2色のオリジナルインク〜アナログなネタ帳のインスピレーション

万年筆:オマスボローニャ ディープアメジスト ローズゴールドトリム

最近は買わなくなってしまったけれど、1990年代後半~2010年代まで雑誌をよく買っていて、気に入った記事は切り抜いてスクラップしていました。
ステーショナリーや服や靴、ワークスペースについて興味があったので、切り抜いてそれぞれ違うファイルに綴じていました。
ただ楽しいからしていたことですが、企画を考える時やオリジナル商品を作りたいと思った時、それはネタ帳としてイメージの源泉になりました。
今は皆さんこういうことをスマホでするようになっていて、単なる情報雑誌は廃れてしまったのかもしれません。
でもスマホの中に流れてくる情報は分厚いファイルに綴じたネタの数々と何かが違っていて、代わりにはならないような気がします。少なくともスクラップのファイルは繰り返し見るその時々で、いつも違うイマジネーションを引き出してくれました。

それらの記事では夢も見ることができました。スクラップした記事には時代感のようなものが表れていて、神戸という地方都市の文具店の一店員である自分がその時代の一部だという風に思うことができた。
感覚的な表現ですが、店の中にいて時代感を肌で感じることができたのはスクラップした数々の雑誌のおかげだと思います。

私たちの企画はそういうスクラップや手帳の中に書き留めたモノから生まれています。

先日発売しましたオリジナルインク「紫音(しおん)」はスタッフKの持ち続けていたインクのイメージを実現するために見つけ出した色でした。

万年筆は自分の精神的な支えにもなるアクセサリーのような存在だと訴え続けてきたKのイメージする、煌びやかな色柄の軸の万年筆から出るのに相応しい華やかな色。青だけど紫のトーンのある色で、日常使いできる紫インクだと言います。

もう一つの色、「面影」は「紫音」を探し求めている過程で偶然にできた色で、その色を見ると胸が痛くなるような、心の奥深くにあるものを書き記すためにあるような色に思えました。「面影」という色名はピッタリだと思います。

2008年から作り続けている従来のオリジナルインクにも愛着があって大切に販売し続けているけれど、新しい2色のオリジナルインクは、当店が今の時代に示す理想的なインクの色で、いい色が出来たと思っています。

*9/25(土)26(日)、590&Co.さんで共同開催する綴り屋さんのイベントにもお持ちいたします。

⇒オリジナルインク紫音

⇒オリジナルインク面影

⇒オマスボローニャコレクション

⇒綴り屋作品即売会

日程確保が早まる中で〜2027年オリジナルダイアリー完成

早いものは一年以上先の予定が入っていて、出張販売の予定が決まるのが年々早くなっています。

それは当店が忙しくなっているのではなくて、早く押さえないと希望する日程で会場が取れなくなってきたからです。世の中のスピードが速くなっていることの表れなのかもしれないと思っています。

それが良いことか悪いことか分かりませんが、コロナ禍前より速くなっているように思います。

出張販売は単独開催のものと、590&Co.さんと共同開催のものを中心に行っていて、直近では10月24日(土)25日(日)に590&Co.さんと福岡に行きます。

たまに複数のお店が参加するイベントにも出店することがあって、今年は12月5日(土)6日(日)に、初開催となる文具事変in名古屋に参加します。

イベントにはイベントの販売の仕方があるのだと思いますが、お客様とゆっくり話しながらペン先調整する当店のやり方では単独開催が合っているのだと思います。それでもイベントに参加するのはロマンだと思っています。

この人たちとイベントをしたいと思える人たちとイベントをして、それに来て下さったお客様方がそれを見て面白いと思って下さる。

毎年4月に仙台で開催している文具事変に参加するのは友人の590&Co.の谷本さんが主催するイベントを一緒に盛り上げたいと思うからです。

話が微妙に反れてしまいましたが、早めに予定が入るようになって、私自身も来年のダイアリーの完成が待ち遠しかった。

少しお待たせいたしましたが、2027年版正方形ダイアリーがマンスリー、ウィークリーともに出来上がりました。

正方形ダイアリーはダンデレードCOCという紙を使っています。

ボールペンやペンシルはもちろん万年筆でもにじみや裏抜けのしにくい紙で、紙質もしっかりしています。ボールペンで筆圧を掛けて書いてもへこみにくく、消しゴムやフリクションで消しても紙が波打ちしにくいので使いやすいと思います。

また、このダイアリーに使えるオプションの革カバーの仕様を少し変更しました。ペンホルダーの幅を変更し、今まではペリカンで言うとM600くらいの太さまででしたが、M1000くらいまでの太さまで入れられるようになりました。

字幅のバリエーションが多い国産のスタンダードタイプの定番万年筆、パイロットカスタム743、742、セーラープロフィット、プラチナセンチュリーなども入ります。

特に、細かく書き込む方は国産細字以下の万年筆を使いたいと思われることが多いので、それらが入るようにしました。

ペンホルダーの太径化は「正方形ノートカバー3」と表記しているシリーズで、エプソン革ロイヤルブルー、ミネルヴァリスシオ革の2種類があります。

正方形ダイアリーは、万年筆だけでなくそれ以外のペンでも書くことを楽しくしてくれて、書くことに目的を持たせてくれるものだと思いますので、たくさんの方に使っていただきたいと思っています。

