フォーマルな万年筆

5/3(月祝)、店は営業していますが、私は息子の結婚式に出席するためにお休みすることになっています。

本当は昨年のゴールデンウィークに式を挙げる予定でしたが、緊急事態宣言が出たこともあり延期することにしました。

結局今年もあまり変わらない状況になってしまいましたが、両家数名だけでの結婚式なので、ホテル側とも相談して行うことになりました。

私は新郎の父ということになりますので、身内だけではありますがお約束の挨拶をしないといけません。自分らしいと思って可笑しかったのは、その挨拶を考えるよりも先に、息子の結婚式の記念になるものを自分に買いたいと思ったことでした。

そのものを使う度に、これは息子の結婚式の時に買ったものだと思えるものを買いたいと思い、どうせならいい靴を買って記念にしようと考えました。結婚式に履いて、普段も履いて、その時に履いた靴だと思いたい。

ただ結婚式で履く靴には決まりがあり、特に新郎の父はモーニングを着るので、よりフォーマル度が強い。

靴は内羽根式のストレートチップというのがフォーマルな靴の中でも一番格式が上だということになっていて、新郎の父はそれを履くことがマナーになっています。その場を大切に思っている気持ち、結婚する二人、相手の親御さんに対する礼を表すためにもそれを守りたいと思いました。

普段のカジュアルな服装にも何とか合わせて履こうと思って、その形の靴についてしばらく研究していましたが、やはり私の普段の服装には合わないと思い直し、前から持っていた冠婚葬祭用のリーガルを履くことにしました。

わざわざ買わなくても持っていたのですが、上手くいきませんでした。

靴にはこのように厳格なデザインによる線引きがありますが、万年筆ではどうだろうかとふと思いました。

万年筆において正式と言われることはないと思いますが、結婚式などのフォーマルな場ではあまり派手なものよりも、定番品のようなシンプルなものが合っていると思います。それは服装と同じなのかもしれません。

オーバーサイズは目立ちすぎるし、レギュラーサイズでも普通のボールペンやシャープペンよりは大きく感じます。その辺りを考慮すると、レギュラーサイズよりも小さめのペンの方が慎み深さを表しているようで、フォーマルに合っていると思います。具体的に言うと、ペリカンM600、M400、ファーバーカステルクラシック、クレオスクリベントゴールドなどがこれにあたると思います。

ファーバーカステルクラシックなどはこういうフォーマルな場に相応しい抑えた高級感があるように思います。もちろん合わせるペンシースは黒です。

繰り返しますが、万年筆においてフォーマル、カジュアルはそれほど厳格ではなくて、どちらかと言うと個人のセンスが表れるところだと思います。

だからこそ、礼の気持ちを表現した自分なりの万年筆選びしたいと、結婚式を口実にした万年筆を選びをしてもいいのかもしれません。

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