分度器ドットコムイベント ”文旅”

分度器ドットコムイベント ”文旅”
分度器ドットコムイベント ”文旅”

先週の定休日、京都での打ち合わせの後、いつも乗る京都駅ではなく、四条河原町から電車に乗りました。
打ち合わせが早めに終わったので、夙川に寄って分度器ドットコムのお店に寄ろう、そして谷本さんと夕飯を食べようと思ったからです。

途中十三で乗り換えなければいけませんし、特急でも新快速よりも停車駅が多く、JRに比べて阪急は不便に感じてあまり利用することがありませんでした。
でも特急の停車駅が増えたおかげで夙川にも停まるようになり、分度器ドットコムのお店にも行きやすくなりました。
夙川駅に降りてから谷本さんに電話して、お店で待ち合わせることにしました。
人通りの少ない場所にあるそのお店の夜は、暗くなったばかりの時間でもとても遅い時間に感じられ、元町の人の流れから外れた当店の夜ととてもよく似ています。
店の立地としてはどうか分かりませんが、静かな日本の町の夜という感じがします。

分度器さんの店は、非常に品数が多く、しかも他のお店にはないような珍しいものばかりあります。オリジナル商品のアイテムが多いのと、独自で海外から直接買い付けている商品がたくさんあるからです。
どれも欲しいと思いながら、どうしても使いたいと思うものを選んで買い物をさせていただいて店を出ました。

谷本さんと夙川駅近くのとんかつ屋さんに入りました。
実は前日も谷本さんが夕方当店に来られて、少し話したりしていました。
9月10日からの分度器ドットコムイベント「文旅」の開催のための店舗見学ということもありましたが、2日連続で、しかもわざわざ会いに行くというのも変な感じかもしれませんが、いつもこうやって会って話すのがとても楽しいと思わせるのが谷本さんで、それはル・ボナーの松本さんにも感じています。

イベントについて話をした後、世間話や身の回りの話などをしていました。
谷本さんの会社は着実に大きくなっていて、売上も、スタッフの人数も増えています。
周りに対する責任の重さや期待は私の比でなく、それらの期待に応えようとするプレッシャーは相当なものだと思いますので、私たちと会う時だけでも力を抜いて、気楽でいて欲しいと思っています。
谷本さんと出会う前の私は、本当に狭い視野しか見えていなかったと思います。
谷本さんは旅先で見て気に入ったものを交渉して買い付けてきたり、様々な人にアプローチをかけてオリジナル商品を作ってもらったりしています。
海外のメーカーなどからも、直接やり取りして商品を仕入れていて、全てのお膳立てが整った上でしか仕事をしていなかった自分が恥ずかしくなりました。

6月のヨーロッパ旅行も、谷本さんがいなければ実現しなかったもので、海外も同じ地球の上だというように考えられるようになったことに感謝していますし、私の旅への渇望に気付かせてくれました。

谷本さんも私も常に旅をしていたいと思っているところがありますが、やはり仕事をしていると簡単に旅に出ることはできません。でもまた必ず旅を仕事にできるようにして、出かけたいと思っています。

私のライフワークが万年筆を使う人のためのものであるなら、谷本さんのライフワークは文房具を探して旅をするというもの。
理想とするオリジナル商品を作ってくれる人を探したり、見たこともない自分の美学に合った文房具を探して旅する谷本さんの文旅をテーマにした分度器ドットコムのイベントを9月10日(金)から9月30日(木)まで開催します。

⇒「分度器ドットコムイベント”文旅”」
9月10日(金)~9月30日(木)まで開催。土曜日・23日(祝日)は谷本氏来店予定です。(時間は未確定)

日本万年筆の伝統 セーラー木軸スタンダード

日本万年筆の伝統 セーラー木軸スタンダード
日本万年筆の伝統 セーラー木軸スタンダード

最近お客様とのやり取りの中で、手帳用の万年筆について考えることが多くありました。
仕事のほとんどがパソコンでの打ち込みで完了してしまい、手書きする機会はどんどん減っていて、万年筆が使われなくなってしまうのではないかという意識は常にあります。
でもそれ以上に、字を書かなくても生活していけることに対して、何か人の思考に悪い影響を与えるのではないかという気がしています。

