オマス シグネチャーエディション 「ルドヴィコ・エイナウディ」

オマス シグネチャーエディション 「ルドヴィコ・エイナウディ」
オマス シグネチャーエディション 「ルドヴィコ・エイナウディ」

オマスの代表的なペン、アルテイタリアーナシリーズは12角形のボディが特長的ですが、装飾の少ない骨太な印象のとてもシンプルなデザインだと思っています。
シンプルであるためにそこに面白みを見出しにくく、90年という長い歴史のノスタルジーも現行のオマスのペンからは感じにくいと思います。
でもそれを手に取って使ってみると、ミロードには味わい深いしっとりとした書き味と、自然に手が動くような書くためのバランスがあり、パラゴンにはハードに使っても安心感のある剛性感と弾力があって、手応えのある書き味が最大の特長になっています。
それぞれ長く使いたいと思わせてくれる、万年筆として優れたものであることは間違いありません。

万年筆によっては冬にインクの出が良くなる傾向があるため、少し出が渋くなるインクを使う工夫をしたり、多少の使いこなしを要求されるけれど、それもある程度万年筆を使ってきた人のための万年筆であるということだと思います。

オマスは今年創立90周年を迎えていて活発に限定品を発売しています。
シグネチャーエディションも同様の90周年の企画で、音楽家などのアーティストの作品のイメージをオマスのペンで表現したものになっていて、アルテイタリアーナの名に相応しいものになっています。
シグネチャーエディション第1弾はイタリアの音楽家ルドヴィコ・エイナウディです。

ルドヴィコ・エイナウディのシンプルなのにセンチメンタルな旋律もある音楽とオマスの万年筆のデザインとの共通性が感じられ、元々共感し合えていた上での今回のシグネチャーエディション化だったのではと推測したりします。

実は、私はルドヴィコ・エイナウディの音楽は聞いたことがなく、オマスからのシグネチャーエディションのインフォメーションを見ても、名前も聞いたことがない人だと思っていました。

それからしばらくして、お客様が「このお店に合いそうだと思って」とCDを持ってきて下さいました。どこかで見たことのある字面だと思ってよく見ると、ルドヴィコ・エイナウディのものでした。
驚いて万年筆をご紹介するとその方も偶然に驚かれ、少し前からオマスパラゴンに興味を持たれていましたので、迷うことなくシグネチャーエディションパラゴンを買って帰られました。

音数が少なく、静かな印象の曲調が多く、ジャズなどに慣れた耳には大人しすぎるのかとはじめは思っていましたが、聞くほどに心のすごく深いところ、郷愁の部分に届いてくるような音だと思うようになりました。
シグネチャーエディション「ルドヴィコ・エイナウディ」はその音楽性が反映されていて、マットブラックのボディと、艶消しされた金属パーツの輝きを抑えた組み合わせで、静謐ささえ感じます。

アルテイタリアーナのペンをベースにしながら全く違う印象のものに仕立てている。オマス90周年記念、シグネチャーエディションは限定品らしい限定品だと思います。