唸らせるペリカンらしさ M320 ルビーレッド

唸らせるペリカンらしさ M320 ルビーレッド
唸らせるペリカンらしさ M320 ルビーレッド

発売予定から1年遅れて、やっとペリカン特別生産品M320ルビーレッドが発売されました。
ペリカンはミニサイズのスーベレーン300シリーズをベースに、定期的にM320という特別生産品を色を違えて鮮やかな色で発売していて、前回はグリーン、その前はオレンジで、どちらも定番品とは違うボディとキャップが同色のタイプでした。
今回のルビーレッドは、明るめの鮮やかな色合いの以前のものと比べると、少し落ち着いたイギリス風な(?)印象を受けます。

M300、M320ともにミニペンというサイズながら、他のスーベレーンのシリーズと同じように回転吸入機構を備えた吸入式の万年筆で、万年筆の面白みを理解しているペリカンらしいところだと思います。
しかも非常に小さなペン先であるにも関わらず、柔らかくて味わい深い書き味を持たせているところもまたペリカンらしいと唸りました。

万年筆は1本だけ単体で持つよりも、何か自分なりに取り合わせを考えて、何本かまとめて持つ方が道具として楽しいと私は思っています。

例えば3本の取り合わせなら、細字、中字、太字の字幅で万年筆を同色のもので揃えてみたり、同じ素材の(例えば木など)ボディにしたり、取り合わせる共通点は非常にたくさんあって、他人から理解されなくても、自分の好みというか、美学で決定すればそれが一番楽しい。

どのペンとどのペンを組み合わせないといけないという規則もありませんので、お好みで自由に楽しんでいただきたいと思います。

でも、個人的にペンの取り合わせで一番美しく、贅沢なのは同じペンで取り合わせることだと私は思っています。
同じ形で色だけ違ったペンを字幅違いやインクの色違いで3本ペンケースに入れて持っていると、統一された道具感が強くなって、面白みも強くなると思いませんか?

子供の頃、あまり高いものではありませんでしたが、金属のケースに入ったツールボックスをねだって買ってもらった思い出があります。

何かのために使うからという用途はなく、ただ統一感のあるその道具のセットというものに強く惹かれたからだったと思いますが、ドライバーやレンチなど、たくさんの工具が整然とツールボックスに収まっている姿を見るのはワクワクするもので、使わないのに何度も出しては仕舞ってを繰り返していました。
ペンケースにそれぞれ役割を与えたペンを統一感を持たせて持ち歩くのが楽しいのは、このツールボックスに惹かれた気持ちと同じなのかもしれません。

ペリカンは、定番品のM300やこのM320をピッタリと入れることができるミニサイズの3本差しのペンケースを発売していて、ここにこれらのペンを取り合わせて入れるというのは、非常に満足感のある取り合わせですが、ペリカンはそんな楽しみも理解しているとすれば、このペンケースに300番台の万年筆やボールペンを3本揃えて入れるのはペリカンの思うツボなのでしょうか。


⇒ペリカン ミニペンケース