旅に携える万年筆

旅に携える万年筆
旅に携える万年筆

旅というほどではないけれど、プラチナ萬年筆の工場見学のために東京に1泊2日で出掛けます。(注:これを書いたのは5月11日です)

その時にカメラにどのレンズをつけていくかも大事なことですが、もっと大事なのはどの万年筆を持っていくか、ということに気付きました。
プラチナ萬年筆の工場に行くので、プラチナのペンということになり、ブライヤーとプラチナプラチナを持って行きます。
以前ある国産万年筆メーカーに行った時に、国が違うからいいだろうと思って、アウロラオプティマを胸に差して行ったことがありましたが、「吉宗さんはアウロラを愛用されているのですね。ウチのペンもぜひ愛用して下さい」ととてもソフトに言われたことがあって、「しまった」と思ったことがありました。

それは当然のことで、日本の万年筆メーカーも今や海外のものをお手本にして万年筆を作っているわけではなく、日本の万年筆の良さを前面に押し出して互角に勝負しているわけなので、誇りを持ってやっている人なら気になるところだろうと、反省しました。
この辺りのことは、お客様方の方が気が回って私のような失敗をすることはないのかもしれません。

以前旅行者用の万年筆として、モンブランやオマスなどの吸入式を中心に作っているメーカーがカートリッジ式の万年筆を出したことがあります。
いずれも旅行用のような扱いで、やはり旅にはボトルインクを持ち歩く心配の要らないカートリッジ式が便利だと言えます。
カートリッジで万年筆を使うことは、インクにこだわる人ほど少なく、コンバーターでボトルインクを吸入させて使う人が多いと思いますが、私は国産の万年筆は余程のことがない限りカートリッジインクで使っています。
ただインク交換が面倒臭いというわけではなく、日本の万年筆はメーカー純正インクで使う方が上手くいくと信じているからです。

コンバーターで他社のインクを入れて使うより、カートリッジの純正インクを使う方が快適に書くことができるということを今まで何度か経験してきました。
性能が良く、個体によるバラつきが少ないと言われている日本のメーカーなのに不思議な気がしますが、日本の万年筆メーカー各社がそれだけギリギリの線を狙った、攻めの万年筆作りをしているからだと私は思っています。
万年筆の理想は、インク出は少なめに、でも途切れず書き味良く書くことができることだと思っていますが、これを高い次元でバランスを取ろうとすると、インクが違う性質のものになると崩れてしまいます。
この点、海外のメーカーは余裕を持たせているのか、他社のインクでもストレスなく使うことができたりしますので、純正のものに限らず自由に使うことができると思っています。

でも日本メーカーのカートリッジはだいたい1cc以上は入っていますので、色を選ぶ自由度が少ないということ以外問題はないので、旅に携える万年筆としての資質は十分だと思います。旅に携える万年筆のひとつとして、国産の万年筆も考えてみたいと思います。

以前、ヨーロッパ旅行に行った時、ずっとプラチナブライヤーを使っていました。
プラチナのカートリッジのブルーブラックの、どんな紙でもにじみが少なく、同じように書けるところもが大変便利に思いましたし、飛行機の中でインクが漏れることもありませんでした。
パチンと閉めることができる勘合式のキャップも使いやすい。
そして何よりも、予備のカートリッジが数本あればいいという手軽さは大変有り難く感じました。

コンバーターでのインク棚釣りによるインク途切れなどの相談を受けるのは、国産の万年筆に関してが多いので、少しつまらなく感じるかもしれませんが、純正のカートリッジインクを入れた国産の万年筆を旅に携える万年筆の候補として、お考えいただけたらと思います。

⇒プラチナ萬年筆 ブライヤー
⇒カンダミサコ 小長持ち(カートリッジケース)