夏の服装と首からさげるペンケース

万年筆を使う人は意外とせっかちな人が多いと思っています。きっと私もそうなのだろう。

ノートや手帳によく書き込みますが、すぐに書けるようにペンはすぐ手の届くところにあって欲しい。

上着のポケットに挿せればいいですが夏はそうはいかないし、布地を痛めたり、クリップが広がったりしたら嫌なのでできればしたくない。今年の夏は特に上着を着たくないほど暑いし、これからこの傾向は年々強まっていくのだと思います。

首からさげるペンケースが欲しいとずっと思っていたのですが、今年やっと完成させることができました。

数年前からいろいろ構想していて、市販のものをいくつか使ってみたりしていました。家を出る時にペンケースを首からさげて、バスと電車に乗って出勤する。すると道中書きたいことがあったらすぐにペンを取り出せるので、とても便利でした。

朝出かける時に首からさげるペンケースに入れるペンを選び、そのペンで一日書き物をすると思うと、何となく選ぶ行為も真剣になります。

通勤中も首からさげて公共の交通機関に乗りますので、そういうことも考えてここに入れるペンを選ぶ。

持ち運んで出先でも使うということを考えるとモンブラン149は丈夫で向いていると思いますが、有名な天冠のマークがあまりにも声高に主張しているように思えて何となく気後れしてしまいました。

その点アウロラはそういう気持ちにならず、88ゴールドキャップを入れることができました。また、一目で分かるマークが入っているのにペリカンは気後れしませんでした。M600もM800もM1000も収納することができます。

このペンケースを作っていただく時に、太いペンも細いペンも収納できるようにしたいと考えました。またペンケースに傷がつくし、クリップも広がるような気がしますので、革部分にクリップを掛けることをなるべくしないようにしたいと思い、レンマの藤原さんと鈴木さんに相談しました。

私が描いたものは少し違った形をしていましたが、製作者の鈴木さんはさらにシンプルにスッキリした形にして、このペンケースを実現してくれました。

ペンケース入口にあるステッチがポイントで、ペンケースの断面が三角形になるようになっていますので、細めのペンを入れる時はステッチの辺りをつまんでいただくと狭くなってしっかりとホールドしてくれます。スペース自体には余裕がありますので、モンブラン149くらいの太めのペンでも入れることができます。

出来上がってみると私の想像していたものよりもずっと良く、こういうものを生み出せるということがレンマさんの力なのだと思いました。

ペンケースは様々なサイズに対応していて、上質感のある革の編みひもの長さも調整できるようになっています。

革はミネルヴァリスシオ革で、使っているうちに艶が出てきます。特にナチュラルは劇的な変化をしてくれると思います。

首からさげるペンケースを作ることは長年の悲願で、何度も構想してスケッチを描いていましたが実現しませんでした。

でもレンマの藤原さんや鈴木さんが作り上げてくれました。

首からさげるペンケースは万年筆を便利に使うためのものですが、万年筆を使うライフスタイルを象徴するものだと思っています。

⇒首からさげるペンケース

そのまま使えるメモホルダー

手帳やノートはこだわりますが、ブロックメモにはあまりこだわりがなく、いつも手近にあるものを使っていたような気がします。しかし毎日の仕事や生活の中で実は一番使用頻度が高く、とても便利なもののひとつです。

ブロックメモを使う時必要なのは1枚だけの場合が多いと思いますが、便利さだけでなく、常に大量の紙がそこにあるという、安心感まで与えてくれるものだと思います。

この紙の束が、机の上や電話の横などの定位置にあってほしい。

先日ツバメノートさんがノートと同じ中性クリームフールス紙で作ったブロックメモを発売されました。しかも方眼罫や横罫、ToDoリストなどもあって、メモに遊び心があるのも楽しいと思いました。

ノートと同じ紙なので万年筆での書き味はもちろん良いし、にじみ、裏抜けが少ないので安心してお使いいただけます。特にこの紙は万年筆はもちろん、鉛筆やボールペン、あらゆる筆記具で快適に使えて、メモという用途から考えるとそれは大切なことだと思います。

以前からある神戸派計画さんの「グラフィーロ」のブロックメモも人気の商品で、たまたま両方同サイズということもあり、ホルダーがあればもっと楽しく使えると思いました。そこで、専用のメモホルダーをカルトナージュの作家さんに製作していただきました。

当店が出張販売の時使っているオリジナル万年筆と、試筆用万年筆を収納しているケースを作って下さった作家さんで、それらのケースは持って行った先々でお客様方からよく褒めていただきます。それらのお仕事振りから安心してお願いすることができました。

メモが減ってもホルダーに置いたまま書けるように、様々なペンの持ち方(右利き/左利きも含め)でも書けるように、ニ辺を空けた仕様にしました。

とても使いやすく美しい、温かみもあるメモホルダーができたと思います。

全ての工程をお一人でされていますのでたくさん作ることはできませんが、継続していきたいと思っています。

ノートには革カバーを掛けたくなるように、愛用のブロックメモにも専用のホルダーが欲しくなりませんか?

