先日からその進行状況を時々お話させていただいておりました、大和出版印刷のリスシオ・ワン紙を使ったダイアリーが完成しました。
ダイアリーは3種類あり、ウィークリー(見開き1週間)、マンスリー(見開き1ヶ月)、デイリー(1日1ページ)で、縦横15.8cmの正方形サイズになっています。
持っているところが美しく見えるということ以外にも、見開きしやすく、筆記スペースを確保しながら携帯性をも兼ね備えたサイズだと思っています。
細かい時間単位、分単位のアポイントが入ることが少ない私のように、移動せずに仕事している者にとって、時間軸に重点を置いたダイアリーは自分なりにアレンジして使う必要がありました。
それは時間ごとの細かなこれから何をするかという予定よりも、何があった、どのようなことをしたという記録の方に重点を置いた使い方が中心になるからでした。
1日1つか2つくらいの簡単な予定が書けて、記録を細かく書きたい。仕事もプライベートもこのダイアリーに全て収めたいという発想でこのダイアリーを企画しました。
リスシオ・ワン紙はペン滑りが良く、程よい最小限のにじみ、裏抜けのしにくさなどを兼ね備えた万年筆ととても相性の良い紙です。
更にこのダイアリーはページが開きやすくほぼ180度開くため、書き込む際にストレスを感じません。
表紙は比較的厚めの素材にして、記入時の安定性を考慮しました。
素材感が楽しめる紙を使い、それぞれ色の違うものにしていますが、ウィークリーは分度器ドットコムのブルー、マンスリーは大和出版印刷のグリーン、デイリーは当店のボルドーという意味合いになっています。
表紙に入っている、分度器と万年筆・ノートのイラストは、当店スタッフKのアイデアで分度器ドットコムの谷本さんと私が不慣れなイラストを描くことになり、2人とも悪戦苦闘しながら仕上げました。
恥ずかしながら、このダイアリーの目指す、自分なりに書く(描く)ことを楽しむという目的に合った表紙だと思っています。
分度器ドットコムの谷本さんは以前から正方形サイズのダイアリーを企画していましたが、なかなか実現が難しく、その企画を温めていました。
私もいつかは、と思っていたものの、現時点では難しいと思っていたので、谷本さんのパワーに感心していました。
そんな谷本さんの元に大和出版印刷と当店が結集することになったのは、大和出版印刷が開発した万年筆専用紙リスシオ・ワンの存在で、この紙でダイアリーを作るという企画に無理をしてでも参加したいと思いました。
当店で「万年筆で絵を描く」教室の講師をしてくださっている、神谷利男さんの描くことを楽しんでいるノートを見て、自分と万年筆の接点を振り返っていた時でもありました。
万年筆をなぜ使い始めたのか、それは「手帳をきれいに書きたい」からだったと思い当りました。
手帳を書くことは万年筆を使うことを楽しむことにつながり、それは趣味と言えるものかもしれないと思った時に、そのための手帳を作りたいと思いました。
仕事もプライベートも全て、同じ手帳に書いて、日常生活を豊かにしてくれる手帳、そんな手帳ができたら、万年筆を使う理由をより多くの人に提供することができるかもしれないと思ったのです。
1社だけで作るよりも意見を摺り合わせたり、方向性を決めたりすることは困難でしたが、大和出版印刷の多田さんが分度器ドットコムと当店の意見を取りまとめる大変な役回りを引き受けてくれて、何度も暗礁に乗り上げながらも完成させることができました。
今後、このダイアリーを活用するための革カバー(10月下旬発売予定)がル・ボナーの松本さんの企画、製作によって進んでいます。
ダイアリー本体だけに終わらず、さらに発展して、ダイアリーをコーディネートする楽しみもご提供したいと思っています。
私たちが企画したダイアリーが多くの方々のお仕事や家事、プライベートをより豊かにするお手伝いになればとても嬉しく思います。
使ってみていただいて、ご不満な点、改良するべき点などをお寄せいただいて、使われる方皆様と一緒にこのリスシオ・ワンダイアリーを来年以降もより使いやすいものにしていきたいと思っています。