しかし、手帳だけは手書きされていて、いくらI-phoneなどのデジタルツールが普及してもそう簡単に変わらないのではないかと思っています。

万年筆を使う人は、貴重な手書きの機会である手帳への筆記を万年筆でしたいと思うでしょうし、そうでなくても仕事をされている方が万年筆を使いたいと思うのは、手帳への筆記が目的であることが多いようです。

私は多くの方と比べると、まだ仕事の中で万年筆を使う機会が多い方ですが、やはり手帳への書き込みが一番多く、趣味に近い楽しみのひとつになっています。

手帳を楽しく、美しく書くにはやはり日本のメーカーの万年筆が向いていると思っています。
外国のメーカーのものは、どんなに細いペン先がついていてもインクの出が多いものが多く、にじみが出たりして、どうしても文字が太くなってしまいがちです。

後から見た時に見やすい手帳ということを考えると日本のメーカーの万年筆が優れていて、それは1960年代からしばらくの間一世を風靡したプラチナポケット、パイロットエリートに代表される日本特有のポケットタイプの万年筆からの流れなのかもしれません。

柔らかいペン先の書き味を楽しめる万年筆と正反対の存在であるこれらの万年筆は、手帳への筆記を中心に考えられていて、柔らかい書き味よりも線の美しさを追求していたように思います。

そしてポケットタイプの万年筆が手帳用に向いていた理由のもうひとつはその携帯性にもあります。
家でゆったりと書いている時はあまり関係ありませんが、仕事中など忙しい時に手帳に用件だけ書き込んですぐに仕舞うには勘合式でパッと閉められるキャップが適しています。

そうやって手帳用の万年筆に必要な条件を挙げているとピッタリな万年筆に気付きます。
黒檀、智頭杉(ちずすぎ)、鉄刀木(たがやさん)、の3種類の材質をラインナップさせている、セーラーの木軸スタンダードというシリーズです。

それぞれの材の手触りが感じられる最小限の仕上げは、長年の使用で光沢が増し色目が深まるという変化が見られ、ポリウレタン塗装が施された以前の仕上げとは飛躍的に変わったところだと思います。

愛着を持って使い込むことのできるボディは、コンバーターが入る最小限のサイズで、ポケットに差して使うのにもちょうどいいサイズです。

非常に硬いプロフィットやプロフェッショナルギアのクリップに比べてしなやかで使い易いものが付いているところも携帯に向いているところです。

ペン先が細字だけの設定というところにも、セーラーの意思が強く感じられ、手帳用の万年筆について考えた時に筆頭に挙げられるペンが木軸スタンダードです。


旧来オマスの魅力を持った新製品 ”クルーズ”

旧来オマスの魅力を持った新製品 ”クルーズ”
旧来オマスの魅力を持った新製品 ”クルーズ”

オマス本社工場のあるイタリアボローニャに、不安いっぱいで訪ねた私たちを満面の笑顔で迎えてくれた、オマスのエグゼクティブ韓国人のブライアン・リー氏が私にとってオマスの顔であり、イメージになっています。

イタリアの会社なのに韓国人の彼にオマスを感じたのは、彼自身が取り仕切るそのオマスという会社について、自信満々に、時にはライバル会社の悪口も言いながら説明するリー氏の、オマスが好きでたまらないという姿勢が、ドライなビジネスの世界に似つかわしくないように感じたからでした。

そんな彼が未発表の新製品について現物を見ながら説明をしてくださいましたが、その中に「アルテイタリアーナ・ミロード・クルーズ」もありました。

きれいな色のボディとスマートなデザインで、女性に向けた新しいモデルということで紹介されました。
しかしオマス本来の魅力は、軽くて、大き過ぎないボディと柔らかい書き味だと思っていますので、このクルーズのコレクションは、堂々とゴージャスになった新生オマスの中にありながら、旧来のオマスの魅力に近いものなのだと思っています。

実際クルーズは、オマスの予言通り、万年筆を使い慣れた女性たちから絶大に支持されています。
大きく重く、堂々としたオマスのサイズは多くの女性にはどうしても大きく感じられ敬遠されがちですが、クルーズのサイズなら使いやすいと思ってもらえるようです。

万年筆を使い慣れていない、初めて万年筆を使うという方、女性だけでなく男性にも使っていただきたい万年筆で、これからお勧めしていきたい万年筆のひとつです。

クルーズの実用面についてご説明しますと、ペン先は14金、あまり大きくはありませんがどの個体を試しても柔らかすぎず、良いフィーリングのものが付いています。

インク吸入機構は、カートリッジ、コンバーター両用式で、伝統的に吸入式が多かったオマスの中にあってよりカジュアルに万年筆を楽しみたいという希望にもかなったものになっています。