そのまま使えるメモホルダーとブロックメモのページ

移動執筆〜ペリカン400番のセット


当店のような万年筆専門店だと、お客様の数も少なくゆっくりと時間が流れていて、そこで仕事している私たちの日常生活もゆったりと、時間に追われることなく過ごしていると思われているかもしれません。
でも実際のところは、そんなことはありません。
会社で働いていた若い時は忙しい毎日を過ごしていて、その中で流されずに自分の意識を持って仕事することに気を付けていました。

今は当時とはまた違う忙しさがあって、静かだけど大きな強い波に追われているというイメージです。一つずつ確実に、速やかに片付けていかないと、終わらない仕事に気持ちが疲れてしまいます。

でも毎日があっという間に過ぎて、時間がないと思うのは今も変わっていないような気がします。
思い返すと、店を始めた頃の方がゆっくり書き物をしていたように思いますが、それはきっと就寝時間が遅かったからかもしれません。
店にいるときは店でしかできない仕事をしているので、店外にいる時に書き物をする時間を確保する必要があります。

モノを書く仕事がけっこうあって、店にいる時間以外はほとんどそれに当てています。自分には時間がないと思うと、移動中の時間も何とかモノを書く時間に使わなくてはいけません。

私が毎朝通勤で乗る電車は、座れないけれどギュウギュウではない程度の混み具合です。
立ったまま書くということになりますので、両手が使えるようにリュックかショルダーバッグを斜め掛けにして、A5のルーズリーフバインダーを2つ折りにして手に持ち、大きめの文字で書いています。
その方が乱雑な文字でも、後で清書する時に何とか読むことができます。
本当は、机に向かって原稿用紙を広げて万年筆の書き味を楽しみながら書き物をしたいけれど、今のライフスタイルではなかなかそういう時間が取れません。でも電車の中で書き物をするのは、誰にも邪魔されないし到着までの時間も決まっているのでとても集中できます。

こんな時使う筆記具は、ページの上の方を書く時ペン先が上に向くので、空気が入ってしまうボールペンは向いていないので、万年筆かシャープペンシルを使います。両者を、電車の混み具合に応じて使い分けています。

シャープペンシルはペリカンD400がノック式で重量も軸径も適度で、私にはとても使いやすい。あまり目立つ存在ではありませんが、渋い銘品というのはこういうものを言うのかもしれない、と密かに思っています。
万年筆は持っているものを色々使いますが、ペリカンM400は立ったまま書くのに適した万年筆だと思っています。
ペン先が硬すぎると紙面に対して決まった角度で書かなくてはいけないし、柔らかすぎると筆圧を加減する必要があるので立ったままの不安定な体勢には向いていません。ペリカンM400のペン先の硬さは立ったまま書くのに最適だと思っています。
考えてみるとペリカンM400はサイズも小さく、ポケットに差して携帯するための万年筆ですので、この万年筆が立ったまま書くことに適しているのは当然なのかもしれません。

きっと誰もが忙しい毎日を過ごしています。そんな毎日の生活を、少しの楽しみと張り合いを当店なりのやり方で提供できたらと思っています。

⇒ペリカンM400

⇒ペリカンD400

代官山での出張販売

7月はじめに出張販売「外遊露店 in 代官山」を開催しました。代官山は当店が出張販売を始めた最初の場所で、早いもので今年で8年になります。

毎年恒例になっているため知って下さっているお客様も多く、予約の受付を始めると、埋まるのが一番早いのがこの代官山です。

代官山駅から歩いて5分以内という好立地にあることも、ご来場していただきやすくなっている要因のひとつだと思っています。

会場になっているギャラリーにはすっかり慣れて自分たちの場所になっていますが、営業時間が終わってから周辺を歩いたり、蔦屋さんの方まで行ってみるととても華やかな雰囲気で、改めて代官山という場所を感じます。

若い頃、出張や旅行で東京に来た時に、自分が探している何かを見つけによく歩いたことを思い出します。

結局それは自分で作り出すものだったけれど、代官山にはその頃の懐かしい記憶があって、今そこで出張販売していると思うと不思議な気分になります。

そんな代官山で褒めて下さるお客様もおられましたが、当店のオリジナルインクが新パッケージになりました。

インクは自分の個性を表現するもののひとつだと思っていて、愛用して下さるお客様のためにも、オリジナルインクは継続して作り続けてきました。

しかし、オリジナルインクの製造元がボトルの変更をすることになり、それに伴ってラベルデザインも一新しました。

18年以上同じラベルでやってきましたが、ラベルは新しくしても良かった、より長く定番として扱っていくためにはこういう刷新も必要だったと思いました。

オリジナルインクの中で、以前はCigarが緑色から乾くと茶色に変化するということで海外で人気が出て注目されましたが、最近では冬枯れがどの万年筆に入れてもインク出が良く、滑らかに書けるということで人気があります。

他には朔も同様にサラサラしていて、インク出が渋い万年筆でも滑らかに出てくれると思っています。

オリジナルインクを様々なお店が販売していますが、それぞれのお店の表現したい世界観が見えるのがオリジナルインクだと思っています。

オリジナルインクを私たちは万年筆インクの定番にしたいと思って18年作り続けてきました。まだまだ道半ばで、永遠にゴールはないけれど、自分たちで考えて、この手でそれを切り拓くことに価値があると思っています。

*オリジナルインクの中で冬枯れが品切れすることが多いのですが、ご用意できることもありますので、個人でのご使用でしたらメール(pen@p-n-m.net)にてお問い合わせ下さい。

⇒オリジナルインクTOP