パーカーソネット130周年記念スペシャルエディション

パーカーソネット130周年記念スペシャルエディション
パーカーソネット130周年記念スペシャルエディション

パーカーが創立130周年を迎えて、ソネットの期間限定生産品を発売しています。
限定品のテーマは「旅」。
旅からインスピレーションを得たデザインで、それらは万年筆を愛用する人たちの好みに合うものだと思っています。

20年以上作られたロングセラーモデル75の後継とも言えるソネットが発売されて25年になります。
柔らかいペン先で、日本語の筆記に向いているという触れ込みで数々の著名人を登場させて華やかに宣伝していたのを就職したばかりの文具店で訳もわからず見ていました。
きっと今なら興味を持って、その瞬間瞬間を見ることができたのに、様々なことをあまりはっきりと記憶していないことを残念に思います。
パーカーソネットやデュオフォールドは、90年代前半の万年筆業界の中心的な存在で、人気が高かった。
その後数多くの魅力的なペンが発売されて、万年筆の話題の中心がドイツやイタリアに移り、パーカーの存在感は万年筆が好きな人、万年筆を趣味的なものとして捉えている人の間では弱くなってしまった、と私は感じていました。
しかし昨年あたりのソネットのモデルチェンジから盛り返してきているのではないかと思っています。
特にデザインが良くなって万年筆をたくさん見てきた人もソネットに注目するようになってきました。
あまり大きくなく胸ポケットに差しても邪魔にならず、パチンと閉まる嵌合式のキャップで、素早く書き出せて仕舞うことができる。
最近の万年筆は本当に大きなものが多い。コンパクトなソネットは長い間変わらず存在していましたが、意外とこのサイズ感のものは少ないと思います。
万年筆を日常的に使う人が増えて、こういう万年筆がまた見直される時代に来ているということも、ソネットが注目されるようになった理由なのかもしれません。
ペン先は、スリットがハート穴まで届かない位短くにすることで、意識して硬くしてあります。ペンポイントを滑らかに書けるよう調整すると、とても使いやすい万年筆になります。

私にとって万年筆は日常的に使う筆記具だけど、どこか旅のイメージを持っています。
それはどこかに出かける時、例えば電車の中や食事に入ったレストランの中、宿の小さな机の上で万年筆を使うことをイメージするからだと思います。
そういう普段とは違う場所で使う万年筆は、ソネットのようなやや小さめな、金属のボディの丈夫な万年筆が向いていると思います。

パーカーが誕生した130年前、万年筆はいちいちインクをつけて書かなくてもいいように、軸内にインクを保持できるものとして、「旅に持って出られるもの」として作られた。
創立130周年の限定生産されているソネットが旅をテーマに作られているのは、パーカーの原点回帰の意味が含まれているのかもしれないと思っています。

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