外出先での使用が多い方にも両用式は便利ですし、それが選択肢の多いヨーロッパサイズ(ペリカン、モンブラン、ウォーターマンなど多数のメーカーが対応)のカートリッジに対応しているとなれば尚更です。

創業時のオマスのペンは、アルマンド・シモーネがその才能を存分に発揮したアイデアルなものが大変多く、それらは今復刻しても人気が出そうなものばかりです。
現在のオマスは機構的にはより安定したオーソドックスなものを採用していますが、まだまだ独特のものを持っていて、他の多くのメーカーが意識しなくても似てしまうという、デザインにおいてのモンブラン的なペンデザインの方程式を採用していないところにオマスの独特のデザインの秘密があるのかもしれません。

完璧に思われるモンブラン方程式を使わなくても美しいペンを作り出すことができるということをオマスは証明しています。

訪問終了後、小さな本社屋の玄関で私たちと一緒にこっそりタバコを吸うエリートらしからぬ、リー氏の姿に遠くヨーロッパで会った隣国人の身近さも手伝って、この万年筆が重なります。

ラミーサファリ

ラミーサファリ
ラミーサファリ

池波庄太郎氏が「男の作法」という本の中で、ビジネスマンの万年筆は、侍の刀のようなものだから、立派な良いものを差しておかなければならない、という内容の話をされていましたが、そんなステイタスを語る「物」としての万年筆と対極にあるのが、サファリのような万年筆だと思います。

しかし、サファリに持つ人の主張を感じさせるものがないかというと、そんなことはないと思います。逆にこの万年筆だけを愛用しているという人からは、強烈なデザイン志向の強い人をイメージします。

たしかにサファリは、普通の万年筆と比べて価格も安く、ペン先は鉄、ボディはプラスチックでなるべく安い素材が使われています。
ですが他の万年筆にはあまりない、「自分はこの万年筆を愛用している」と自信を持って言える個性のようなものを持った万年筆だと思います。

直線を基調としたボディのデザインは、発売されて30年経った今でも古臭さを感じさせませんし、実用性においても不満の出るものでないことは、愛用されている方が多くおられることで実証されています。

ペン先はスチールですが、先端にはイリジウムがちゃんと付いていますし、使い込むと使い手の書き癖をちゃんと覚えてくれるようになっています。
硬いスチールペン先のフィーリングはひとつの筆記具の有り方として、あっても良いと思えるものです。

同じくらいの値段の万年筆はありますし、カジュアル万年筆というカテゴリーで新製品も次々と発売されていますが、いまだにサファリを超える存在のものは生まれていないと思います。

サファリは安くて手軽に使い始めることができる万年筆ということ以上に、使う人のライフスタイル、仕事の仕方などを物語るものだと思っています。
デザイン的にも一般的な万年筆と違っているところが、サファリが他の安価な万年筆と違って見えるところで、「サファリ」という筆記具と言ってもいいのではないかと思っています。

サファリには金ペンでないものは万年筆にあらずとか、何万円も出さないとポリシーを持って使う万年筆は買えないなどの万年筆の固定観念に囚われないところがあります。
コレクション心を満たすような所有感はありませんが、その時の気分で好みの色のものを買って、気分を変えて仕事をするにはとても良い万年筆で、仕事用の万年筆と位置付けることができるものなのかもしれません。
初めて万年筆を使う人も、万年筆を長く使ってきた人も、サファリを手にすると、決して侮れない存在感をそこから感じることができるでしょう。

⇒ラミー サファリ

雰囲気のあるペンということ

雰囲気のあるペンということ
雰囲気のあるペンということ

お客様がおられず一人で店にいる時、仕事の合間の息抜きに新しく使いたいノートやインクのことを考えたりすることがあります。

今使っているインクは実用的なことを考えてブルーブラックばかりですが、日頃あまり使わない色のインクを使い慣れた万年筆に入れたりすると、万年筆が違うものになったような気がして、万年筆ならではの楽しみだと思います。

