星野道夫の本を夢中になって読み漁っていた時期がありました。
アラスカフェアバンクスに家を建て、季節ごとにアラスカの奥地の原野に分け入って、アラスカのさまざまな風景や生き物を撮り続けた写真家、星野道夫のエッセーを読んでヒグマやオオカミ、白くま、カリブーの生態に興味を持ち、極寒の地で暮らすエスキモーやアサバスカインディアンの生活に想いを馳せました。
アメリカ合衆国のネイティブアメリカンへの同化政策やアラスカの開発に反対し、自分たちの民族性やアラスカの大自然を大切にしたいという考えに共感します。日本も西洋化、近代化してテクノロジーを追い求める生き方を卒業してもいいのではないかと思うし、グローバルスタンダードに染まらず、もっと自分たちらしさに誇りを持つべきではないだろうか。
そうやって星野道夫の本を読んで、極北の地への憧れを強めてアラスカやシベリアへ行ってみたいと思うようになりました。
今では、デナリとかアリョーシャン列島、ウラル山脈などの北の地名を見ただけで、心が動くようになっています。実は前作のアンビエンテ・ギアッチャイオにも激しく反応しました。
極寒の地の生活はきっと厳しいと思うけれど、その反面快適な日本では見られない美しい景色も見ることができるのだろう。
アウロラの限定品アンビエンテ・ツンドラに激しく反応する人は私以外にもきっと多くおられると思います。
透明感とニュアンスのあるブルーとブラウンは、北の土地の永久凍土ツンドラを的確に表現しています。
スターリングシルバーを多用したこのモデルを評価する人は多く、デザイン的な理由ももちろんあると思いますが、その使用感が魅力なのだと思います。
人気のあった85周年レッドやマーレリグリアなども同じモデルで、抜群の書き味と高い筆記性能を持ったアウロラの自信作です。
軽く、コントロールしやすいことがアウロラらしさで、そんなアウロラの軽やかさもいいですが、その重量によって強めの弾力に味付けされた18金のペン先のしなりが感じられる書き味の良さは、他のペンでは味わうことのできないものです。
ツンドラは個人的に心揺さぶられるテーマだったけれど、そんなふうにピンポイントでターゲットを狙うテーマの方が、より深く心に刺さるような気がします。