綴り屋イベント入荷商品掲載

12月に開催した綴り屋さんのイベント後に仕入れた万年筆を、年明け最初の営業日である今日、WEBショップに掲載しました。

アーチザンコレクションは綴り屋さんで最も話題になっている最近の代表作です。綴り屋の鈴木さんの物静かな雰囲気からは想像できない、それぞれの素材を荒々しいほどに生かした万年筆です。

木軸のペンはどの作家さんのものか私には分かりにくいものが多いですが、綴り屋さんのものは一目で分かります。中でもアーチザンコレクションはすぐに綴り屋さんと分かる強烈な個性を放っています。

今回は新たにメープル、アンボイナバール(花梨こぶ杢)を使ったものが入荷しました。

綴り屋の鈴木さんはペンの素材として様々な木を使われますが、木にこだわるというよりは、ペン作家という言い方が合っていると思っています。

エボナイト、アクリルレジンなどの素材も使い、木もそういった鈴木さんが使う素材の中のひとつです。

そういう立ち位置なので、木という素材を思いきり生かしてペンにすることができた。綴り屋の鈴木さんだからこそ、アーチザンコレクションを作り出すことができたのだと思います。

今回初登場の「漆黒の森・テクスチャー溜塗」は、鈴木さんが4種の工具を使って表情を出したエボナイトに、同じ塩尻市の木曽漆の巨匠小坂進さんが溜塗を施したものです。

溜塗は下地に色漆を塗り、表面に生漆を塗っていますので、エッジの部分は使っているうちに少しずつ下地の色が出てきます。

この特性を生かして、溜塗の表情が出るように凹凸面をエボナイトのキャップと軸に作っています。このユニークな加工がテクスチャー表現で、鈴木さんらしい面白い他にない工夫だと思います。

「&one」は今回のイベントを記念して作っていただいた、漆黒の森をベースにした特別な万年筆です。

アクセントになっている部分に、当店のショップカラーをイメージしたパープルハートと590&Co.さんをイメージした黒檀を使っていただき、通常はシルバーですが金色の真鍮リングを使っています。

従来の漆黒の森とは雰囲気の異なる、特別な1本になりました。

次回の綴り屋さんのイベントは今年の8/24(土)・25(日)を予定していますが、毎回こういった限定品を作っていただきたいと思っています。

「フォーダイト」は、デトロイトにあったフォードの工場から発見された人工の鉱物です。

当時車の塗装は、ラッカーで塗った後加熱処理をしていました。床や壁に飛んだラッカーが何層にも重なり、色の層になっていたのを工員さんが発見しました。

フォーダイトは偶然出来上がったもので新たに作ることができない希少な素材です。綴り屋さんは、細軸の月夜にアクセントとしてフォーダイトを組み合わせました。月夜は筆のような感覚の扱いやすい万年筆で、当店で14金10号ペン先を装着しています。

綴り屋さんのペンで個人的に気になっている万年筆は静謐です。

太軸で万年筆らしい堂々としたシルエットですが、エッジ部分は鋭く繊細なラインで、綴り屋さんらしい研ぎ澄まされた美しさを感じることができます。当店では静謐の太軸に見合った、大型の14金15号ペン先を装着しています。

人気のあるアーチザンコレクションはこの静謐がベースになっています。

イベントから1か月近く経ってしまいました。

大人の落ち着いた豊かな時間が、そのイベントには流れていたと思います。そんな人たちの興味を引き、集めるのも綴り屋のペンの魅力なのだと改めて思っています。

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