ある人が、私がブルーブラックしか使わないのを見て、ドイツでビールを飲まないのと同じくらい、楽しいことに背を向けていると言いましたが、本当におっしゃる通りだと思います。
でも自分がノートや手帳に書いた文字が、全部同じ太さ、同じ色でないと気が済まない、ガチガチの生真面目な性格のために、ブルーブラックから他の色に変えて使うことを拒否し続けているのが、様々なカラーインクに私があまり手を出さない理由です。

40を過ぎてから、少しずつ「金色」に対する抵抗がなくなってきて、ペリカンM450というキャップと尻軸が金色(スターリングシルバーに金張り)の万年筆を手にしました。
30代までの自分なら絶対に使うことがなかったタイプの万年筆でしたが、なぜか急に気になり始めましたし、古典的なモデルの復刻という古典回帰なところも気に入って使っています。

特別なペン先の使用感もさることながら、置いている姿もコンパクトで、でも存在感があって、本当に良いペンだと思います。

このM450のように、素材の良さからくる雰囲気のあるペンがだんだん減ってきている気がしています。それは今の時代の物作りが、趣きとか雰囲気を求めない、あるいはあまり大切にしない時代になっているのかもしれないと嘆いたりしています。

金と言えばアウロラ88クラシックは、金張りのキャップに黒いボディという、今では異色とも言えるペンですが、このアウロラ88クラシックからは最近のペンにはない男らしさのようなものを感じます。

日頃から男らしく、タフでありたいと実は思っている私にとって、とても魅力的な万年筆のうちの1本で、男性のお客様にはよくお勧めしています。
これらの金の万年筆にエルバンのビルマの琥珀という金をイメージさせる色を入れたら、とても粋なのではないかと思って、M450にビルマの琥珀を入れてみました。

金の万年筆に金のカラーインク。悪くないかもしれません。


⇒ビルマの琥珀

ペリカンM205DUO

ペリカンM205DUO
ペリカンM205DUO

すでに完売してしまった万年筆についてですが・・・。

万年筆のデザインを愛でたり、仕組みを面白がるのはイタリア式の万年筆の楽しみ方かなと、先日のヨーロッパ旅行から帰ってきて思うようになりました。

長いバケーションや太陽が高いうち続く昼休みを習慣としているイタリア人にとって、時間はたくさんあり、万年筆との付き合い方も悠長なものになる、と想像しています。

それに対して、ドイツ式は全てに実用的な価値や理由を見出すのかもしれないと、希望的に思っています。

万年筆に実用的な価値を見出せれば、その万年筆を使う理由があるということで、万年筆を何本も持っていたとしても気に入ったその万年筆を購入できるかもしれません。
そういう理由からか、ドイツ人でなくても万年筆に実用的な理由を見出そうとする人は当店でも多くおられます。

ペリカンがワンタイムエディションとして発売したM205 DUOは、皆さまが思い浮かべる実用的な理由をメーカーが提案している、数少ないもののひとつだと言えます。

万年筆をラインマーカー代わりに線を引くのに使われている方は、私の知る限りでも10人はおられますが(中にはペン先に定規を当てて、金ペンの地金が片減りするのも気にしないツワモノもおられます)、多くは読書をする時や資料を読み込む時に使われているのではないでしょうか。

万年筆をラインマーカーとして使うには、その字幅が太くあって欲しいということで、M205 DUOは今までのM200番台のデモンストレーターモデルになかったBBのペン先になっています。
しかし、この万年筆において重要な要素占めるのは付属されているインクの存在です。

今までも、オレンジやイエローのラインマーカーのように使えそうなインクはいくつか発売されていましたが、染料系の万年筆のインクにおいてその発色はどうしても弱く、淡くて書いた文字が判読不能になっていました。

しかし、M205DUOのインクはかなり発色が強く、線を引いたところも何か書き込みをしても分かりやすく、よく使われている蛍光ラインマーカーと遜色ありません。

確かにハイライターインクだけあればドキュメントマーカーとして使うことができるのではないかと考えられて当然かもしれません。

しかし説明書に他の万年筆にこのインクを入れないよう注意書きがされていることや、発色が良く、耐水性もあることから顔料系のインクだと思われるこのインクの性質から考えて、他の万年筆にこのインクを入れるのはやはり覚悟が必要な気がします。