*画像の中に色見本がありますオリジナルインクの新色「紫音」「面影」を、9/19(土)10時から発売いたします。

⇒オリジナルインク紫音

⇒オリジナルインク面影

⇒2027正方形ダイアリー

⇒正方形ダイアリー・ノートカバー

趣味の文具箱とオリジナル万年筆

この店を始めた2007年、19年前から趣味の文具箱に寄稿しています。後ろの方の小さな連載コラムですが、万年筆好きの方に多く読まれている雑誌に毎回決まった場所があるということがとても有難いことだと思っています。

9月10日に趣味の文具箱10月号VOL.79が発売されました。

今回私は九星堂について書かせていただきました。このページをご覧いただいているお客様方なら九星堂はご存知だと思います。当店が最も大切にしている万年筆メーカーの一つで、その思い入れを書かせていただきました。

また今回「万年筆ニュースタンダード」という企画の中で、九星堂とともに当店のオリジナル万年筆も大きく紹介していただいています。ペンポイントの拡大写真はとても美しく、さすがプロのカメラマンの仕事だと思いました。

当店のオリジナル万年筆のペン先は、ペンポイントが未研磨の大きな玉の状態で入荷します。それを当店で様々な形に研ぎ出しています。

さまざまな研ぎがあって、それぞれ書き味と線の形が違います。実用的な太さはもちろん、ただ書くことを楽しむ贅沢な太字のペン先にもすることができます。

いずれかの研ぎが、使われるお客様がご自分の理想に合って、満足できる文字を書くお役に立てたらと思っています。

同じ万年筆でも様々な研ぎによって書き味や書ける線の違いを楽しむことができる、当店のスタンダードが今回美しい画像と共に紹介されたと思います。

私が今オリジナル万年筆のペン先を様々な形の研ぎで提案したり、お持込みの万年筆のペン先調整をしているのは、20代の時入社してしばらくした時に担当した万年筆クリニックを経験したからでした。

万年筆クリニックでたくさんのお客様の万年筆を書きやすく調整したり、お買い上げいだだいた万年筆に特別な研ぎを施す仕事を間近で見ながら、自分もこんな仕事がしたいと思いました。

そしてペン先の研ぎを極めるという、一つのことを探究するところにもとても惹かれました。

私の中でその象徴になっているのが当時の万年筆クリニックで故長原宣義先生に研いでいただいた万年筆で、今回の趣味の文具箱の「万年筆の始まりと新定番」というコーナーにも載せていただきました。

そう思うと、今30年前にイメージした仕事をしていられるのはとても恵まれたことだと思います。

趣味の文具箱の記事を書く時や、毎週書いているこのコーナーで頭を悩ませることはよくありますが、それも幸せなことなのだと改めて思いました。

⇒オリジナル万年筆14金ペン先

⇒オリジナル万年筆スチールペン先

名古屋の出張販売と9/19発売の新色オリジナルインク

先週、590&Co.さんとの共同出張販売「 & in 名古屋」に行ってきました。

前日に名古屋入りして設営した後、名古屋にお住いのお世話になっているTさんご夫妻と一年ぶりに食事をしました。

Tさんは若い時に会社を起こして、奥様と身を粉にして働いて会社を大きくされた方です。

会社は一時の仕事で良い結果が出てもそれが継続しなければいけなくて、勝手に転がって行くように軌道に乗ることなどありません。

あぐらをかいた瞬間にダメになっていく、ということを知っている方と話すことはとても勉強になり、私になくてはならない機会になっています。

一年に一度名古屋で笑って会おうと思うと、Tさんは元気でいなくてはいけないし、私は店がある程度順調でなくてはいけません。こうして会えることは私の励みにもなっています。

イベント自体は590&Co.さんの集客力もあって、たくさんのお客様にご来店いただき本当に有り難かったです。

名古屋では12/5(土)6(日)に590&Co.の谷本さん主催のイベント「文具事変in名古屋」があり、それも楽しみです。

いつも会場にはオリジナルインクの色見本を置いていますが、今回はその中に新色のオリジナルインクの色見本を入れて行きました。

新色は「紫音(しおん)」と「面影(おもかげ)」です。

「紫音」は最初は紫色、乾くと「ロイヤルブルーぽく見える」を目指して作った紫青インクです。紫系のインクは普段使いしにくい面がありますが、このインクなら「青」と見えなくもなく、日常に馴染む色だと思います。

個性的な万年筆の軸の色に添えられる華やかさのある色で、イメージ通りの良い色ができたと思います。

「面影」は自分の考えや想いをしたためるのに相応しい色をイメージしたインクです。書いたばかりの時は深い緑色、乾くと黒っぽく紙面に馴染んで落ち着きます。

例えば今回のようにTさんにお会いして、お話を伺って考えたことを書くような用途に使いたい色です。

ご来場の方にもインクの色を何度か質問されましたが、面影は試筆用の九星堂カカリに入っているインクでした。

新しいインクは9月19日、当店創業19周年(9/23)の直前から発売する予定です。

⇒文具事変in名古屋