590&Co.さんとの出張販売

今の時点で確定している出張販売のスケジュールを公開しました。(⇒出張販売スケジュール)

今だに続くコロナ禍での生活にも、気付けば慣れてきた。でも仕事の立場上遠出を控えなくてはいけない方も多くて、何となく不自由に感じられていることが多いのではないでしょうか。

そういう方々のためにも、また出張販売に出ることにしました。

店の仕事を淡々とこなすのも楽しいと思い始めていました。外に出ない生活が当たり前になっていて、家と店を往復する日常も良いものだと思っていたけれど、このまま店の中にいると仕事が決まった中で回るだけのような気がして、焦りのようなものを感じ始めていました。やはり色々なお客様に会って、刺激を受けたい。

どうせなら1年かけて、日本中を巡るくらいのことをしたいですが、店での仕事もありますので月1回くらいのペースになっています。

2月に590&Co.の谷本さんと晩御飯に行った時に、一緒に出張販売をしてみようかという話になりました。

谷本さんのことは、前職の時に取引先の人から「レストランを経営していた人が分度器ドットコムというステーショナリーのWEBショップを立ち上げた」と教えてもらったことがあり、密かにすごい人だと思っていました。

最近では2軒目の590&Co.まで立ち上げられて、やりたいことが次々と溢れてくるようです。

知り合ったのはこの店を始めた頃で、先ほどの取引先の方の紹介で分度器さんのオフィスを見学させてもらった時からでした。

ル・ボナーの松本さんとともにヨーロッパに買い付け旅行に行ったこともあるし、長い付き合いになります。色々な人と知り合ったり疎遠になったりを繰り返してきたけれど、谷本さんとはずっと続いています。

同い年で気が合うということもあるけれど、私は何よりも谷本さんの仕事の才能や目端が利くところを尊敬しています。

そんなおじさん二人の出張販売ですが、当店と590&Co.さんとの共同出張販売なら喜んでくれるお客様も多いと思うし、何よりも自分たちが面白いと思いました。

合同出張販売の名前を“&”としました。

両店名に&があるし、当店と590&Co.さんとの&、お客様と私たちの&、人と人との繋がりを表す記号。この企画はまさに様々なつながりから生まれたものだと考えるとピッタリなネーミングで、このコンセプトとネーミングは谷本さんの頭の中に密かにあったようでした。

開催場所についていろいろ探してみましたが、横浜という場所に思い当った時に、&の最初の開催場所にピッタリだと思いました。

私たちのお客様もたくさんおられるし、横浜の方がはるかに大きな街ですが、神戸に近い雰囲気を持った街だと思っています。

私の息子が初めて一人暮らしを始めたのが横浜市伊勢佐木町で、「& in横浜」 の会場も伊勢佐木町の駅の近くなので様子が分かっているし、交通の便も良いので来てもらいやすいと思います。

出張販売の品揃えを考えると自分の店の弱いところがよく見えてしまいますが、最近は充実してきたと思っています。

オリジナルインクはずっと販売してきた8色の他に、昨年新たに3色追加しました。神戸ペンショーで完売してからしばらく品切れしていましたが、再入荷しました。

「虚空」は、机から目を上げてふと見た何もない空の色を表現した色でした。その時井上靖の”天平の甍”を読んでいて、仏教的なものに惹かれる気分でもあったのかもしれないけれど、色のイメージを表した名前だと思うし、力の抜けた自然体な良い色だと思います。比較的乾きが早くて、にじみの少ない扱いやすいインクです。

「稜線」には金ラメ入りと銀ラメ入りがあります。

私が普段見る山はいつも町から見上げたイメージなので、幼いころ母の実家でよく見ていた、四方山に囲まれた信州の風景が思い出されます。朝日が差してきた頃銀色に輝く稜線、夕日に照らされ金色に染まった稜線という、郷愁の景色を連想させるインクができたと思います。

今回から「稜線・銀ラメ入り」はラメの量をかなり増量しました。

私は横浜での出張販売「&」の後、札幌、東京での出張販売を続けますが、久し振りの旅を楽しみにしています。

⇒オリジナルインク虚空・稜線(金ラメ入り)・稜線(銀ラメ入り)