M205DUOのボディカラーがインクと同じ色なのは、中に入れるインクと合わせているという単純な理由だけでなく、実用的で合理的な理由があると思っています。

わざわざ万年筆をラインマーカーにしなくても、専用のラインマーカーが安い値段で発売されているではないかというご指摘も受けそうですが、日本の万年筆の使い手には、万年筆でラインを引くということに面白みを見出す、イタリア人的なところもあると思っています。

リスシオワン・ルーズリーフA5発売

リスシオワン・ルーズリーフA5発売
リスシオワン・ルーズリーフA5発売

先日リスシオワンの紙でA4無地のルーズリーフを発売したところ、少し高めの価格ですがなかなか好評です。
しかし、書類としてA4サイズが使われることが多くても、携帯するバインダーでA4サイズを使っている人は少数派のようで、A5サイズのご要望がたくさんありました。
たしかにA4サイズのバインダーを開くととても大きなスペースが必要で、会議などの場合、隣人の領域まで侵してしまいそうになりますし、出先でちょっと開いて見たり書いたりする時に、A4サイズはあまりにも大きいかもしれません。そんな皆さまの声にお応えしてA5サイズを発売しました。

今回のルーズリーフも無地だけの発売になっています。
なぜ無地だけかというと、A5やA4サイズの大きさは家庭用のプリンターで簡単に印刷できるので、自分のオリジナルフォーマットで使っていただきたいと思ったからです。

オリジナルのフォーマットを作るというのは、ノートを趣味として考える感覚があって楽しいものです。
私はこの自分仕様のフォーマット作りに結構のめり込んでしまって、時間を忘れていろいろなオリジナル罫線を作って遊んでいました。

そんな風に作った自分仕様フォーマットは、お恥ずかしながら「趣味の文具箱vol.17」で少し紹介されています。
そのフォーマットこれらは自分の仕事の中で、こうあれば自分が使いやすいと思う、完全に自分の都合に合わせて作ったものです。例えばこれを他の人が使うと不便な点もでてくると思います。

こんな風に皆様にもリスシオワンという書き味の非常に良い紙で、オリジナルのルーズリーフ作りを楽しんでいただけたらと思いました。

今後、ルーズリーフの展開にも力を入れて行きたいと思っていて、大和出版印刷のリスシオワンルーズリーフだけでなく、ル・ボナー製本革バインダーA4サイズ、A5サイズも製作中です。

初めはバラの紙だけでスタートしましたが、A5サイズ、正方形ノートと少しずつアイテムを増やして、少しでも多くのお客様にリスシオワンの紙を使った製品を使っていただきたいと考えています。
まだ、リスシオワンの紙を試されたことがない方は、ぜひ一度お試し下さい。
先日発売しました、限定生産の無地A5ノートは、リスシオワンにしては価格が安くなっておりますので、この紙をお試しいただくのにちょうど良いかもしれません。


旅の装備 ル・ボナーのペンケース

旅の装備 ル・ボナーのペンケース
旅の装備 ル・ボナーのペンケース

そろそろ夏休みということで、旅行の準備をされている方もおられると思います。
旅というのは、日常とは違う生活を送ることになりますので、その旅のためだけに何かを用意するとその後使わなくなってしまい、もったいないような気になります。
旅をきっかけに買い揃えて、その後も使えるような冷静なお買い物をお勧めします。

旅で役立って、その後の日常生活でも役に立つペンケースのご紹介です。

6月のヨーロッパ旅行では、万年筆3本とカッター、テープ糊、定規、ゲルインクボールペン、蛍光ペン、カートリッジインク、トラベルインクポットなどの文房具を持っていきました。
用意していた文庫本4冊はページを開くこともありませんでしたが、文房具は非常によく使いました。

主な用途は、旅ノートとして用意していたライフ本麻ノートに書くことでした。
たくさんの文房具を安心して持ち運びながら活用することができたのは、2つのペンケースの存在があったからで、それらのペンケースの使いやすさを旅先で再確認しました。

ル・ボナーの3本差しペンケースは、無骨なデザインで、ペン3本を収納するというよりも、守るという言い方の方が合っています。
頑丈なシェル構造で、中身にフィットせず、細身のペンでしたら中でカタカタ動きますが、強く押されても潰れることはありません。
旅の間中、ル・ボナーのパパスというショルダーバックにこの3本差しペンケースを入れて、いつも持ち歩いていました。

