今年一番お伝えしたいこと

万年筆を愛用している皆様や万年筆の業界のために私がお役に立てることは、ペン先調整をして書き味の良い万年筆や、お好みに合うように仕立てた万年筆を提供することです。
当店でお買い上げいただきました万年筆は、店頭の場合インクを入れてしばらく書いていただき、お客様の書き方に合うように調整して、またしばらく書いていただき、お好みに合うように仕上げてお渡しします。
WEBショップでお買い上げいただいたものも、全てインクを入れて、チェックして、調整しています。
ペン先調整の内容に特にご希望がない場合は、私が一番良いと思う状態にして、インクを洗って、水を切ってから発送しています。

万年筆の試し書きは、多くの場合ボトルインクからペン先にインクを付けて行います。
付けペンだと、その書き味は分かっても、インクの出る量や書き出しが出ないなどの不調を見分けることができません。
それは私のようなペン先調整を仕事にする者でも同様で、インクを一度入れて、チェックするという作業は万年筆を販売することにおいて、必須の過程です。

何か不調があったり、お好みに合わない万年筆のペン先調整も承っています。
ペン先の不調はたいていペン先調整で直すことができるし、書き味が良くないと思っておられるものも改善できます。お送りいただいてのペン先調整も承りますので、まずメールでご相談いただき、お送り下さい。

万年筆は工業製品で仕上がりにはバラつきがあるけれど、ペン先調整することでその万年筆の性能を100%引き出すことができると思っています。まだ一般的には書き味も好みに合わせることができる筆記具だということは周知されていませんが、ペン先調整士の先輩方の活動によって、日本ではだいぶ知られるようになってきました。
しかし海外ではペン先調整士も少なく、日本ほど知られていないようです。
私は今年、万年筆のペン先調整をもっと多くの人に知ってもらえるように、そして良い書き味の万年筆の書き味を味わう楽しさを知って欲しいと思っています。
インクの色を楽しんだり、軸のデザインを愛でること以外の万年筆の楽しみとして、ペン先の仕上げの違いによってもたらされる、書き味の違いを感じることが広れば面白い。
もちろん私も常に努力し続けるつもりだし、そうすることが何より楽しいと思います。
そういうことに共感して下さる方がどれくらいいるのか分からないけれど、日本的な奥深い万年筆の楽しみ方だと思っています。