追い込まれて出会った道具「Liscio-1薄型ノート」

追い込まれて出会った道具「Liscio-1薄型ノート」
追い込まれて出会った道具「Liscio-1薄型ノート」

こんなに緊張することは人生においてあまりないのではないかと思いました。
大和座狂言事務所の狂言の公演間に行われる、基調講演というものがあります。それは公演ごとにあらゆる分野の専門家が壇上に立ち、古典文化とのつながりや精神性について話すというものでした。

お客様である、大和座狂言事務所の安東先生から出演の依頼をいただき、大勢の人の前で話す事が苦手な私ですが、万年筆の事を一人でも多くの方に知って欲しいという気持ちから思いきってお引き受けしたのです。

基調講演自体は時間が足りなくなって、皆さまにご迷惑をおかけして自責の念にかられていますが、人前で話すことに対する度胸みたいなものはついたのではないかと思っています。

今までになかった負荷の中で、様々なご配慮をしてくださった大和座狂言事務所の方々の気持ちが心に沁み、感謝しています。

今回の基調講演のために本当は半年前から色々考えていたのですが、やらなければいけないというリアリティを持って取り組んだのは夏になってからでした。
それでも数ヶ月もの時間がありましたが、毎日減っていくカレンダーに焦りながら、とにかく何かをやらなければならないという気持ちで、無駄な作業もたくさんしていたようにも思います。

まず、講演で話す内容を項目ごとに細かく情報カードに書いていきました。先に情報カードにタイトルだけを書き、順番を決めてから、箇条書きで内容を情報カードに書き込んでいくのです。
それを元にパソコンで原稿を作り、声に出して読んでみたりして、そこに手書きで修正、加筆などしていきました。
その原稿をもとに、また声に出して読んでみたりしましたが、私の場合は間の流れがつかめず上手くいきませんでした。

こういうやり方があったのだと思ったのは、かなり講演が迫ってからでした。

話す内容が決まったら、順番や項目、内容の箇条書きを見ながら、その内容をひたすら書くということが、結局私に合っていることが分かりました。
話したい内容をひたすら書いていくと、自然と頭に入っていき、内容も練られていくような気がします。

そういった作業に向くのは、立派な厚いノートではなく、薄型のひとつのテーマで使い切れるようなノートが良いと思いました。
私が使ったのは、大和出版印刷のリスシオ1薄型ノートで、綴じ方もホッチキス留めなので、折り返してつかうのにも便利です。
1時間半の講演の内容をひたすら書いて、ちょうど1冊使い切るくらいの分量で完結します。
そうやって書いたものは、そのまま講演のカンニングペーパーになりました。

いろんなものを使って、無駄な作業を繰り返して、たどりついた道具、それが本当に簡単な薄いノートで、その存在はとても有難く感じられました。

*出演直前の最終確認中の画像です
⇒Liscio-1(リスシオ・ワン)薄型ノート横罫・方眼
⇒Liscio-1(リスシオ・ワン)薄型ノート無地