアウロラ。
まん丸の玉を付けたような特徴的な形のパイロット。
それぞれのメーカーがデザインと機能美をクリップで表現しているところから考えても、クリップはデザインにおいてとても重要なパーツであり、そのペンの個性を表現することのできるパーツだと思います。

上記の考え方から、ペリカンM800、M600に対応した交換用のクリップをシルバーアクセサリーとして作りました。

シルバーアクセサリーの作家として、コツコツとご自分の世界を表現するものを作っているきりさんに私のM800を渡し、デザイン、重さ、大きさなど検討に検討を重ねて完成しました。

M600、M800のペリカンをまた違う万年筆のようなデザインにしてくれる、存在感を増すためのアクセサリーだと思っています。
ペリカンのスーベレーンシリーズは、キャップトップのペリカンマークの外側にある、リングを回して外すと、簡単にクリップを外すことができます。
クリップがインナーキャップの奥にあるビスで留まっている万年筆が多い中、ペリカンだけはこのリングを取り外すだけで、クリップを外すことができますので、交換が可能になるのです。
型で作ったものを手触り良く、物が引っかからないように、丸みを持たせるのにきりさんはかなり苦労して1本ずつ丁寧に磨き上げたようですが、おかげでシルバーの重厚感を持ちながら、柔らかい感じのするものになったと思います。

ボディ、他の部品との雰囲気を合わせることができるように、光沢仕上げの磨きと渋いいぶしがあります。
大量生産の工業製品である万年筆に、より手作りらしさと、自分仕様であるというスペシャリティ感を感じていただけるものだと思っています。

初回ロット各20個ずつの販売になります。