自分だけの名品を探して~ウォールエバーシャープ~

色々なものの好みと同じように、服装もカジュアルで自然体なものが好みです。

基本的にジャケットにデニム、革靴という組み合わせが好きで、それぞれどのブランドがいいという決まったものはないけれど、お店やネットで見つけたものが自分の好みに合っていたらそれでいいと思って、こだわりなく必要な時に買っています。

デニムは、こだわりの強い国産メーカーのものよりも、どこかの服飾ブランドのものの方が自分の感覚には近くて、そういうものの中から選んでいました。でも最近は始めから色落ちしていたり、ダメージ加工をされたものが流行しているようで、好みに合わなくなっていました。

GAPはファストファッションの代表のようなブランドですが、GAPのデニムの中に、日本のカイハラの生地を使った、リジット(未洗い)でスタンダードな型があるのをネットで見つけて履くようになりました。

最初はカチカチのデニムが、履いては洗うを繰り返すうちに、少しずつ縮んで馴染んでいくのが楽しく、生地がいいので数日続けて履いてもヨレヨレになりません。今はそればかり何枚も買って、毎日履けるようにしています。

その仕様が自分の好みに合っているから選びましたが、雑誌やネットの評価を気にせず、自分で見つけ出せたことが嬉しい。

そういう評判になっていない何でもないものの中から、自分にとっての宝物を見つけることを色々なものでできたらと思っています。

もちろん万年筆でもそういうものを見つけて、紹介していきたいと思います。

ウォール・エバーシャープデコバンドは、皆様に見つけて欲しいと、当店で直接輸入して扱っている万年筆です。

モンブラン149とほぼ同じ大きさのオーバーサイズのボディに、大きなペン先を備えた万年筆で、ゴツゴツとした武骨なデザインは、アメリカ製らしさに溢れています。だけど使い始めると、日本の文字と相性がいい万年筆だとすぐに分かります。

デコバンドのペン先は、とても柔らかいスーパーフレックスニブと、弾力のあるフレキシブルニブの2種類があって、硬い方(といっても充分に柔らかいけれど)のフレキシブルニブは、美しい日本の文字を書くために生まれたのではないかと思えるほど、強弱のついた筆のような文字を書くことができます。

私も気合を入れて手紙を書く時はデコバンドを使いますが、日本の中字に近い字幅も手紙には合っていて、自分なりにいい文字が書ける万年筆だと思っています。

デコバンドは、尻軸を引っ張り出して押し込むことでインクを吸入、排出する機構を備えていて、インクの交換や洗浄も楽なところも気に入っています。

ウォール・エバーシャープにはもうひとつシグネチャーという万年筆があって、デコバンドより一回り小さなレギュラーサイズの万年筆です。

これもデコバンドのフレキシブルニブの動きをコンパクトにしたような、似た良い書き味で、持ち運んで使うなら、シグネチャーの方が使いやすいでしょう。

例えばモンブラン149や146、ペリカンM800、アウロラが良いものであることは、ある程度万年筆に知識があれば誰でも知っていることだし、私も安心してハードに使うことができる万年筆はどれですかと聞かれたら、それらを勧めると思います。

でもウォール・エバーシャープの武骨なデザインながら、繊細で良い書き味を持った万年筆も、それを使う人だけの宝物になるのではないかと思っています。

色々なお店で売っているメジャーな万年筆ではないけれど、使う価値のあるいい万年筆だということを知って欲しいと思っています。

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