旅という極限(?)の状況では、その物の良さが非常によく分かりますが、ル・ボナー3本差しペンケースは旅で真価を発揮した旅の装備のひとつでした。

細々した文房具を収納するのにデブペンケースほどの収納力を持ったペンケースを他に知りません。

様々な文房具をまとめて入れておき、夜宿に帰った時にその日のレシートやチケットなどを旅ノートに整理するのに役立ちました。
(私が使っているのは、廃番になってしまったファスナー式の革の大きなペンケースですが、その便利さからル・ボナーのデブペンケースを見直すきっかけになりました。)

旅先の夜の過ごし方として、文字を書いたり、本を読んだりしてゆったりと過ごしたいと思っている人にとって、旅に持っていく文房具はとても深刻な問題ですが、いつも扱っている2つのペンケースを、自分自身の旅でさらに自信を持ってお勧めできる経験をしました。

ヘミングウェイにも勧めたい 楔ペンシルホルダートゥラフォーロ

ヘミングウェイにも勧めたい 楔ペンシルホルダートゥラフォーロ
ヘミングウェイにも勧めたい 楔ペンシルホルダートゥラフォーロ

ヨーロッパで読もうと思い、4冊ほどヨーロッパや旅に関連した文庫本を用意していましたが、結局1行も読まずに帰って来ました。
帰ってからの時差ぼけは、昼間異常に眠くなるという困った事態も引き起こしますが、夜12時過ぎから目と頭が冴えてきますので、何か書いたり、読書をしたりする時間と集中力をくれました。
そこで、ヨーロッパで読めなかった本を今頃読み始めています。

それらの本は旅から帰ってきた余韻に浸るにはとても良く、楽しい読書の時間を過ごしています。
その中に、ヘミングウェイが晩年に修行時代を回想して書いた「移動祝祭日」(新潮文庫)がありました。

⇒工房楔「トゥラフォーロ」cbid=2557546⇒工房楔「トゥラフォーロ」csid=7″ target=”_blank”>⇒工房楔「トゥラフォーロ」

当時、芸術家の街として黄金期を迎えていたパリに住んでいたヘミングウェイは、多くの作家、画家、評論家と親交を温め、援助を受けたりしていました。
スコット・フィッジラルドを思い出して書いた章は壮絶で、特に面白いと思いましたが、まだ代表作と言える長編を持たず、それを書かなければいけないことは分かっていても、その長編の書き方もよく分からないヘミングウェイの焦りも書かれています。
パリ時代のヘミングウェイは、自宅の書斎ではなくいつもカフェで仕事をしていました。
作家と名乗る者は皆、自分のカフェがあり、その店をとても大切にしていましたし、そこをある種の縄張りのように思っていたところがあります。
1日中カフェのテーブルに向かい、コーヒーや酒を飲みながら一心不乱に執筆に集中し、時には通りを行く人たちを見ながら思索をすることが、ヘミングウェイの作家としての仕事の仕方でした。

カフェでのヘミングウェイの仕事道具は、草稿を書き記すノートと鉛筆、小さな鉛筆削りでした。
万年筆を使っていて欲しいと思いましたが、この本のどこにも万年筆は出てきませんでしたし、屋外や長期の旅での使用を考えると鉛筆にノートというのが道具の選択としては妥当なのかもしれません。
細い鉛筆で丸1日原稿を書いていると恐らく手も疲れただろうと思い、そんなヘミングウェイにあれば喜んだだろうと思うのが、工房楔のペンシルホルダートゥラフォーロでした。

短くなった鉛筆を使いやすくする道具がエクステンダーで、トゥラフォーロは長い鉛筆をそのまま使うことができるため微妙に目的が違うかもしれませんが、筆記時のバランスがとても優れています。

おそらくボディ先端部だけでなく後端部にも金具があるため、バランスが取れているのだと思われますが、適度に鉛筆を寝かせて書くことができ、これがとても楽なのです。
高い技術で加工された表面部は滑らかで、スベスベしていて気持ちよく、オリジナルで作られている真鍮の金具はアルミ製のキシキシした使用感ではなく柔らかく、でもしっかりと鉛筆をホールドします。

万年筆を使い慣れた人が鉛筆の持ち替えた時の軽さや角度の違和感を無くし、しかも楽しく使うことができる道具が、ペンシルホルダートゥラフォーロなのだと思います。

⇒工房楔 トゥラフォーロcbid=2557546⇒工房楔 トゥラフォーロcsid=7″ target=”_blank”>⇒工房楔 トゥラフォーロ